コンクリート
こんくりーと
概要
砂利(粗骨材)や砂(細骨材)をセメント(結合剤)で固めたもの。セメントに細骨材のみを混ぜたものをモルタルと呼び区別する。
安くて頑丈で造形の自由度が高く、鉄筋と組み合わせた鉄筋コンクリートは現代の土木建築には欠かせない素材。木造住宅でもその基礎はたいてい鉄筋コンクリートである。
施工と用途
現代ではセメントと水と骨材を混ぜて練ったもの(生コンクリート、略して生コン)を木の板などで作った型枠に流し込んで施工する。生コンは現場で作ることもできるが、現代では品質を一定に保つため生コン工場で作りミキサー車で現場まで運ぶことが多い。
建築用としては鉄筋コンクリートの利用が多いため、鉄筋を入れないコンクリートは「無筋コンクリート」と呼ばれて区別される。無筋コンクリートもダムや擁壁、舗装などに用いられる。
コンクリートを四角く固めたコンクリートブロックも塀や擁壁用として広く使われる。また、石像などの彫刻に使われることもある。
歴史
歴史は古く、古代ローマ帝国では水道橋やパンテオン、下水道、公衆浴場など多くの構造物がローマン・コンクリートと呼ばれるコンクリートを使って施工された。古代のコンクリート建築は無筋コンクリートなので分厚く外観も重厚であるが、遺跡として多くが現代までその姿を残しており、中には現役で使われているものすらある。
19世紀前半にポルトランドセメントという現代的なセメントが生まれ、19世紀後半に鉄筋コンクリートが開発され、建築に広く使われるようになった。
コンクリートの需要が激増するに従い、細骨材となる良質な川砂が枯渇し、砂の争奪戦が激しさを増した。日本の高度経済成長期には塩分を含んだ海砂を使ってしまったりしたことで、塩害による鉄筋コンクリートの劣化が深刻な問題となっている。
近年の日本では、建造物の解体などで出るコンクリートを再利用した骨材を主に用いている。日本で発生した廃コンクリートの98%以上が骨材として再生される。清掃工場などの焼却灰や破砕プラスチックなどのゴミも骨材として利用されることがある。