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概要編集

鉄筋コンクリート(Reinforced Concrete、RC)とは、鉄筋一体化させることで強度を上げたコンクリート


下記の優れた特性と、比較的コスト(素材・施工とも)が安いことから、建築物土木構造物建材として広く用いられる。大仏などの巨大な彫像の素材になることもある。


特性編集

)は外部から強いが掛かると変形しやすいが、引っ張りに強く容易に破断しない粘り強さを持つ。コンクリートは圧縮に強く容易に変形しないが、引っ張り強度は著しく低く、圧縮強度の10分の1程度でしかない。この2つの素材を組み合わせることで、両者の弱点を補い長所を生かすのだ。


また、鋼は空気中ではやがて錆びて強度を失うが、コンクリートはアルカリ性の水酸化カルシウムを豊富に含んでおり、鉄筋と密着すると鉄の表面に薄い酸化皮膜である不動態被膜が形成されるため錆は進行しない。この点でも鉄とコンクリートは相性がよい。


しかし、空気にさらされたコンクリートは二酸化炭素と反応することで徐々に中性化し、鉄筋を保護する機能を失ってしまう。風化でひび割れなどが生じ水や空気がコンクリート内部に侵入すると中性化は急激に進み、鉄筋が膨張・爆裂してコンクリートを破壊し、鉄筋コンクリートはその形を失ってしまう。鉄筋コンクリートを長持ちさせるには、表面に防水性のある塗料を塗る、ひび割れを早めに修復するなどのメンテナンスが欠かせない。


鉄筋コンクリート建築編集

鉄筋コンクリート建築の構造は、で強度を分担するラーメン構造と、耐力壁とスラブ(床・屋根)で強度を分担する壁式構造に大別される。壁式構造の中には工場で製作した壁やスラブを現場で組み立てるものがあり、これをプレキャスト鉄筋コンクリート造(PCa)という。


高層建築では鉄骨ラーメン構造に鉄筋を組み合わせ、隙間にコンクリートを流し込む鉄骨鉄筋コンクリート構造(SRC構造)もよく見受けられる。


「特性」の項目では鉄筋が引っ張り力、コンクリートが圧縮力を分担するように書いたが、実際の鉄筋コンクリート建築では圧縮応力を負担するように配置された鉄筋もある(圧縮鉄筋。ラーメン構造の梁の上面などに配置される)。コンクリートも上記の通り若干の引っ張り応力を持つが、構造計算ではコンクリートの引っ張り強度には期待せず、すべての引っ張り力を鉄筋が負担するものとして設計する。


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