究極の絆グリフォン
きゅうきょくのきずなぐりふぉん
概要
2011年12月に公開された劇場版イナズマイレブンGO。
フィフスセクターに遠征という名目で連れてこられた絶海の孤島「ゴッドエデン」を舞台に雷門イレブンと究極を目指すアンリミテッドシャイニング・エンシャントダーク2つのチームの戦いを描いた物語。第1期のダイジェストを兼ねていた前作とは異なり、完全新規の物語となる。
公式でも『化身大戦』を謳っており、主役3人の他に敵側も多数化身を召喚して、さながら巨大戦のようにぶつかり合う展開が本作最大のウリ。もちろん、通常の必殺技演出も大幅に強化されており、白竜の放つホワイトハリケーンはかなり気合が入っている。
無印からのゲストとして中学生時代の円堂守、吹雪士郎、鬼道有人、壁山塀五郎、風丸一郎太、不動明王が登場しているが、あくまでも助っ人として登場したのは大人になった彼らである。
吹雪が雷門イレブンに課した特訓がサンドボードであったり、『3』からあるゲストが登場したりとファンサービスや小ネタも多い。
残念ながら、倉間、速水、浜野の3人は雷門中で非常時に備えて留守番となった為、本編で活躍するシーンは全くない。
脚本は日野晃博。
公開前は日野社長の過去のシナリオ技量を鑑みて特にストーリー面を不安視する声も少なくなかったが、杞憂に終わり、ネット上では高い評価を得ている。
また、本編のシリーズ構成を担当し、前作のノベライズも担当した冨岡淳広によるノベライズ版も発売中。
こちらは映画内で語りきれていない登場人物の心情や軽く経歴を補完する内容となっている。
あくまで、アニメ版寄りの設定だが、フィフスセクターの台頭過程も語られている。
歴代劇場版作品の中で唯一、本編とストーリーが繋がっている作品である(前作は1期のパラレル、次回作は『クロノ・ストーン』編から分岐した『ギャラクシー』編のパラレル設定である為)。
時系列はアニメ版『GO』第32話「革命(かぜ)の軌跡」以降の話であり、第39話では本作の出来事を反映して天馬の化身が『魔神ペガサスアーク』に進化している他、『無頼ハンド』や『ディープミスト』といった新必殺技も後の話で登場していたり、白竜やシュウとも対面済みとなっている。
また、『GO』の続編である『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』とも設定面で繋がっている。
OPはTVシリーズの1stOP「天までとどけっ!」のアレンジ版である「虹を超えて天までとどけっ!」(歌:T-Pistonz+KMC)、EDは「僕らの楽園」(歌:T-Pistonz+KMC)、挿入歌は「夢のかたまり」(歌:空野葵(CV:北原沙弥香))。
その他
- 漫画版(やぶのてんや版)
月刊コロコロコミック2012年1月号付録の『劇場版イナズマイレブンGO 超外伝コミックBOOK』にて本作の外伝である特別編「剣城VS白竜~ゴッドエデンの真実~」が掲載された。
作画自体はコロコロ本誌に連載された漫画版同様にやぶのてんや氏が作画を担当しているが、冒頭の煽りから設定は本作準拠という事らしい(公式設定というわけではない)。
内容自体はゴッドエデン時代の剣城と白竜を描いたものとなっている。
なお、あまり知られていないが、この冊子が『GO1』におけるじーさんの参戦パスワードの初出だったりする。
ゲームでは
これまでの隠しチーム同様にクリア後にシャイン版で『アンリミテッドシャイニング』、ダーク版で『エンシャントダーク』と戦え、本作の追体験が可能。
上記のようにどちらか1チームとしか対戦できないが、ダーク版とシャイン版を通信させると混成チームの『ゼロ』と対戦でき、片方のバージョンでしか登場しないチームとも戦ったという体で話が進行する。
ただし、旧イナズマジャパンが助っ人になったり、ゼロ側にゴッドエデンの教官(五条さんも含む)が介入するという展開はない(一応、教官たちを選手として引き抜きする事は可能である)。
アニメ版が木戸川清修戦後の話だったように、ウォーターワールドスタジアムからイベントが発生するので、時系列自体はやはりクリア前の設定である(円堂が白恋中の後に監督を一時離脱する下りがある)。
以上の設定は本筋にもきちんと還元されており、続編の『GO2』ではシュウと対面済みでゴッドエデンに行くイベントがある他、「ライメイ」バージョンでは白竜と対面済みかつ時空最強イレブンの仲間入りを果たすという展開になっている。
『GO2』では本作のオマージュとしてそよかぜステップの派生技である『そよヤギステップ』が逆輸入された。
ゲームにおけるゼロの所属メンバーである悠木譲は(対戦ルートでだが)『光速のマキシム』を化身に持っているのだが、本作では『魔宰相ビショップB』となっており、『イナズマイレブンストライカーズ』シリーズでもそれに倣っている。
余談
アニメージュに掲載された宮尾監督の雑記帳にはどのメディア展開でも一切触れられていない「カイは古代人の末裔」「ヤギは島の神様」等といったことが書(描)かれている。
ただし、あくまで絵コンテを描くにあたっての監督の想定であることが注釈されており、公式設定かという点においてはグレーなところ。
本作公開を記念して、今回も人気投票が行われたが、投票結果は五条さん、牙山道三、野谷計一郎がTOP3入りするカオスな結果に終わった。