概要
自民党のうち大阪府連や自民党大阪府議団や大阪市議団などを総称して大阪自民と呼ばれる。
しかし自民党と言いながらその活動実態は左派である社民党や立憲民主党、日本共産党に近く、一緒に手を組む事も少なくない。
そのため「大阪自民は国政とは別物」と認識する人は多い。
大阪に住む自民支持者の中には自民から移籍した者が多い地域政党・大阪維新の会や日本維新の会に支持を変えたり、「自民支持だが、大阪では維新に入れる」という国政と地域で投票先を分ける者が多く出ている。最近では国政すらも維新に投票する自民支持者も多くなった。
それだけ大阪自民の体たらくぶりが維新の活躍により露見したかたちとなった。
分裂の始まり
橋下徹が大阪府知事になり、府庁や議会内の改革に乗り出したとこから始まる。
大阪自民に所属していた政治家のうち、松井一郎を含めた数名が自民党・維新の会という会派を設立した。その会派に流れたメンバーが自民党を離党し、橋下徹と合流して大阪維新の会創設となった。当時多くの大阪自民の党員が維新に移っている。
それでも残った大阪自民の党員を「純粋な自民党員」という人もいるが、実態は大して力を持たない残りカスである。
維新への反発
維新に移らず残った面々は大阪では維新の政策になんでも反対する野党に成り下がった。
特に大阪市を廃止して4,5つの特別区に再編する大阪都構想には西成区選出の市議会議員・柳本顕を旗振り役として全面的に反対。
その際には同じく反対する共産党の街宣車に乗り、都構想反対を訴える自民党の国会議員まで現れた。
この事を自民党本部が「共産と共闘するな」と注意しても、「勝つためです」と突っぱねて、共産と一緒に戦い続ける。
官邸では安倍晋三や菅義偉らが大阪自民の一連の行動に呆れており、冷遇してきた。
時には国政の自民党の政策にも真っ向から反対することもあり、国政には悩みの種である。
先述の大阪都構想の他にも、IRの大阪開業や万博開催を大阪自民の大阪市議団が全員反対している。
特にIRに関しては隣県の和歌山県を選挙区に持つ自民のドン・二階俊博が推し進めているにもかかわらずだ。二階を敵に回していいのだろうか?
更にトチ狂ったのか、「夢洲にIRの代わりとして夢の国を誘致する」という公約を一部党員が言い出した。日本での運営会社にとっても寝耳に水の報道であり、何より政治利用される事を嫌う夢の国の大元が怒る可能性がある。
いずれも自分達が今まで吸ってきた甘い汁(既得権益)を奪われた事による個人的な僻みである。
その事を巧妙に包み隠しても橋下徹の鋭い意見をはじめとして大阪の有権者からはバレており、その事から支持や求心力が低下している。
2021年10月に行われた第49回衆議院議員総選挙では、自民党全体では単独過半数を取れたものの、大阪の選挙区だけは真逆の結果となった。
大阪の19の小選挙区のうち、自公連立で公明党に譲っている4小選挙区を除いた15の小選挙区で立てた自民党候補15人が全員落選。比例復活は2人のみという散々な結果となった。
止まらない凋落
衆院選全敗後も変わらず維新憎しの行動と国政に歯向かう言動が後を絶たず、2023年の統一地方選挙にて行われた大阪府内の4つの同時選挙(知事選、市長選、府議選、市議選)では党としての候補を立てずに、設立に関わった団体『アップデートおおさか』に反維新の筆頭であった市議・北野妙子が無所属で立候補した。
この選挙でも大阪自民はやらかしており、市長候補である北野を応援する一方で府知事候補となった谷口真由美への応援は控えめだった。因みに結果は維新の圧勝だった。
そして府議選、市議選は共に維新が過半数を取り、自民は大幅に議席を減らす。
この統一地方選挙でも大惨敗したことを受けて、自民党本部が立て直しに介入してきた。
しかしまとめるのが茂木敏充自民党幹事長である事に大きな不満があった。
そして対策として衆院選の候補のうち半分以上である10の小選挙区の候補を候補する策にうって出た。
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柳本顕…大阪自民の顔と言える政治家。