のび太の宇宙小戦争2021
のびたのりとるすたーうぉーずにーまるにーいち
概要
映画ドラえもん第41作。『ドラえもん のび太の宇宙小戦争』のリメイク作品。正式タイトルは『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争2021』。
西暦がタイトルに組み込まれるのは『恐竜2006』、リメイクとしては『新・日本誕生』以来で、令和では初となる。
主題歌はOfficial髭男dismの「Universe」。
公開延期
当初は2021年3月5日の公開を予定していたが、前年の『新恐竜』及び『STAND BY ME ドラえもん 2』同様、新型コロナウイルス感染症の影響で公開延期になり、7月17日のテレビアニメ通常回放送後、2022年春に改めて公開することが報じられ、同年11月9日に2022年3月4日に公開することが発表された。なお、タイトルの年表記は変更されずそのまま。
このため、2021年は16年ぶりにドラえもん映画の空白期になる。ただ、同時期に公開延期が発表された『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』が同年3月に、同年4月公開予定から延期となっていた『クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』が3か月後の同年7月にそれぞれ公開延期になっている状況と比べれば、本作の延期はかなり長期間におよぶものとなった(恐らく、去年に比べて公開延期になった作品が少なかった事から公開枠の空きが無かったため、翌年春という1年延期にせざるを得なかったという事情もあると思われる)。延期発表時には恐らく次回作『のび太と空の理想郷』の制作及びゲスト声優のオファーについても既に手が付けられていたであろう事が考えられるが、本作の延期に伴い玉突きのような形で2023年3月公開となった可能性も窺える。
また、この公開延期によって、2021年2月に小学館ジュニア文庫から発売予定だった小説や、同年3月に発売予定だったニンテンドースイッチ用ゲームソフト『ゲーム ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』が発売延期されるなど、関連商品の発売にも影響を与えている。
ゲストキャラクター
原作版との差異
リメイク版の特徴として、原作からシナリオに幾らか変更が加えられている。
原作の縦軸であるギルモア将軍とドラコルル長官を倒すという流れを守りつつも、そこに至るまでの流れや、細かいキャラの描写には違いがある。
原作版との主な違いは以下の通りになる。
- パピに姉のピイナが追加される。原作版では家族などの描写はなく、あくまでも亡命した大統領という側面にのみ注目されていた。
- 野比家で過ごした時間がカットされる。原作版では、野比家の両親を含めて食事や生活などを共にするシーンがあったが、それらはカットされ、あくまでもパピとのび太たちレギュラーメンバーの友情にピントを合わせている。
- パピがギルモア一派に捕まるまでの経緯が異なる。原作版では、先ずしずかがドラコルルに捕まり人質交換という形でパピが捕まったが、人質交換のシーンでのび太たちがしずかとパピを同時に救出し、レジスタンスと合流するまではパピはのび太たちと行動を共にする。その後、姉を人質に取られたことでレジスタンスから抜け出して捕まった形になる。
- のび太たちがギルモアらに捕まった際に、原作版ではそのまま処刑場に連行されることになったが、リメイクされた際に、偶然のび太だけが助かり、ドラえもんたちを助ける為に奮闘するシーンが追加される。
- ギルモアの登場シーンが増え、ドラコルルも軍人らしい人物描写が増える。特に、ドラコルルに関しては、原作版よりも人間的にも悪役的にも感情移入しやすい描写が増え、より魅力的なキャラとなっている。
- スネ夫が製作した戦車は、原作版では外見上は通常の戦車と変わりなかったが、リメイクされた際にデザインは近未来的なものに一新され、機能も変形機構が追加されるなど、大きく一新されている。
余談
元々はタイトル通り2021年に公開されるはずだったが、公開日が一年もずれた後に2022年2月24日にウクライナ侵攻が起こり、奇しくも独裁者と戦う民主主義勢力という構図が現実に起こってしまい、その点もネット上では少々話題になった。