概要(基本プロフィール)
稀代の天才棋士。2016年には囲碁界史上初の七冠独占を達成し(将棋は羽生善治が1995年・藤井聡太が2023年に達成している)、2017年には2度目の七冠独占を囲碁・将棋界通して初めて達成した。これらが評価され、2018年には永世七冠を達成した羽生と共に国民栄誉賞を受賞した。2023年にはTwitterアカウントを開設した。
主要棋歴
年度 | 主な成績 |
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2002年度 | 院生リーグ71勝8敗(内48連勝を含む)で入段を果たす。 |
2005年度 | 第12期阿含・桐山杯で小林覚九段を破り棋戦初優勝し、規定により七段昇段。16歳での優勝は史上最年少記録である。 |
2007年度 | 第32期新人王戦で望月研一六段を破り同棋戦初優勝。 |
2008年度 | 第33期名人戦でタイトル初挑戦、規定により八段昇段(張栩名人との番勝負は3勝4敗のフルセットの末敗退)。 |
2009年度 | 第34期名人戦で2期連続のタイトル挑戦。張名人との番勝負を4勝1敗で制し、タイトル奪取、規定により九段に昇段した。20歳4ヶ月でのタイトル獲得・九段昇段は当時の最年少記録(2019年に芝野虎丸九段がともに更新)。第18期竜星戦で張名人を破り、同棋戦初優勝。 |
2010年度 | 第35期名人戦で高尾紳路九段を4連勝で破りタイトル初防衛。第6回大和証券杯ネットオープン戦で同棋戦初優勝。 |
2011年度 | 第35期棋聖戦でタイトル挑戦(張棋聖との番勝負は2勝4敗で敗退)。第49期十段戦で張十段を3勝2敗で破り、タイトル奪取。第37期天元戦では結城聡天元を3連勝で破り、タイトル奪取。自身初の三冠となった。第20期竜星戦で結城天元を破り、棋戦優勝。第18期阿含・桐山杯で山下敬吾桐山杯を破り、2度目の優勝。 |
2012年度 | 第50期十段戦で張棋聖を3勝1敗で破りタイトル防衛。第67期本因坊戦で山下本因坊を4勝3敗で破りタイトル奪取、三冠復帰。第37期碁聖戦で羽根直樹碁聖を3連勝で破りタイトル奪取、四冠王に。第60期王座戦で張王座を3連勝で破りタイトル奪取、五冠王に。第38期天元戦で河野臨九段を3連勝で破りタイトル防衛。 |
2013年度 | 第37期棋聖戦で張棋聖を4勝2敗で破り棋聖位を奪取、囲碁界初の六冠王となる。第68期本因坊戦で高尾九段を4勝3敗で破りタイトル防衛。第38期碁聖戦で河野臨九段を3勝2敗で破りタイトル防衛。第38期名人戦で山下名人を4勝1敗で破り名人位奪取、六冠復帰。第39期天元戦で秋山次郎九段を3連勝で破りタイトル防衛。第61期王座戦で張九段を3勝1敗で破りタイトル防衛。 |
2014年度 | 第38期棋聖戦で山下九段を4勝2敗で破りタイトル防衛。69期本因坊戦で伊田篤史八段を4勝1敗で破りタイトル防衛。第39期碁聖戦で河野九段を3勝2敗で破りタイトル防衛。第39期名人戦で河野九段を4勝2敗で破りタイトル防衛。第21期阿含桐山杯で3度目の優勝。 |
2015年度 | 第39期棋聖戦で山下九段を4勝3敗で破りタイトル防衛。第70期本因坊戦で山下九段を4勝1敗で破りタイトル防衛。第40期碁聖戦で山下九段を3勝1敗で破りタイトル防衛。第40期名人戦で高尾九段を4連勝で破りタイトル防衛。第63期王座戦で村川大介王座を3連勝で破りタイトル奪取、五冠復帰。第41期天元戦で高尾天元を3連勝で破りタイトル奪取、3度目の六冠に。第22期阿含桐山杯で2連覇かつ4度目の優勝。 |
2016年度 | 第40期棋聖戦で山下九段を4連勝で破りタイトル防衛。第54期十段戦で伊田十段を3勝1敗で破りタイトル奪取、囲碁界初の七冠独占を達成する。第71期本因坊戦で高尾九段を4勝1敗で破りタイトル防衛。第41期碁聖戦で村川八段を3連勝で破りタイトル防衛。第41期名人戦で高尾九段に4勝3敗のフルセットの末で敗れ失冠、六冠へ後退。第64期王座戦で余正麒七段を3連勝で破りタイトル防衛。第42期天元戦で一力遼七段を3勝1敗で破りタイトル防衛。第64回NHK杯で一力七段を破り、同棋戦初優勝。 |
2017年度 | 第41期棋聖戦で河野九段を4勝2敗で破りタイトル防衛。第55期十段戦で余七段を3勝1敗で破りタイトル防衛。第72期本因坊戦で本木克弥八段を4連勝で破りタイトル防衛。第42期碁聖戦で山下九段を3連勝で破りタイトル防衛第42期名人戦で高尾名人を4勝1敗で破りタイトル奪取、史上初の2度目の七冠独占を達成する。第65期王座戦で一力八段を3連勝で破りタイトル防衛。第43期天元戦で一力八段を3連勝で破りタイトル防衛。第65回NHK杯で志田達哉七段を破り、2連覇かつ2度目の優勝。 |
2018年度 | 第42期棋聖戦で一力八段を4連勝で破りタイトル防衛。第56期十段戦で村川八段を3連勝で破りタイトル防衛。第73期本因坊戦で山下九段を4勝1敗で破りタイトル防衛。第66期王座戦で一力八段を3勝2敗で破りタイトル防衛。第44期天元戦で山下九段を3勝2敗で破りタイトル防衛。 |
2019年度 | 第43期棋聖戦で山下九段を4勝3敗で破りタイトル防衛。第74期本因坊戦で河野九段を4勝2敗で破りタイトル防衛。第45期天元戦で許家元八段を3勝2敗で破りタイトル防衛。第67回NHK杯で一力八段に勝ち、3度目の優勝。 |
2020年度 | 第44期棋聖戦で河野九段を4勝2敗で破りタイトル防衛。第75期本因坊戦で芝野虎丸三冠を4勝1敗で破りタイトル防衛。第45期名人戦で芝野名人を4勝1敗で破り、タイトル奪取。四冠(かつ大三冠)へ復帰。第27期阿含・桐山杯で山下九段を破り、5度目の優勝。 |
2021年度 | 第45期棋聖戦では河野九段に2年連続の挑戦を受ける。第76期本因坊戦にて2年連続の挑戦となった芝野王座を4勝3敗で破り10連覇を達成。第46期碁聖戦で一力碁聖を3勝2敗で破り、4年ぶりに碁聖位復位。第69期王座戦で芝野王座を3勝2敗で破り、3年ぶりに王座位復位、2年7か月ぶりに五冠復帰を果たす。 |
2022年度 | 第77期本因坊戦にて一力棋聖を4勝0敗で破り、ストレートで11連覇を達成。第47期碁聖戦で一力碁聖を3勝0敗で破り、ストレート防衛。第70期王座戦で余八段を3勝0敗で破り、ストレート防衛。棋聖・名人を失冠したものの三冠を堅持した。 |
2023年度 | 第78期本因坊戦で一力棋聖に敗れ失冠、約12年ぶりに二冠に後退する。 |
余談
- 従来の型・定石に囚われず、「打ちたい所に打つ」を信条にした独創的なスタイル。 構想力に優れ、予想外の一手から大胆な変化を選び解説者を驚かせることもしばしば見られる。形勢の良し悪しにかかわらず、常に「最強手」を模索しており、優勢の局面でも安全で手堅い手よりも険しく厳しい手を選ぶ事が多い。
- 大の長考派として知られ、勝負所と踏めば序盤から持ち時間を惜しげもなく使っていた。(ただし30歳を過ぎた2019年頃からは以前よりも後半に時間を残す打ち方も見られるようになっている)
- 低段者時代は地に辛く攻めの強い碁を打っていたが、タイトル戦で争うようになってからは手厚い碁も打つようになった。
- 2012年に将棋女流棋士の室田伊緒と結婚したが、2015年に離婚。その後、2019年7月に25歳の一般女性との再婚を発表した。
- 2010年代前半は「平成四天王」(張栩・山下敬吾・羽根直樹・高尾紳路)とのタイトル戦が多かったが、2010年代後半から2020年代にかけては「令和三羽烏」(一力遼・芝野虎丸・許家元)とのタイトル戦が増加した。そのため2023年現在、一力に棋聖位・本因坊位を、芝野に名人位をそれぞれ奪われている。
関連タグ
羽生善治…将棋界で七冠独占、永世七冠(囲碁界での名誉七冠に相当)を達成した棋士。2018年には井山とともに国民栄誉賞を受賞する。