概要(基本プロフィール)
史上最年少での七大タイトル(名人)獲得、史上最年少での三冠達成(名人・王座・十段)など多数の最短・最年少記録を有する。一力遼棋聖(本因坊・天元)や許家元九段とともに「令和三羽烏」と言われる。囲碁棋士の芝野龍之介二段は実兄。
棋歴
年度 | 主な成績 |
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プロ入りまで | ヒカルの碁のファンだった親の影響により、兄の龍之介と共に囲碁を始める。洪清泉四段が主宰する「洪道場」に参加する。 |
2014年度 | 院生研修成績1位により夏季棋士採用となり、入段。 |
2016年度 | 第41期棋聖戦Cリーグで4勝1敗の成績を収め、Bリーグへ昇級。 |
2017年度 | 第26期竜星戦で余正麒七段に中押し勝ちし全棋士参加棋戦初優勝。入段からわずか2年11か月での全棋士参加棋戦優勝は井山裕太三冠の3年6か月を更新する史上最短記録で、17歳8か月での全棋士参加棋戦優勝も井山三冠の16歳4か月に次ぐ歴代2位の年少記録。規また翌日付で規定により七段に昇段。入段から2年11か月での七段昇段も史上最短記録である。第65期王座戦では挑戦者決定戦に進出。しかし、一力遼七段に敗れ、史上最年少でのタイトル戦出場を逃す。 |
2017年度 | 第73期本因坊戦最終予選決勝で許家元四段に勝利し史上最年少でのリーグ入り。第42期新人王戦で孫喆五段を2連勝で破り、優勝。第43期名人戦最終予選では一力七段に勝利。こちらも史上最年少でのリーグ入りを果たした。 |
2018年度 | 第4回日中竜星戦で中国の柯潔九段に中押し勝ちし優勝。日中竜星戦での日本代表選手の優勝は初めて。 |
2019年度 | 第44期名人戦リーグでは6勝2敗と活躍。同率首位の河野臨九段とのプレーオフを制し、プロ入りから史上最速、史上2人目となる10代での名人挑戦を決めた。また、規定により八段昇段も決めた。張栩名人との番勝負では4勝1敗で奪取。史上最年少での名人獲得と規定による史上最短での九段昇段を決めた。また、第67期王座戦では挑戦者決定戦で許八段を破り、挑戦権を獲得。井山王座との番勝負でも3勝1敗で奪取。こちらも史上最年少で七大タイトル二冠王となった。 |
2020年度 | 第58期十段戦でも挑戦者決定戦で井山棋聖を破り、挑戦権獲得。村川大介十段との番勝負を3勝1敗で制し、奪取。今度は史上最年少で七大タイトル三冠王となった。同年の第75期本因坊戦でも挑戦権を獲得。本因坊文裕との番勝負は1勝4敗で敗退する。第45期名人戦では井山棋聖の挑戦を受けた。番勝負は1勝4敗で敗れ失冠。二冠へ後退した。第68期王座戦では許八段の挑戦を3勝1敗で退けタイトル初防衛。 |
2021年度 | 第59期十段戦では許八段に2勝3敗で、第68期王座戦では井山棋聖に2勝3敗でそれぞれ敗れ失冠し、2年ぶりの無冠となる。第30期竜星戦では許十段を破り、4年ぶり2回目の優勝を果たす。2年連続の挑戦となった第76期本因坊戦では本因坊文裕に3勝4敗で敗れ、惜しくも敗退。 |
2022年度 | 第47期名人戦では挑戦者決定リーグで7勝1敗の好成績にて挑戦権を獲得。井山裕太名人との番勝負を4勝3敗のフルセットの末に制し、名人位を奪還。名人への返り咲きを果たすとともに、タイトル保持者に復帰した。第47期棋聖戦Sリーグでは開幕から5連勝を達成。挑戦者決定戦で山下敬吾九段を下し、一力棋聖への挑戦権を獲得した。一力との番勝負は2勝4敗で敗退。第61期十段戦では挑戦者決定戦で本因坊文裕を下して挑戦権を獲得。許十段との番勝負を3勝1敗で制して十段位を奪回、二冠に復帰した。 |
2023年度 | 第48期名人戦では井山二冠のリベンジマッチを4勝2敗で退け、名人位の初防衛を果たす。第62期十段戦は井山二冠に2勝3敗で敗れ失冠。 |
2024年度 | 第3期テイケイ杯俊英戦で関航太郎九段に2連勝で勝利し、同棋戦初優勝。第48期碁聖戦では挑戦者決定戦で安達利昌七段を下して挑戦権獲得。現在、井山碁聖との番勝負が進行中である。 |
余談
- 将棋棋士の豊島将之九段に顔がそっくりと言われることがある。なお、豊島も2019年度の第77期名人戦で佐藤天彦名人(当時)から名人位を奪取しており、囲碁・将棋の名人として、実際に豊島と紙上対談を行ったこともある。
- 歴代のタイトルホルダーとは全く違うタイプの棋士と言われており、「もともとそんなに勝ちたい、トップに行きたいという気持はない」「自分は棋士に向いていないのかなと」「この一局にかける、などと思ったことはありません」など、勝負師である棋士としては聞いたことのない発言をしている。
- また、AI囲碁を駆使し実力の向上をはかるAI世代と呼ばれる囲碁の新世代の筆頭と言われている。