概要
羽根直樹は日本の囲碁棋士。日本棋院中部総本部所属。1976年8月14日生まれ、三重県出身。七大タイトル9期をはじめとする、通算タイトル獲得数は25期。張栩九段、山下敬吾九段、高尾紳路九段らとともに「平成四天王」と称される。
概要
父・羽根泰正九段の指導の下に幼少の頃より棋士を志す。
1991年に15歳で初段入品(プロ入り)。
1996年、第26回新鋭トーナメントで三村智保七段を破り、棋戦初優勝。
2001年、第27期天元戦において、挑戦者決定戦で秋山次郎七段を破り、タイトル初挑戦を決める。柳時熏天元との番勝負では3勝1敗で奪取し、初のタイトル獲得となった。その後3連覇を果たす。
2002年、第43期王冠戦で山城宏王冠を破り王冠位獲得。その後3連覇を果たす。また、七大タイトル2期獲得により九段昇段。入段から11年3ヶ月で九段到達は当時の日本棋院最短記録である。
2004年、第28期棋聖戦では、趙治勲名誉名人を破り挑戦権獲得。山下棋聖との番勝負では3連勝後の3連敗からの最終局を制して奪取。初の棋聖位を獲得した。
2006年、第53回NHK杯囲碁トーナメントで今村俊也九段を破り優勝。
2008年、第63期本因坊戦挑戦者決定リーグで6勝1敗の成績で挑戦権獲得。本因坊秀紳(高尾紳路)との番勝負を4勝3敗で制して奪取。初の本因坊位を獲得した。
2011年、第36期碁聖戦では、挑戦者決定戦で林子淵七段を破り挑戦権獲得。坂井秀至碁聖との番勝負を2連敗後の3連勝で制して奪取。初の碁聖位を獲得した。
2016年、通算900勝を達成(452敗)。日本棋院史上24人目の達成。また、入段から25年3ヶ月での達成は史上3位、39歳11ヶ月での達成は史上4位、達成時の勝率0.66は史上12位。
2019年、第44期碁聖戦では、挑戦者決定戦で一力遼八段を破り挑戦権獲得。許家元碁聖との番勝負を2連勝後の2連敗から最終局を制して3勝2敗で奪取し、8年ぶりに碁聖位へ復位。
2020年度、第45期碁聖戦では挑戦者で前期挑決で破った一力遼八段に3連敗で敗れ、碁聖位を失冠。
余談
2008年に志摩市名誉市民、2009年に長久手町町民栄誉賞を受賞している。
棋風は基本的に柔軟かつ自然。若干地に辛い傾向がある。自分からは厳しい手や激しい攻めを行う事は少なく、相手の主張をある程度受け入れ、いつの間にか互角以上となるケースが多い。
父は同じく囲碁棋士で「中京のダイヤモンド」と呼ばれた羽根泰正九段、妻の羽根しげ子初段、娘の羽根彩夏初段も囲碁棋士であるという囲碁界唯一の三代にわたる現役棋士。また親子棋士としても有名で、七大タイトルでの親子タイトルホルダーは史上唯一である。
また、ネット上や一部の人々からは「するのね直樹」と呼ばれることもある。これは以前、国際戦で羽根が韓国の若手二人を撃破した際、韓国メディアが「羽根は意外と強い」的な評をネットに載せた。それをネットの自動翻訳で日本語に訳した時、羽根の「羽」の文字をなぜか「する」という動詞として理解してされ、「根」と強引につなげるために、「羽根直樹」が「するのね直樹」と翻訳されてしまったことに由来する。