仏教やヒンドゥー教といったインド系宗教を中心に成立した概念で、前世・現世とセットで扱われる。
「今の人生が苦難に満ちていても正しい心・正しい行いで生きれば来世で幸せになれる」という精神的救済の役目を担ったのと同時に、「どんなに現世利益を積み上げても悪い心・悪い行いによって生きれば来世でとことん苦しめられる」という生活上の戒めに用いられた。
江戸時代には身分差等の要因で結ばれない恋人達が来世で結ばれることを願って心中する事件が度々起き、歌舞伎や浄瑠璃の題材として心中ものが人気の演目の一つだった。
現代では自身の成長や栄達を諦めた人がよく口にする。