概要
1143型重航空巡洋艦の西側での呼称。
空母を黒海の基地より地中海・大西洋に出すためには、モントルー条約によって空母の通過が規制されているボスポラス・ダーダネルス両海峡を通る必要があり、そのために巡洋艦を名乗っていると言われたが、元々、本格的な対潜巡洋艦として計画された。
前級のモスクワ級(1123型)対潜巡洋艦の成功を受け、その発展型として立案されたのがキエフ級(1143型)であった。
当初はモスクワ級同様、対潜ヘリコプター搭載艦(1123.3型)として開発が始まったが、試作機が完成したYak-36V/STOL軽襲撃機を搭載するよう軍上層部より指示があり、アングルド・デッキを備える設計に変更され、1143型対潜巡洋艦となった。
アングルド・デッキを備える一方でカタパルトや着艦拘束装置は持たない。砲熕兵器・艦対空ミサイル・艦対艦ミサイル・対潜ミサイル・対潜迫撃砲・魚雷発射管と、水上戦闘艦に匹敵する充実した兵装を備えている。
艦名は1123.3型のものが引き継がれて「キエフ」とされた。軍と造船省が技術案を承認し、1971年2月には建造計画が承認された。
同型・準同型艦
- 1972年12月27日、キエフ(1143型)が進水。1993年6月30日に退役。1996年に中国の企業に売却され、2004年5月1日から天津でテーマパークとなった。
- 1975年9月30日、ミンスク(1143型)が進水。1993年6月30日に退役。1995年に韓国、1997年に中国へ売却され、1999年11月3日火災により全焼。2000年5月10日から深圳でテーマパークとなった。2016年に新たな空母展示公園を建設する計画に従って南通市に回航されたが、開園は遅れている。
- 1978年12月24日、ノヴォロシースク(1143.3型)が進水。排水量を増し、対潜ヘリの搭載数が増えている。1993年6月30日に退役。1997年に解体された。
- 1982年、バクー(1143.4型)が進水。排水量を増し、レーダーが強化されている。1995年7月に退役。2005年3月10日に全通甲板の空母へ改造されてインドへ売却され、2014年6月14日よりインド海軍にヴィクラマーディティヤとして就役した。