概要
ソ連海軍の運用していた1143型航空巡洋艦の西側での呼称。
NATOの弾道ミサイル搭載潜水艦(SSBN)に対抗するために建造された1123型対潜巡洋艦(モスクワ級)の改良型(1123.3型)として計画が開始されたが、計画中に設計変更され、対潜兵器とYak-38VTOL戦闘機を搭載する航空巡洋艦となった。
モスクワ級は前部に兵装、艦中央部に上部構造物、艦後方にヘリコプター甲板(はるな型護衛艦やしらね型護衛艦のような)がある配置だったが、キエフ級は艦橋構造物と兵装を右舷に寄せ、左舷前方へ張り出した飛行甲板(アングルドデッキ)を備える。
カタパルトやアレスティングワイヤーは搭載していない。
データ
基準排水量 | 30,535t(1・2番艦)31,900t(3番艦)33,440t(4番艦) |
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全長 | 273m(1~3番艦)273.1m(4番艦) |
飛行甲板長 | 304.5m |
全幅 | 38m |
飛行甲板幅 | 50m(1~3番艦)51m(4番艦) |
最高速力 | 時速32.5ノット |
乗員 | 1435名(1・2番艦)1607名(3番艦)1615名(4番艦) |
航空要員 | 430名 |
兵装 | AK-726 76mm連装砲×2基(1~3番艦)AK-100 100mm単装砲×2基(4番艦) |
M-11M SAM連装発射器×2基 | |
AK-630 30mmCIWS×6基(1番艦)AK-630M 30mmCIWS×6基(2~4番艦) | |
4K33 短SAM連装発射機×2基(1・2番艦)3K95短SAM 8連装VLS×24基(4番艦) | |
SM-241 SSM連装発射筒×4基(1~3番艦)SM-241 SSM連装発射筒×6基(4番艦) | |
RBU-6000 12連装対潜ロケット砲×2基(1~3番艦)RBU-12000 10連装対潜ロケット砲×2基(4番艦) | |
RPK-1 対潜ミサイル連装発射機×1基 | |
533mm5連装魚雷発射管×2基 | |
艦載機 | Yak-38 V/STOL軽襲撃機ないしKa-25/27 哨戒ヘリコプター×20機(1・2番艦)Yak-38 V/STOL軽襲撃機ないしKa-25/27 哨戒ヘリコプター×30機(3・4艦) |
Ka-25/27救難ヘリコプター×2機 |
※wikipediaより
同型・準同型艦
キエフ(1143型) |
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1972年12月27日に進水。1993年6月30日に退役。1996年に中国の企業に売却され、2004年5月1日から天津で天津浜海空母テーマパークとなった。その後2011年8月に船体は豪華ホテルに改装された。 |
ミンスク(1143型) |
1975年9月30日に進水。1993年6月30日に退役。1995年に韓国、1997年に中国へ売却され、1999年11月3日火災により全焼。2000年5月10日から深圳でテーマパーク「ミンスク・ワールド」となった。2016年に新たな空母展示公園を建設する計画に従って南通市に回航されたが、開園は遅れている。 |
ノヴォロシースク(1143.3型) |
1978年12月24日に進水。排水量を増し、対潜ヘリの搭載数が増えている。対空ミサイルを更新することになり、キンジャール、CIWSはAK-630M 30mmの代わりに複合CIWSであるコールチクに変更される予定だった。しかし双方とも未完成だったため改めてつなぎのCIWSとしてAK-630Mが搭載された。しかし対空ミサイルは搭載されず、最終的に退役するまでずっと対空ミサイルを装備せずに運用された。1993年6月30日に退役し、1996年に韓国の会社にスクラップとして売却され、浦項市にて解体された。 |
バクー(1143.4型) |
1982年3月31日に進水。排水量を増し、レーダーが強化されたり艦対艦ミサイルの装備数が増えたりしている。また、新型VTOL艦上戦闘機のYak-141を搭載する予定で実際に艦上での試験も行われたが折からの財政難などで開発が中止されてしまい、結局Yak-38を搭載した。1991年から1995年の間はあまり行動しなくなり、さらにこの間に機関室で火災が発生し退役した1番艦「キエフ」の部品を流用して修理している。またこの間にYak-38も退役してしまい晩年はヘリコプターしか搭載していない状態になってしまった。1995年7月に退役。2005年3月10日に全通甲板とスキージャンプを搭載した空母へ改造されてインドへ売却され、2014年6月14日よりインド海軍の空母ヴィクラマーディティヤとして就役した。 |
関連タグ
キエフ級:表記ゆれ。