- 鉄道車両の系列の1つ。現時点では東武鉄道のみで使用されている。
東武N100系
2010年代に入ると、東武鉄道のフラッグシップを担っていた100系「スペーシア」が(バブル景気の時代にデビューした事もあり)車両設備面で少し劣っていた…という観点から、東武鉄道では500系「リバティ」に続く形で日光・鬼怒川方面へのアクセス担う新型特急車両の開発に着手することに。100系の後継車両として開発されたことから「次世代の100系」という意味が込められ、「N100系」の形式が与えられた。2021年11月初公表。
車両愛称は「スペーシアX」となり、他の特急列車との区別のため「スペーシアX」をそのまま列車愛称としても使用。「スペーシア」の名を継承しつつ、Experience、Excellent、Extraなどの語や文化や人々の交わり、また未知なる可能性という意味を込めた「X」を加えたものとなっている。
白い車体に窓回りに入る黒い帯が特徴。先頭車両の菱形の窓は菱形で、黒帯の代わりに黒い三角形の模様が入り、窓枠を「X」のように見立てるデザインになっている。
先頭部は流線形で、灯具はフロントガラス下にまとめられている。連結器は100系や200系と異なり収納式とはせず「デザインの観点」から敢えてむき出しに。一方で営業運転では他編成と連結することは無いため連結器カバーが取り付けられた。
合わせて6両編成4本が製造。2023年3月5日にまず第1編成と第2編成が日立製作所を出場、下松駅より甲種輸送で東武鉄道まで運搬された。2023年7月15日より特急「スペーシアX」として運行開始。
100系時代の「9編成」体制より編成数が減らされているが、現時点では「100系とN100系は併存させる」方針としている。
先代の100系と異なり、現時点ではJRへの乗り入れはなされていない。
設備
現行の100系より豪華なものになっており、6種類の座席を備える。個室の他、ラウンジやカフェカウンターを備える6両編成で、定員は100系時代から76席減少する。
1号車
コックピットラウンジ(20席)、カフェカウンターを備える。
電源コンセント設置している。
尚、カフェカウンターはQRからの予約制をとっており事前の予約が必要(乗車した後に案内がある)。
2号車
プレミアムシート(35席)2×1列配置。
シートには電源コンセントが設置されており、トイレも設置。
3号車、4号車
スタンダードシート(56席)2×2列の一般的な座席配置。
シートの裏に電源コンセントが設置されている。
5号車
スタンダードシート18席、4人ボックス席×2組。また、車椅子対応のトイレ設備がある。
6号車
運転席の後ろに7人用のコックピットスイートがある。また、4人用個室4部屋も備える。
号車 | 1号車 | 2号車 | 3号車 | 4号車 | 5号車 | 6号車 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
形式 | N100-6 | N100-5 | N100-4 | N100-3 | N100-2 | N100-1 | |
第1編成 | N101-6 | N101-5 | N101-4 | N101-3 | N101-2 | N101-1 | |
第2編成 | N102-6 | N102-5 | N102-4 | N102-3 | N102-2 | N102-1 | |
第3編成 | N103-6 | N103-5 | N103-4 | N103-3 | N103-2 | N103-1 | |
第4編成 | N104-6 | N104-5 | N104-4 | N104-3 | N104-2 | N104-1 |
その他
- 300系新幹線電車の開発途上の仮称が「N100系」だった。実際に開発された300系とは異なる姿で、「スーパーひかり」を名乗り、モックアップが作られ、東京駅等に展示された。またプラレールでも商品化もされた。
- 100系新幹線電車のうち、JR西日本が保有した3000番台(V編成・グランドひかり)が「100N系」と呼ばれていた。