概要
かつて新生代は第三紀・第四紀に区分されたが、第三紀は漸新世と中新世を境に生物相(特に植物)が大きく変わるため、古第三紀と新第三紀の2つに分けられた。また第四紀はかつて約180万年前から始まるとされていたのが見直され、今の地質時代の区分では258.8万年前から始まるとされている。
古第三紀に比べ二酸化炭素濃度が下がり、気候の冷涼化が進んだ。南極大陸に氷床が発達しはじめた「氷河時代」である。次代の第四紀には本格的な「氷河期」に突入する。
生物相
古第三紀には年中温暖な熱帯・亜熱帯のような気候が高緯度まで広がっていたが、新第三紀には気候の寒冷化に伴いカバノキ科、ニレ科、ブナ科などの落葉広葉樹が高緯度地域に広がる。裸子植物は古第三紀までは広く分布したイチョウやヒノキ科などが生育域を狭め、針葉樹は冷帯を中心に分布するようになった。
光合成効率に優れるイネ科の草本が地球上のいたるところで繁栄した。乾燥化を背景に草原が広がったが、湿地を含め草原で寡占したのは主にイネ科やカヤツリグサ科である。また、キク科やマメ科も著しく多様化し台頭、この4つの科(イネ科・カヤツリグサ科・カヤツリグサ科・マメ科)はいずれも草本主体であるが、陸上植物の中でも特に成功している分類群とされる。