概要
真正双子葉類ブナ目の一群。6属160種ほどの落葉樹からなり、主に北半球にみられる。シラカンバ、ダケカンバ、ミズメ(アズサ)、ハシバミ、セイヨウハシバミ(カシューナッツ)、クマシデなどがこの科に属する。
花は単性の風媒花で、花は球果状または頭状花序。果実は小型のものが多いが、ハシバミ属の種はドングリのような大きな実をつける(メイン画像)。
バーチ は主に白樺を指す。Birch(「白い」か「輝く」)はケルト神話のブリギッドから。樺の木はケルトのカレンダーで最初の月(12月24~1月21)を表すとか、2月の「聖母マリア」へ捧げられるお祭り「Candelaria」(訳語が「聖燭祭」だか「蝋燭祝別」だか「聖燭節」)に祝福されるありがたいもので魔除けに使われるがサマーセットの伝承では、荒野に樺の木と楢の灌木林から現れ、旅人へ付きまとい枯れ木のような白い手をあてる(頭へあてると狂気が、胸へあてると死が吹き込まれる)「白い手の者(the one of the white hand)」と呼ばれる精霊(痩せぎすというか痩せ過ぎの女性の形をしているドライアドで「塩持ってればよい」とか言われる)が出る。また、カバノキは魔除けであると同時に魔女が「箒の材料に最適」として使うと言われる。
鵜松明樺(ウダイカンバ)が鵜飼いの際の松明で使われたように、西欧でも燃やす用途がある。
癒し系の汁が出るミズメはサルチル酸メチルの臭気から「夜糞峰榛(ヨグソミネバリ)」という理不尽な名前がついている。さらに榛の字がついている。「カバノキ科のカバかハンノキかどっちかにしろ」と思っていると、「梓」の字は東大寺の正倉院にある梓弓がミズメ製であったことからミズメの字に充てられるがこの字は中国で「キササゲ」を指す。
樺の古語カニハの語源でアイヌ語」のKarimpa(「巻くもの」の意)とする金田一京助説(萱野茂『アイヌ語辞典』では「シタッ」しか入ってない。知里真志保先生の本で「さくら」の所へこの語があって、「日本語へ樺として伝播」説はある)がある。また、この語は大和言葉で「皮が使える樹」を指す一般名詞であったらしく、カニハ(漢字で書くと「桜皮」)はウワミズザクラ他桜(も皮を使う)を指した上「カバ」あるいは「カバザクラ」で桜を指す地方が多い。なおアイヌ語でもカリンパへ樹を指す「ni」をつけたカリンパニがオオヤマザクラかエゾヤマザクラを指す(服部四郎先生と中川裕先生の本でこっちはある)。
ハンノキは、妖精が宿るなどと言われ西欧では伐採が忌まれた。また空中の窒素固定を行う細菌が共生しているため、東北地方ではハンノキ林を伐採して畑にし穀物と野菜を育てた後捨てるという独特の輪栽式農業があった。