概要
ナガノがX(旧Twitter)で連載している漫画作品「ちいかわ」の中でも、2023年3月14日よりスタートした長編エピソード「島編」の舞台となる場所。
詳細は不明だが、熱帯から亜熱帯にかけての気候をした温暖な地域であるらしく、美しい海岸線や豊かな自然に恵まれた地域。
食文化としては濃い味つけの多い郷土料理を作る土地柄であり、これが本エピソードの核となる事件を起こす事になる。
一方で、他のちいかわ族に比べて外敵の少ない環境だったようで「上位ランカー」と呼ばれる怪異の討伐上級者がいない上、外部に討伐を依頼する事もできなかったのか、半ば騙す形で島外のちいかわ族を島に招待した事で、ちいかわたちメインキャラクターが本エピソードの事件に巻き込まれることになる。
なお島の経済状況は不明だが、報酬金(具体的な金額は不明だが、上位ランカーが行う大きな討伐は通常の討伐より報酬金が多い模様)が払えず、(代わりに島の特産品(島醤油など)をお礼に渡す)と言っているので、経済的に余裕がある地域ではない模様。
ちなみに「ちいかわ」は1~2日に1ページずつ投稿される形式の漫画だが、長編エピソードで100ページを越えたのはこれが初。途中で作者のナガノの入院による休止期間があったが、それを除いても半年以上に渡り連載が続いている。
登場する場所
- 船着き場
ちいかわたちが乗ってきた船(白鳥形の遊覧船のようなデザイン)が到着した場所。桟橋の前に「島へようこそ」という看板があり、島民たちが開いた屋台が並ぶ。
- 宿泊施設
高床式で木造のバンガローのような建物が建ち並んでいる。
- 住宅街
室内は宿泊施設と同じバンガロー風だが、屋根が茅葺きのようになっている。
- 海岸
砂浜がある。奥には「立入禁止」看板が建てられた洞窟がある。ちいかわトリオはここでキャンプファイヤーを楽しんだ。
- 浜辺の洞窟
「立入禁止」看板が立っていた。奥は水没しており、誰かがボートを置いていた。ちいかわトリオが始めてセイレーンと出会った場所。
- 森(ジャングル)
洞窟や崖、川などがあるジャングル。川には古びて今にも落ちそうな吊り橋や、柱のような岩場が連なった高く小さい足場があり、それを使って渡る。また、ジャングルの奥には「島二郎」という貝汁が名物の飲食店があるが、客はほとんどいない。
- 海底洞窟
海底にある洞窟。入り口が水の壁で仕切られていて洞窟内には空気があり、セイレーンと人魚が棲みかにしている。
各キャラクターの動向
レギュラーキャラクター
ちいかわトリオ
ちいかわ・ハチワレ・うさぎの主人公トリオ。本エピソードでは、ちいかわの勉強とハチワレの修行の息抜きという事で、「報酬100倍」「島限定のラーメン&スイーツ」の誘い文句が書かれたチラシに釣られて島に行くことになる。
モモンガ&古本屋(カニちゃん)
本エピソードにおけるトリックスターといえるコンビ。特にモモンガは、その強欲さと奔放さから事態を悪化させる一方で、本エピソードの問題解決のための強力な助っ人でもある。結果的にではあるが、事件の根本的な問題である「セイレーンと人魚」の関係と行動をちいかわたちに教えるきっかけを作り、その後もよくも悪くも本エピソードの核心に関わる存在となる。
シーサー&栗まんじゅう
飲酒系コンビ(ゆんたくコンビとも)。シーサーは島限定のラーメンを研究するために、栗まんじゅうはいつも通りに酒に釣られて、島に行く事に。本エピソードの癒し枠。
また、エピソード終盤では総力戦にサポート役で参加するが、その際には栗まんじゅうの意外な特技が明らかになる事に。
ラッコ(先生)
討伐ランキング1位の凄腕。本エピソードではちいかわたちに誘われ島に行く事になる。
ちいかわたちに誘われた当初はチラシの内容に疑惑を抱いたものの、限定スイーツの魅力に抗いきれず、ちいかわたちの保護監督という形で島に同行する。
ゲストキャラクター
セイレーンと人魚
複数の人魚を連れた怪異。本作のボスキャラクターであると同時に、物語の核を担う存在。
現状ではちいかわに登場した全キャラクターの中でも最強といってもいいほどの戦闘能力を誇る一方で、ある時期までは島民たちと共存しており、単に一方的に島のちいかわ族を苦しめる存在ではなかった。
ある日連れていた3匹の人魚のうち1匹が行方不明になり、島民の誰かに食べられたと考え、その犯人を捜し出して報復するべく島民たちを襲い始めた。
島二郎
作中の中盤で突如登場した助っ人キャラクター。料理店「島二郎」の店主であり、セイレーンと真っ向から渡り合う実力を持った存在。本エピソードにおけるデウスエクスマキナ。
島の住民
島の子たち/島民(島モブ)
ファンからの別名は「島民」。島に住んでいるちいかわ族。見た目は他のちいかわ族とほぼ同じだが、グレーの色合いが少し違う(銅色に近い赤みのあるグレー)ほか、腰蓑や花冠など南国風の装いをしている。また多くが縁日のような屋台を営んでおり、その品目は綿飴・ビール・じゃがバター・たこ焼き・すき焼き・ケバブ・焼きそば・フルーツパフェなど多岐に渡る。
「なんか懐いてる鳥」を使い、「報酬100倍の討伐」「限定の島ラーメンやスイーツ」など魅力的な内容のチラシを撒いてちいかわ族を島に招待してもてなしたが、実態は島民がたびたび行方不明になる事件の原因であるセイレーンを討伐してもらうためであり、報酬も始めから用意していなかった(代わりに「島の特産品詰め合わせを報酬にする」と告げた)。
棒状の持ち手の先端にコイルバネと顔の描かれた小さな球体がついたような島独特の武器(擬音からファンの間では「びんよよ」と呼ばれている)を所有している。
セイレーンには怯えているが、(危害を加えてくる前は)歌声で作物の育ちがよくなるなど恩恵を受けていた模様。
一枚葉と二枚葉(仮称)
上記の島モブたちの中でちいかわたちと行動を共にしている2人。頭に花冠の代わりに葉っぱを乗せている(生えている?)のが特徴。また、腰蓑の位置が他の島民より高く、胸の上まで覆っている。
ハチワレに頼まれて炭酸飲料を差し入れたり(ただし「炭酸」という言葉を知らなかったようで、炭酸飲料を頼まれた際は最初に戸惑うような仕草を見せ、その後「シュワッとするさっぱりするような飲み物」と言われてようやく理解した)、宿泊場所(バンガロー)を案内したことがきっかけで交流が生まれ、椰子の実のジュースを振る舞ったり島の遊びを教えてあげたり、一緒にUNOに興じるなど親しくなった。
セイレーンにラッコと島民2人が拐われたときは、セイレーンがいそうな場所をちいかわトリオに案内したり、ちいかわが捕まりそうになった時は、武器(びんよよ)を使って助けたりしている。
余談
セイレーンが登場するためか「歌」がキーワードになっており、ボスキャラクターであるセイレーンの能力だけでなく、島民やハチワレなども歌を歌う場面がある。セイレーンとの決戦も「歌を封じる」点を重点に作戦を練った。
以下は、「島編」で登場した実在する曲である。
- 私のお気に入り:島民がちいかわたちを歓迎する際に歌った。歌詞がオリジナルの内容(「島編」に合わせた内容)の替え歌になっている(参照)。一部ファンが「歌詞の後半に登場する食べ物(たこやき、すき焼き、ケバブ、てりてりソースの焼きそば)の頭文字が、並べると『たすケて』になる」とセイレーン討伐の伏線説を唱えているが、真相は不明である。また、セイレーンも初登場時に歌っている他、島民がセイレーン討伐をほぼ強引に依頼する際にイントロが流れているようである。
- 今日の日はさようなら:日没後の海岸でキャンプファイヤーをするハチワレが歌った。元々別れがテーマの曲な上、とある人気アニメ映画の主要キャラの生死が不明になるシーンで使用された事が有名なため、「誰かが退場するのではないか?」と不安を訴えるファンも少なくなかった。