概要
日本語で言うところの「ロシア人」は、ロシア語ではロシア民族はрусские(ルースキエ)、ロシア国民はроссияне(ラスィヤーニェ)という風に明確に区別されている。
ロシア民族は言語的にはスラブ系(ロシア語)であるが、血統的にはフィン・ウゴル系原住民との混血が激しい。他にゲルマン人、ユダヤ人、グルジア人など様々な民族の血が入っており、テュルク系、モンゴル系黄色人種との混血によってアジア的な風貌を持つものまでいる。
ロシア人は肌が白く髪の色素が薄いというイメージがあるが、スラブ人では金髪は少ない。ロシア人は他のスラブ人に比べゲルマン人やフィン・ウゴル系の血がかなり入っているので(特に北西部では)生まれつきの金髪の人もそこそこいるが、黒髪や暗めの茶髪の人が大多数である。また幼少の時は金髪でも、成長するにつれ濃い髪色になってしまう人も多い。
創作物におけるロシア人のイメージ
創作物におけるロシア人のイメージには次のようなものがあるが、往々にして現実のロシア人像とはかけ離れている。
2022年のウクライナ侵攻の影響でロシアに関する話題がデリケートになっており、創作上のロシア出身者および、下記の「創作物におけるロシア人のイメージ」に頼ったキャラクターに対して忌避感が生まれている。
- ガタイがよく赤ら顔の男性、細身で色白の女性
創作物のロシア人男性は筋骨隆々(後述のサンボとも関係)で顔が赤く、逆に女性は細身で色白な美人として描かれることが多い。現実のロシア人は混血が激しいために体格は多様であり、コレといった特徴は見出しにくい。現実のロシア人も色白の人が大多数で、日に当たるとすぐに肌が赤くなってしまう人も多いが、テュルク系やコーカサス系の血を引いている人はやや肌の色が濃い。また小麦色の肌への憧れがあることから、特に裕福な階層では念入りに肌を焼いている人も一定数いる。
- 寒さに関連した体質・ファッション
寒冷な気候の地域出身ということで、寒さに強い(あるいは暑さに弱い)体質であったり、冬らしいファッション(ロシア帽、毛皮、ファー、コート、手袋)をしていることが多い。実際にはロシアにも温暖な地方があるし、モスクワのような寒冷地でも夏はかなり暑くなる。
- 銀髪
雪や氷を連想させるためか、銀髪ないし白髪で描かれる。しかしプラチナブロンドの髪が多いのは北欧系のゲルマン人やフィンランド人などであって、現実のロシア人では非常に少ない。ただし、欧米人と同じく、生まれつきの髪色が濃いのに明るい髪色に染める人も少なからずいる。
- 格闘技
- コサックダンス(ホパーク)
ウクライナの伝統舞踊・コサックダンスを踊れる。日本人にはロシア人とウクライナ人の区別がついていない人が多い。
- 酒に強い(酒好き)
酒に強く、ウォッカを好む。ただし、ソ連後期や90~00年代の社会混乱に伴うアルコール依存症の蔓延による社会不安はロシア人にとって強烈なトラウマとなっており、政府による強力なアルコール流通規制などによりロシア人の酒量は激減し、日本人と比べて若干多い程度となっている。外部リンク
現在のロシアでは、酒はお祝い事などで飲むものという向きが強く(その時大量に飲む)、むしろ日本人のように夜な夜な晩酌をする方がロシア人の感覚からすればアルコール依存症と言うべき振る舞いに見えるらしい。
関連タグ
オロス族:ロシア系中国人。ロシア革命の時逃げた白系ロシア人の末裔もいる。
イリヤ・イリューヒン:ブルガリア出身という設定のキャラクターだが、コミカライズ2話のみロシアからの留学生と表記されていたため、ウクライナ侵攻の影響で設定変更されたキャラクターの例として挙げられやすい。