【機密事項】
※以下、漫画『アンデッドアンラック』31話(4巻以降収録)の内容を含みます。
本誌未読の方は閲覧注意。
概要
2020年12月1日。11人の否定者を集め、組織(ユニオン)の本部•円卓の間にて100個目の罰(ペナルティ)が課せられた課題(クエスト)を黙示録に発表された。
四季のUMA、新たな不変の存在、UMA銀河を更に凌ぐ滅びの危機を示唆した罰の内容。そしてエンブレムも否定能力の有無も問わない全人類への課題参加資格。
そうした情報を踏まえ組織(ユニオン)の円卓Ⅰ席・ジュイスが円卓内外の戦力結集を呼びかけようとした時、隣にいたある男が話を遮る。
全人類参加になるほど過酷が予想される戦闘。円卓メンバーの犠牲を抑える必要があると。
そして彼から、これまでの人物像とは結びつかないような言葉が紡がれる。
「核でも撃ち込めばすむんじゃないかい?」
男の発言に困惑する一同。冷やかな目で見るアンディとニコ。明らかな不快感を示すシェン。相方の言葉の意味が分からないタチアナ。
タチアナは返す。
『それじゃあ罪のない人々まで犠牲に』
何万、何億という一般人が巻き添えを受けるのではと。
「ああ そうだね。でもそれだけじゃないか」
男は続けて語る。ジュイスの甘さ、まるで世界が終わっても次善策があるかのようなやり口、そんな戦い方では何度挑んでも神は殺せないと。
「お前では お前達では••• 神は殺せない」
間髪入れず、彼は銃を乱射した。
円卓メンバーに襲いかかる跳弾。各々が攻撃を凌ぐ中、フィルを庇った一心だけは、鎧の隙間をすり抜け、首に被弾してしまう。
「不壊を殺れたか 上等だな」
男の心無い言葉に激昂したトップは、アンディの静止よりも早く明確な殺意で彼の顔を蹴りつけ、首をへし折る。悲鳴を上げるタチアナ。
だが信じられない事に、確かに折れていた首が再生。男は何事も無かったかのように、目にも止まらぬ身のこなしで円卓の上へ降り立つ。
「何故能無し共の生を憂う 奴らの命も使え 俺達はそうする」
「そうでなければ••• 不公平(アンフェア)だろう?」
彼が直立不動でいる円卓をその巨躯で持ち去ろうとする。
その風貌も一人称もかつての面影は無い。
UNION(ユニオン)Ⅲ席の否定者、いや•••
UNDER(アンダー)の内通者•ビリー=アルフレッドは宣戦布告した。
「円卓は アンダー(俺)がいただく」
「神を殺すのは 俺だ」
余談と考察
・気さくなガンマン・ビリーの突然の変貌は多くの読者に衝撃を与えた。このエピソードの公開直後、「アンデラ」は2度目のTwitterトレンド入りを果たし最高6位という数字を叩き出した。
•否定者のキャラクター名は、当人の能力名のもじりである場合が多い。
ビリーの名の由来は伝説的な早撃ちのガンマン・ビリー・ザ・キッドであると思われるが、それに加えて嘘つき、裏切りを意味する「Be lie」のトリプルミーニングではないかと予想されている。
•核爆弾という単語はそのままの意味だけでなく、シェンへの挑発を兼ねている。
否定者でないムイも課題(クエスト)に参加できると喜んでいた彼にこの言葉を突きつけることで、不真実の発動条件である「相手への好意」を無効化し、その後の行動を妨害されないよう立ち回ったものと思われる。
・彼が否定者でない一般人に対し嫌悪に近い感情を持っていること等はタチアナの回想で示唆されていた。否定者以外の人間たちを見捨て、組織を去ることは事前に示唆されていたとも考えられる。
しかし、円卓に乱射した弾丸は9発。よく見るとタチアナだけは攻撃されていない。
装甲+UTエリアで守られた彼女に銃は無意味と判断したのか、それとも•••