UMA(アンデラ)
ゆーま
アンデッドアンラックの世界には人間を弄ぶ神が存在する。UMAは神が人間を苦しめるために生み出したクリーチャーであり、また世界の理(ルール)そのものである。UMAは個体ごとに異なる理をもっており、自身のもつ理の英訳を名前としている(「腐敗」の理をもつUMAなら個体名はUMAスポイル)。
否定者に並びアンデッドアンラックを象徴するキャラクターといえる。
見た目
自身の理を象徴するかのような意匠が施されている。そのため外見情報からUMAの理を推測することが可能。多くのUMAは巨人の姿であり、その体躯だけでも一般人にとっては十分な脅威となる。
また成長段階(フェーズ)が進行するほどより巨大な体躯へ、より凶悪な風貌へと変貌していく。
巨人の姿 | スポイル、バーン |
---|---|
人間の姿 | シール、シック |
理から連想される姿 | クローゼス(服)、インセクト(虫) |
その他 | カインドネス(鯱) |
知能
人間と会話できるほどに高い知能をもつ。また中には古代遺物を操るといった特に高い知能を見せるUMAも存在する。
世界の理
UMAは世界の理そのものであり、UMAが存在することで世界は廻っている。
世界に理が存在するか否かはUMAの有無によって決定され、UMAが追加されれば新たな理が世界に発生する。このとき世界はその理がある前提の世界に改変される(逆に死亡すれば理が世界から消滅する)。なお理は複雑に絡み合っており、一つが消えただけでも連鎖的に他の理にも影響が及び、世界が大きく変わる危険がある。また理が世界に与える影響力はUMAの生命力に依存しており、UMAが成長し強大になれば世界はそのUMAの理に偏る。
ちなみにUMAは死亡するとその場で霧散する。
理の補正
UMAが死亡し理が消滅したにもかかわらず世界が変わらない場合がある。これは理想の世界を創ろうとする神によって消えた理が他の理で補われるためである。しかしこれには相当のリソースが必要なようであり、神にとっては避けたい事態といえる。
絶対理(マスタールール)
ラグナロク敗北後に選ばれる消える事のない理。絶対理に選ばれたUMAが死亡したとしても世界から理が消えることはなく、次回以降の世界は最初から理がある状態で開始される。
詳細は後述。
能力
理に由来した超常的な能力をもつ。例えばスポイル(腐敗)は「生物以外の有機物を瞬時に腐らせる」「生物を腐らせてゾンビにする」といった能力をもつ。UMAはこれらの能力を用いて人間を苦しめ、課題に挑戦しにきた否定者を返り討ちにする。能力を発動するためには「一定時間経過する」「対象が人間である」などといった発動条件が存在するが、これは成長段階(フェーズ)が進行するほど緩くなり強力になる。
性格
UMAは「己が理で人間共を苦しめろ」という神からの唯一の命令とともに生まれてくる。そのため人間に対して悪意的であり、友好関係を結ぶことは難しい。
一方でUMAは自身の理に絶対の自信を抱いており、そのため自身が生まれる以前の「その理がなかった世界」を醜いとまで評し、人間に対しては「自身の理への理解や尊敬」を強要してくる傾向がある。
また否定者に対しては「我等(ルール)の器如き」「否定するしか能のない」として見下している。
UMAは自身の能力によって生み出したジュニアや好物の餌を捕食することによって成長するが、これを繰り返すとUMAの姿が大きく変化することがある。この変化の前後を成長段階ごとに分けたものをフェーズと呼ぶ。
コアフォーム
UMAの最弱の形態。
見た目は顔だけの一頭身。この形態ではエリアを絞って能力を使わないと力を十分に引き出せない。
なお以降のフェーズに進行したUMAの肉体にはコアフォームが文字通り核(コア)として埋まっている。つまりUMAの討伐はコアを破壊することで、捕獲は肉体からコアを抉り出すことで達成される。
フェーズ2
フェーズ1のUMAがさらに成長した形態であり完全体。
特徴として能力の発動条件が非常に緩くなり危険度が急激に上昇する。そのため課題においては「いかにフェーズ2に進行する前にUMAを討伐・捕獲するか」が重要になる。
ちなみにニコが開発した成長薬(キューブ)を食べさせれば、コアフォームのUMAを一時的にフェーズ2にすることができる。
フェーズ3
フェーズ2のUMAが神による強化を受け、限界を超えて成長した真の完全体。
現時点ではスプリングにのみ確認されている。
討伐対象に選ばれた課題UMAだが、人に興味を持ち力をおさえていた。しかしそれをよく思わない神による洗脳を受け強制的に力を引き出されたことで凶暴化、桜に変えた10万人とユニオン職員10万人の命を賭けて風子との博打三本勝負を行う。そして「否定十三人一首」の途中で完全に戦意喪失。それが神の逆鱗に触れさらなる洗脳を受け、ついにフェーズ3へと進化した。
フェーズ3となったスプリングの肉体は黒く変色し巨大化、「領域内の桜の木・花びらの操作能力」を獲得。さらに人間のみに働いていた「桜に変える能力」の対象が拡大、文字通り地球の全てを桜に変えて神に捧げるために行動を開始した。
ある程度成長したUMAは理の能力を用いて新たなクリーチャー、"ジュニア"を作るようになる。UMAがジュニアを作る手段は二通りあり、一つはUMA本体の肉を分け与えた分体、もう一つは人間を能力で変化させたものである。ジュニアもまたUMAと同じように餌の捕食によって成長していく。UMAはジュニアを多く生み出してテリトリーを確保・拡大し、またジュニアを取り込むことによって成長する。
黒競売で出品されることがある。
黙示録の課題では主にUMAの捕獲・討伐がクリア条件に指定され、失敗した場合には罰としてUMAが追加される。また課題の成功報酬としてUMAが追加される場合もある。つまり課題においてUMAは非常な重要な役割を担っていると言える。
課題UMA
黙示録によって課題とされたUMA。課題には捕獲と討伐の2パターンがある。課題UMAに指定されるUMAは強力な個体ばかりであり、UMAの強さがそのまま課題のクリア難度に直結する。なお全てのUMAは神から「己が理で人間共を苦しめろ」という命令を受けて生まれてくるが、課題UMAはそれがさらに顕著であり、対処が遅れれば数多くの罪なき人々が犠牲になる。これは課題UMAの人間に対する悪意が他のUMA以上に神から強制されるためで、もし課題UMAに選ばれたにもかかわらず人間に対して友好的な態度を取れば、そのUMAは神から人間を襲うように洗脳されてしまう。
強制送還
課題に選ばれたUMAは地球へ強制送還される。しかし即座に転移するわけではなく地球からの距離に比例した時間がかかる。(太陽にいたビーストの強制送還には7日間かかった)
報酬UMA
課題の成功報酬として極稀にUMAが追加されることがある。この報酬UMAがもつ理は人間にとって非常に有益であり、UMAが追加される事を考慮しても取りに行くべき報酬と言える。なお人間に対する悪意は通常のUMAと同様である。
「オータムの捕獲」の成功報酬として追加されたUMA。「霊」の理をもっており、追加されれば死の条件が変わる。この変更のおかげでルインに殺された風子は奇跡的に生還を果たした。
また「霊」の理が追加されたおかげで幽体離脱が可能になったり、魂に対する理解度の向上に繋がるなど、ゴーストが追加されることによる恩恵は計り知れない。
101回目のループでは課題スキップの罰として追加されていたが、これによりイチコが睡眠を取る術を編み出すことが出来たため前周と同じくむしろ恩恵にあずかることが出来ている。
罰UMA
課題を失敗すると罰としてUMAが追加される。罰によって追加されるUMAは人類を滅亡に導く理を持っている場合があり、もしも対抗手段がなければその時点でゲームオーバーもありうる。世界を守る上で最大の障害であり、基本的にユニオンは罰を回避するために課題の成功を目指す。
不可視捕獲の失敗に対するペナルティとして追加されたUMA。全身に星々が浮かぶ巨人のような姿をしている。このUMAの追加によって世界に「銀河」の理、すなわち地球と月と太陽以外の天体という存在が発生し地球外生命体の概念も発生することとなった。なおこのUMAの追加が風子の不運のギミックの解明と、それにを知るジュイスがループを証明する手段となっている(風子がギャラクシー追加前から隕石を呼び寄せていたため)。
100個目の絶対理(マスタールール)に選ばれる。
UMAは理によって現象系と概念系に分類される。概念系UMAは神のお気に入りであり現象系UMAを見下している。この2つ以外の分類があるかは現時点では分かっていない。
先述した通り世界の理はUMAによって決定され、それを犯すことは神の逆鱗に触れることを意味する。作中において神は、課題外でUMAを殺し世界を乱そうとするアンディに対し以下の調整を課した。
課題外でUMAを5体殺したアンディに対する神の調整として生まれたUMA。「不死を封印しろ」という神からの勅命を授かっており、能力的にも封印という不死に対して非常に有効な能力をもつ不死の天敵である。また他にも封印したUMAや否定者の能力をコピーする能力も有している。アンディを封印したあとは既存のUMAに失望、全てのUMAを自身に取り込みUMAの王となるべく動き出した。
登場時に表示されたSEALの文字には太陽の影が映り込む特殊演出がなされた。
シールと同じく「場を荒らしたプレイヤー・役目を果たさないUMAの制裁と強化」のために調整の力を神から授かった否定者。元々はアンディやユニオンに対して敵対的な一否定者に過ぎなかったが、シールとともに神によって調整者に選ばれた。調整の力を授かる前後でどのような変化があったのかは分かっていない。
ラグナロクに敗北した後に選ばれる「消える事のない理」。
選ばれるとループの最初から理は存在する事となり、強大な力を得る。特に初期に追加された十体(上位十理)は「最強」だという。
風子のループで最初から「銀河」が存在していたのはこれが原因。また前ループで殺されようと消えていなかった「グラビティ」「マグマ」「スライス」も同じく絶対理だったと思われる(その割には複数体同時にアンディに蹴散らされていたが)。
101回目のループにおいて上位十理は病(シック)以外行動を起こしていないが、
それにはとある理由があり……
絶対理と考えられる根拠 | UMA |
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本編にて言及 | ギャラクシー、シック |
討伐しても理が消えていない | グラビティ、スライス、マグマ、ランゲージ※ |
絶対理ではないと考えられる根拠 | UMA |
討伐して理の消滅を確認 | スプリング、サマー、ウィンター、インセクト、サースト |
消滅していはいないが、消える事は確認 | オータム |
特殊な扱いであり不明 | シール |
※全世界言語統一はクエスト報酬であり理の消滅ではない
登場 | UMA |
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ユニオン編(第1話~第30話) | クローゼス、ムーブ、スポイル、バーン、ランゲージ、コール、パスト、イート、ギャラクシー、カインドネス |
四季編(第31話~第94話) | スプリング、サマー、オータム、ゴースト、ウィンター、レボリューション、インフォメーション、ブラッド、シャドウ |
ラグナロク編(第95話~第131話) | スノウ、スピン、アトモスフィア、サースト、インセクト、グラビティ、スライス、マグマ、ジュエル、ボム、スプラッシュ、カラー、クラウド、テル、シール、ブラックホール |
ループ編(第132話~第172話) | ヒート、ストップ、トルネード、クラブ、シャーク、ディノサウルス |
上位十理編(第173話~) | シック ビースト ゴールド プラチナ ソウル、デス、チェンジ、ラック、ウォー、タイム、ジャスティス |
番外枠
- スポンジ
スポンジの理を司るUMA…ではなく、出雲風子によるUMAスポイルの言い間違え。テレビアニメでは黄色い体に四角いズボンを履きアメリカのギャグアニメのような顔立ちのハイテンションな謎生物の姿がモザイク越しに表示された(なおこのイメージは「※あくまで個人の感想です」とのこと)。
- リプリント
Twitterの作品公式アカウントの単行本重版出来の告知ツイートに名称のみ登場したUMA。討伐の報酬として本作の単行本1巻、2巻の重版が決定したことから、おそらく重版の理を司るUMAだと思われる。
- チェイン
小説版「アンデッドアンラック_不揃いなユニオンの日常」に登場したUMA(厳密にはそのジュニア)。自身は巨木の姿に擬態し『告白の伝説の木』という噂を流すことで惹かれ合う男女を誘き出し捕食していた。
本作「アンデッドアンラック」に登場するUMAの存在は、異常存在を確保・収容・保護する架空の創作群【SCP】を題材にしたと思われる要素が多い。
特にSCP-8900-EXがかなり近い。ざっくり説明すると目から脳に届く光の波長(=色)に干渉して、不可逆的に色の認識を変えてしまうという現象系オブジェクト。該当記事も参照。
また、UMA(アンデラ)の理を司る存在は、日本のUMA・妖怪【付喪神】と類似するものがある。
付喪神の姿は「男女老少の姿」(人間のかたち)「魑魅悪鬼の相」(鬼のかたち)「狐狼野干の形」(動物のかたち)など様々で、触媒となった道具がモチーフともなっていたりと混成している。
付喪神は妖怪漫画の題材にされやすく、器物の他に生物や概念に霊魂が宿って誕生する作品もある。
メジャーな作品で例えれば、スタジオジブリ『千と千尋の神隠し』の(魔法の契約で化けた者もいるが)煤と埃の力持ち達や神通力を持った川の化身、どこかからやって来た『何か』といった者達だろうか。
因みに、万物に霊が宿るとする信仰・思想を「アニミズム」と呼び、世界各地に存在している。
コメント
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