概要
戸塚慶文の漫画『アンデッドアンラック』に登場する否定者(否定能力が移行した人間)、および否定能力(超能力)の一つ。
UNDEAD-不死-(アンデッド)は、自己の「死」を否定する。
「不死」の理(ルール)
自己対象 強制発動型
「死」の器(否定者:否定能力が移行した人間)が死に関わる怪我などを否定する能力。
例えば「死」の器となった人間が傷を負ったり体の一部を欠損すると、強制的にそれらの損傷が再生される。
再生に上限はない(惑星ごと消し飛ばされても問題なく蘇生できる)が、傷口を焼かれると再生にかかる時間が延びる。
この他、老いも死に近付く要素として否定され、否定能力を発現させた時点から不老にもなる。
不死である実に単純な能力だが、不慮な出来事に遭遇しても生還することが出来るため、経験値の獲得は他者よりも高くできる。不老でもあるため、長命からの人生経験を多く積むことが出来れば、殆どの分野を達人にまで極めれる利点がある。
また、特性の一つに「体から離れた部位(パーツ)は30秒で消滅する」がある。この不死体質も活かして「死」の器となった者は、上記の長い人生から独自の体術(不死体質の技)を体得する事も可能としている。
だが、その他は普通の人間と同じ。たとえ常人ならば死ぬほどの苦痛でも死ぬこと叶わず、傷は再生される理(ルール)という唯一無二の理屈。
体の痛みは鈍くなるような都合の良い理(ルール)は存在せず、なにより永久不滅な存在になってしまった将来的な宿命を背負う能力者でもある(詳細は後述)。
発動条件
自己が死に近付くこと
上記で触れたように怪我や欠損や老化は死に近付く理(ルール)として否定され、外見は「死」の器(否定者:否定能力が移行した人間)がとなった時点から老いなくなる。
この他、世界に存在する他の否定者が持つ否定能力や、UMAが司る理(ルール)に対しても発動条件に該当し致命傷にはならない。だが、これらの性質によっては「不死」の理(ルール)と拮抗し状態異常になる事がある。
例えば―
- ゾンビ化する理(ルール)を受けても「不死」の再生力と拮抗し体の半分がゾンビ状態になる。
- 負傷した傷が治らない否定能力で怪我を負った場合、傷口から出血は止まらないが、出血死は否定される(いたそう)。
これらの事象と対峙した場合、戦況によっては状態異常となった部位を切り離して余計な面倒事を否定するなど、不死者ならではの闘い方ができる(いたそう)。
不死の宿命
「不死」は創作に限らず、現実世界でも夢のような超能力だが、決して安楽な事だけではない。それは上記で触れた死ぬような痛みと永遠に付き合うだけではない。
不死が背負う宿命は、大きく「人間社会との孤立」「世界からの孤立」の二つが作中で触れられている。
人間社会との孤立
これは「不死」の能力にある不変的な宿命(テーゼ)。別の表現をすれば「寿命差」の問題である。
元は普通に寿命があり傷を負えば無事では済まなかった人間であった「死」の器(否定者:否定能力が移行した人間)であるが、突然に「不死」となったらどうなるのか。
これは長期的な問題であり、一般的な生活との離別を意味する。なぜならば、一般人と「死」の器となった人間に訪れる「別れ」があるからだ。
普通に暮らそうとしても「寿命の有無」により、長くても100年程度しか生きられない一般人と「死」が否定されている人間との差異。この他にも起きうる問題はあるが、一番に大きな「寿命差」の問題で、必ずある「死別」による心理的な負荷を避けるため、自然と一般的な人間社会から孤立し、これから離れ放浪する生活になりやすい運命を不死者は背負っている。
世界からの孤立
本作「アンデッドアンラック」は人知れずに多種多様な理(ルール)が横行している世界。その中には、世界滅亡に関わる理(ルール)も存在している。もし、人類のみならずあらゆる生命が死滅する理(ルール)が発生した場合、そんな終末世界で「不死」となった者はどうなるのか。
答えは「孤独」である。
「死」は避けられない命は潰えた世界で、唯一「死」を否定する者が残るため、まったくの「孤独」が訪れてしまうのである。
現行では、まだ人間社会は存続している。だがもしも、将来的にそんな荒廃した世界に取り残され続ける事態になれば、精神的な不調になる事は否定できない。
「死」の器
まさしく夢物語な「不死」の能力だが、現実的な見方も交えた人物背景も描写されつつ、一応は一人の人間(オレ)として明確な人格形成が確立されている。また便宜上で「不死」を発現させた人物も記載する。
本作「アンデッドアンラック」に登場する主人公の一人。「不死」となってから100年以上を生きてきた不死身の男。「不死」の再生力を活かした跳躍や射撃技、再生度合いを操作して骨で刃物の生成、不死の再生力を活かした抜刀術など、否定能力の理解を進め多彩な技能を体得している。なお、これらは痛覚のある状態で行っているが、それは些細なことであると認知しており、本人の直情的(アグレッシブ)な人柄がよく表れている。だが、時折に数百年生きてきた年長者の面から、理知的な所や陰のある言動も垣間見える。
もう一人の主人公と出会うまでは世界を放浪する生活をしており、現在は組織(ユニオン)へ所属し、世界の命運を左右する闘いに身を投じている。
その他、詳細は【アンディ(アンデラ)】を参照。
(作品内で黒髪長髪の男)
UNDEAD-不死-の否定者として、何世紀も闘いを越えてきた実力者。否定能力を研鑽し多彩な技へ昇華もさせている。中には、どういう理屈なのか分裂技も習得している。
本編では何故か不在であり、同じく不死の男主人公・アンディとの関係は・・・。
その他、詳細は【■ィ■■ー■(アンデラ)(ネタバレ)】を参照。
初登場は1860年代アメリカ西部。記憶を無くしており、傭兵を請け負う放浪者だった。その道中に出会った仲間から「隊長」と呼ばれている。ある事件が起きるまでUNDEAD-不死-の否定者という自覚はなく、負傷は早く治りやすい体質だと思っていた。
その他、詳細は【■■■■(アンデラ)(ネタバレ)】を参照。
不道徳な集団のボス。詳細は不明だが「不死」の能力を発現させた男性。まだ発現して日が浅いのか、強制発動する体の再生しか扱えない模様。
因みに彼が「不死」を発動した際、上記のアンディが負傷しても平然としているが痛覚は鈍っていない事実を体感し、これを痛覚のある状態で多種多様な技へ昇華させた事に感心した。
その他、詳細は【■■■■■のボス(ネタバレ)】を参照。
関連項目
デス(アンデラ・UMA):「死」の理(ルール)を司るUMA。
亜人(あじん)・・・本稿のUNDEAD-不死-とは異なる理屈で不死の存在。高い実力者だと、特異な理(ルール)を活用した能力戦闘を発揮する。