概要
亜人が生成する未知の物質。
科学的には屈折率がおよそ1.000292の完全に透明な物質で構成されており、基本的には亜人同士にしかその姿を見ることはできない。だが例外として亜人に強い敵意を向けられた人間は姿を視認できる。
霊的な存在ではなく物質であるため、足跡は残り、幽霊が手に持っているものは宙に浮いて見え、小麦粉などの粉をかけると誰からでも存在を認識できる。
また、亜人だからといって全員がIBMを出せるわけではなく、IBMを操れる者は「別種」「アドバンス」と呼ばれる。何らかの素質や覚醒が引き金となって突然に使えるようになる特殊能力であり、殺され続ける、誰かを恨み続けるなど、強いストレスがかかることで出現する事が多い。
形状
基本的にはプレーンと呼ばれる真っ黒い人型のような姿をしており、亜人によって頭の形が異なることが多い。稀に腕が伸びる、羽が生えて空を飛ぶなど、能力を持つものも存在する。
能力
いわゆる「火事場の馬鹿力」を常に発揮するため高い跳躍力、人体を一撃で引き裂くほどの力を持っている。
黒い幽霊を構成する物質は極めて不安定なため『発生』と『崩壊』が同時に始まっているとされ、手足など細部の欠損、刀傷などは徐々に回復するが、殴打で粉砕された場合はその部分が砂のように飛び散ってしまい再生できなくなる。
弱点は頭部。頭を粉砕された場合、戦闘不能となってしまう。亜人とは電気信号のようなもので繋がっているため、情報の伝達が遮断される雨や霧など悪天候下では出せない。しかし亜人とIBMの両者が傘をさす等で雨を防げば操縦は可能である。
黒い幽霊の頭部同士が衝突しお互い崩壊した際、お互いの記憶の断片が飛び込んだり、精神状態が入れ替わる現象が起こる。
IBMは亜人にとってラジコンを操縦するというより犬に命令するといった感覚に近い。田中のように従順かつ言葉を喋れるものもいるが、田中が意識を失った場合、行動不能になってしまう。正反対に永井圭のように全く命令を聞かず、攻撃してくるものもおり、永井圭の意識の有無関係なく行動する。このIBMの独断の行動を「自走」と呼び、佐藤は自身の黒い幽霊を放任することで可能にした。
1日に出現させることができる回数は1、2体であり、姿を保ったまま活動可能な時間は5分程度である。本人の熟練度によって出現させられる回数は増えるが、複数となれば操作の難易度が増す。希に中村慎也のような一度に複数の黒い幽霊を出現させることのできる者もいるが、これはかなり稀な事例であり「フラッド」現象と呼ばれている。
フラッド現象
フラッドが起こる条件は一生に一度あるかないかの感情の高まりと亜人が復活したときに起こるIBM濃度の上昇の2つ。
フラッドで作り出されるIBMは平均10〜15体。発現の発端となったシンプルな感情に従い行動し続ける。
そのときのIBMはコントロール不能。中村慎也の場合、極限の殺意により出現し、消失するまで付近の人間を殺し続けた。また、フラッドの発現付近で亜人になりかけの死体が観測されることが度々ある。オグラ・イクヤによると、フラッドの発現時に高濃度化したIBMが放出され、周囲の死んで間もない人間に影響を与えて起こるようだ。
フラッドを発生させた亜人に対して、上記の「黒い幽霊同士の頭部衝突による精神交差」を行うと、精神交差をした亜人にもフラッド現象が発生する。この場合両者の持つIBM量が異なっていても、同量かつ同性能のIBMが発生し、発生したIBMはフラッド現象の起因となる感情に沿って行動する。この「精神交差によるフラッド現象」を繰り返し起こす事で数百体に及ぶ黒い幽霊を発生させる事が出来る。
亜人の発端
「亜人」の世界には宇宙の始まりであるビッグバンの様に、エネルギーが物質へ変換される現象がある。
IBMはその現象により発生したもので、またそのエネルギーは本来宇宙に存在しなかったという。そのエネルギー源の正体は「人間の感情」。
人が絶命した時抱いた生存への強い意志が、急激なエネルギーへと変換され、それを引き起こした者が亜人となる。
関連タグ
キュゥべえ・・・感情エネルギーを収集するつながり