概要
作中におけるラスボスである
人物
ソフト帽を被った中年~初老の男。(実写版では、演者の綾野氏の年齢に合わせて壮年の男性へと変更されている。)亜人であり、同じ境遇にいる多数の亜人を仲間にしている。
同じ亜人の事のために情熱的な姿勢を見せ、判明しだい商業の道具として利用され続けたり、実験動物の様に弄ばれる亜人の境遇を憂い、怒る。田中をはじめとし、研究所に拘束されていた永井圭を救出する等、亜人達を開放する活動を精力的に行い、亜人のための社会、ひいては亜人の国を創立する事を掲げ、日本に宣戦布告をする。亜人に黒い幽霊こと「IBM」等を駆使した亜人なりの戦い方を教え、多くの組織の裏をかいたろくでもない戦法をとって亜人側に有利な環境を作っていく。
とここまで聞くと亜人の権利のために尽力する好人物に見えるが、その本性はあまりに残虐なものである。
本性
本名はサミュエル・T・オーウェン。中国系のアメリカ人。
その正体は人殺しをゲーム感覚で行うサイコパス。
人殺しのゲームをしたいがためにテロを起こし、さらに単身または少数で多数を相手に挑むなどスリルを好む。
そして上記の演説で出した感情は全て演技であり上述した亜人のための行動も全ては「自分が楽しくテロをする」ための狂言に過ぎない。
幼い頃から動物を虐待して殺しており、父親は殴るなどで矯正しようとしていたが、佐藤にはそれらの行為を理解出来なかった。
言ってしまえば生まれながらの人格破綻者なのである。
若い頃にアメリカ海兵隊の極秘の精鋭部隊に所属し、ベトナム戦争に派遣されていた。そこで亜人を目の当たりにしてからは「何度死んでも蘇って戦える」という事に羨望の意を抱き、自分が亜人である事を知ってからは上述した「亜人のための活動」と称して官僚や警察・軍隊を殺し続ける、凶悪なテロ活動に明け暮れている。その活動は日に日に過激になっていき、彼の呼びかけに集まった一部亜人も、本人の意図が読めない行動に嫌気がさして離反する等の結果を生み出しているが、彼本人は一切気にせず、むしろそれを利用してよりスリリングな戦いができる事を悦んでいるという誰がどう見ても狂人としか言いようのない戦闘狂ぶりを見せている。
そしてサイコパス特有の飽き性持ちで自身で決めた目標すら途中で投げ出してしまうため相手からは佐藤の行動が読めない。
永井圭との初対面は彼を救出した恩人としてであったが、その残忍さを目の当たりにした圭と袂を分かち、やがて敵対的な関係となっていく。
亜人
再生する不死身の生物だが、死なない限りは例え四肢切断や内蔵損傷などの重傷でも再生しない。
再生時、体内に銃弾などの異物があれば分解される。
また身体と部位の一部、例えば腕が切断されても範囲内なら身体に回収しつつ再生する。
だが切断した腕が回収されない範囲まで離れると腕は身体の切断面から新しく作られ、切り離された腕はそのまま残る。
これは亜人がもっとも大きい肉片を核として再生するためで、佐藤はこの性質を様々に応用して戦う。
さらに切断面を障害物に当てた状態で再生させた場合は障害物を分解することも可能。
上記の通り不死身の亜人だがそれ以外は人間と同じ構造であるため痛覚があり麻酔も効く。
能力
作中において最強の戦闘能力の持ち主。
上記の通り若くしてアメリカ海兵隊の精鋭部隊に配属された程の実力者であり、武器の扱い、体術共に超一流。
だが佐藤の最も凶悪かつ異常な点は、亜人としての特性をフルに生かす頭脳と戦い方にある。
佐藤は上記の行いを見れば分かる通り他者の命に無頓着なサイコパスだが、それは自分の命も同じなのである。
例として
・麻酔銃が命中した腕を即座に切り落とす
・自殺して負傷や疲労をリセットする
・旅客機をハイジャックして市街地に落とす
・切断した自分の首を撹乱に使う
などが挙げられる。
とりわけ常軌を逸しているのは佐藤が「転送」と称する移動方法である。
亜人が全身を粉砕・消滅して死亡すると、最も大きな肉片を「核」として再生する。
この現象を利用して移動先に大きめの肉片を送りつけて全身粉砕することで、擬似的な瞬間移動をすることが可能である。
しかしこれは記憶をもった別人(スワンプマン)を生み出す行為に等しく、実質的な死と同義であり亜人でも実行する者はまずいない。
だが佐藤はこれをなんの躊躇もなく行い、記憶が連続していれば別に構わないとしている。
IBM
佐藤が出すIBMの頭部は逆円錐のような特徴的な形状をしており、大型爬虫類のような獰猛な口と牙を備えている。また指が6本ある。
特筆すべきは、IBMが基本的に全く命令を聞かないか命令通りにしか動かないかの2通りであるのに対し、佐藤のものは命令通りに動く上で独立して思考し行動もできる点である。
佐藤は長期間に渡る「放任」などの訓練によってこれを可能にしたようである。