概要
戸塚慶文の漫画『アンデッドアンラック』に登場する否定者(否定能力が移行した人間)、および否定能力(超能力)の一つ。
UNTRUTH-不真実-(アントゥルース)は、相手が無意識に思う「真実(ほんとう)の言動」を否定する。
「不真実」の理(ルール)
他対象 強制発動型
不真実の器(否定者:否定能力が移行した人間)が視認した対象の刹那に抱く嘘偽り無い意識を否定する。
この瞳術を受けた対象は、強制的に「行動・発言が真逆になる」現象(ルール)が発生する。
具体例として―
- 逃走しようとする相手を視認すれば、対象は「(逃げるために)動きたい → 動かない」と一種の拘束状態に出来る。
- 攻撃の刹那ならば、視認した対象の動きを真逆(あべこべ)に出来る。例:右蹴り → 左蹴り、(とにかく)刀で斬る → 斬らない
- 相手が答えたくない事柄に対して、視認しながら質問するとその無意識を反転させて強制的に暴露させられる。
例:相手が傷付くような質問に答えてしまう、しかもあべこべで解答してしまうため―
という風に・・・って能力者本人も傷付く事になるんじゃん!!
などなど
この視認する距離(効果範囲)に上限はなく、例えば町の郊外から否定能力の効果対象を見つける状況でも問題なく「不真実(あべこべ)」が発揮される。だが、煙幕など視界が遮られる状況だと効果は無効化される。
また「不真実」の最低条件である「視る」についてだが、能力者本人が効果対象を「視ていない」場合だと、当然に能力は発動しない。そのため、意図的に視線を外す・瞼を閉じるなどして「視界」に注視することで、ある程度は能力の発動有無(ON・OFF)を操作できる。
また、両目だけでなく片目だけで視認しても「不真実」は発動する。
対人に限らず超常存在であるUMAなどにも有効で非常に強力な否定能力だが、下記の発動条件により実は不便な面もある。
発動条件
視認する対象を「好き」になること
この難儀な発動条件により、視界へ入れば強制的に「不真実」を発動させてしまう当人にとって、親しい間柄の者と共同生活する事は不便となる。きっと、近親者などは突然に思ってもない発言をしたり、思っている動作と逆の動きに混乱といった、考えればキリがないほど不可解な事になるだろう。
戦闘においては、否定能力者当人へ敵意を抱いて向かってくる相手に「好意(好き)」を抱くことは、並大抵の人間では困難を極めるため殆ど役立たずになると推測される。
この他、視認相手について情報不足で「好意(好き)」が湧かない対象・状況だと「不真実」は発動しない。つまり発動条件「好意(好き)」の反対「無関心」「嫌悪(嫌い)」といった状態では否定能力が発動しない。
このため当初は「好意(好き)」を抱いていたが、その相手から不快な言動により気持ちが冷めて「嫌悪(嫌い)」となった場合なども、発動条件の理屈(ルール)から外れて「不真実」が無効化してしまう。
「真実」の器
上記で触れたように扱いは不便な「不真実」だが、作中で能力が移行した人(器)たちは、それぞれの人柄・事情によって有効に働いている。
組織に所属する武闘家の青年。戦闘狂(バトルマニア)でもあり、困難・強敵な状況ほど「好意(好き)」が高まるため、非常に彼の性格と「不真実」は相性が良い。このため、シェンは「不真実」の理(ルール)について理解へ努めた事で、独自の闘い方「ウインクしながら断続的に不真実を発動させる」「不真実の能力を見越して構えの体勢をとる」などの活用法を編み出している。
日常生活においては、敢えて視線を外す行動を意識することで、不本意な「不真実」の発動を制限している。
その他、詳細は【シェン=シアン】を参照。
ある事情で「不真実」の否定者(ひていしゃ:世界の理(ルール)から否定された超能力者)となった女性。彼女の場合は、否定者の事情へ精通していた事や「不真実」について知っていたため、能力が移行直後でも十全に瞳術を使いこなしていた。また、彼女は否定者になる事を望んでいた元一般人であった事もあり、切望していた能力を扱える事への「好意(好き)」が高いため、発動条件を達成し易い特徴も見受けられる。
因みに彼女が「不真実」を使う様子をみると、対象の「好意(好き)」に近い「興味(気になります)」で発動しているような状況も散見される。
その他、詳細は【■■(ネタバレ)】を参照。
関連項目
UNJUSTICE-不正義-・・・UNTRUTH-不真実-(アントゥルース)と似た否定能力。こちらは他の「正義(もくてき)」を否定する。
UNMOVE-不動-・・・UNTRUTH-不真実-(アントゥルース)と発動方法が似た否定能力。対象を視認する事は同じだが、こちらは否定能力を発動中に能力者自身は動けない制約があるといった差異がある。
トーキング・ヘッド(漫画:GIO★GIO_黄金の風より):対象の言動を真逆(あべこべ)にする超能力繋がり。こちらは対象(ターゲット)に能力の化身「トーキング・ヘッド」を取り憑かせて効果を発動し、かつ攻撃力は無いに等しいため戦闘の補助(サポート)向きな能力。