概要
戸塚慶文の漫画『アンデッドアンラック』に登場する否定者(否定の業が移行した人間)、および否定能力(超能力)の一つ。
UNREPAIR-不治-(アンリペア)は、他の「治癒・治療」を否定する。
「不治」の理(ルール)
他対象 強制発動型(※推定)
「治」の器(否定者:否定の業が移行した人間)が負わせた傷は、あらゆる治癒・治療を否定する。この理屈から、かすり傷からは出血が止まらず、急所の傷からは大量出血が続く様相となり、容易く死へ至らしめる異常な殺傷力を有している。
" これは「治」の器が死ぬまで治らない "
そして、ただ傷が治らないだけで済まない、真に恐ろしい理(ルール)が負傷者を襲う。
※以下により「不治」の理(ルール)は超困難であるが、任意に制御できそうな理屈であるものの、強制的な面が大きい否定能力。この為、本稿では【他対象 強制発動型(推定)】の表記を用いる。
不治の縛り
上記に在る「治療を否定する」とは、不治の否定者が負わせた傷の〝治療する意志〟を否定する理(ルール)。不治の傷を負った者が〝治療する意志〟で動くと【治したいのに治せない】金縛り状態へ陥る現象に見舞われてしまう。
この【不治の縛り】は【不治の理解度】も要になる理(ルール)。
不治の傷を負った者が「不治の否定者へ攻撃して無力化させる ≒ 不治の否定者を死なせる」は、つまり〝不治の傷へ対する治療行為〟と判定され【不治の縛り】が発動してしまう。この特質系から、戦闘において不治の否定者は相手へちょっぴりでも傷を付ければ、その時点で無敵状態(てきなし)も等しい状況が作れる。作中では【不治の傷である事・不治の否定者(じぶん)が死ぬまで治らない】を丁寧に説明する事が【不治の縛り】を強く発動させる布石としている。
因みに、他の否定者にとって自己の否定する理(ルール)を秘匿する活動・戦闘が普通(セオリー)であるが、不治の否定者は逆に公開することが通常行動(セオリー)という相違点になる。
不治の上書き
非情に強力な否定能力であるが、これには理(ルール)の抜け穴がある。不治の確実な解除条件「不治の否定者が死ぬ」の他、2つの荒療治が可能とある。しかも、殆どは負傷した状態で無茶をしなければならない(いたそう)。
もしも不治の傷を負った者が〝次〟へ動くため、迫られる選択肢とは―
- 不治の影響を受けていない他者へ処置してもらう。多くは負傷部位の切除である(いたそう)。
- 〝治療する意志〟を持たず動くこと。例えば〝攻撃のために〟負傷部位を切除したり、自己ではなく〝誰かのために動く〟で不治の否定者へ致命傷を与える。
殆どは傷口を広げる行為なため、十全な医学知識・医療道具・医術がなければ、治すどころか悪化してしまう危険行為である。
また2.の〝治療する意志を持たない〟は難点で、もし再び不治の傷を負うと、知ってしまった「動ける手段」が「治療行為へ繋がる」と判定され【不治の縛り】が発動してしまう。このため自己で行う荒療治は一回程度の手段となる。
この■■は治せない
他へ最凶の理(ルール)を強いる「不治」であるが、自己にとっては最悪の理(ルール)を背負わされる。
それは―
自分の身体も含め容易な外科治療が不能になる
例えば、事故だろうと自己の体に「掠り傷を負わせた」は、それは「自傷行為 ≒ 不治の傷」でありずっと血が止まらない有り様になる…。つまり「治」の器自身にも「不治」の理(ルール)が適用される理屈。
これにより自他の負傷を「治」の器が手当てしても【不治の否定者が負わせた傷】という理屈で、更に悪化した傷となり、応急手当さえ出来ない不条理…。
この為、もし不治の否定者自身が負傷した場合は、主に上記の1.で他人頼りとならざるをえないのだ。
「治」の器
最凶最悪な「不治」の理(ルール)。戦闘面では有利に、平常時は不便な否定の業を背負う「治」の器。この特異性もあって、作中では主要人物の1人として、物語へメスを入れる。また便宜に、作中で「不治」の理と不均衡する器も解説する。
元は物腰柔らかで爽やかな好青年の医者。ある心臓手術中に否定の業が移行してしまった-さらに移行した自覚が直ぐに分からない事例-から、執刀部位が不治で出血が止まらず患者は還らぬ人に…。
その患者はリップにとって最愛の女性であった事、術後しばらくして自分が否定者(ひていしゃ:世界の理を否定する業の器になった者)であると知り「あの手術で自ら最愛の命を絶ってしまった事実」から深く絶望した。
故に、揺るぎない意思で〝次〟を狙う為の障害排除で、否定能力を用いた拷問・殺人も厭わない冷酷な人物へ変わってしまった。
異常が日常になってしまった 彼の病(こい)は 治らない
その他、詳細は【リップ=トリスタン】を参照。
不均衡する器
本作「アンデッドアンラック」に登場する主人公の一人。UNDEAD-不死-の否定者なため、不治の傷を負っても不死の理(ルール)と拮抗して再生阻害に留まる。つまり、傷口の血は止まらないまま出血死する事が否定される(いたそう)。
更にアンディは不死体質を利用した攻撃技や移動法で【不治の上書き】を効率的に行える。だが、それらの行為は『不治の理解を深める』に当たり、不治の傷を負う度に【不治の縛り】が強く働きやすくなってしまう。
それでも彼は〝次〟へ行く強い意志で、治らない傷をも越えていく。
関連項目
阻害・故障 ⇒ 治癒 / ヒーリング / 治療 / 手当て / 医療行為