「えっと…この月の周りのキラキラは?」
「えっあっ これはその、えっと宇宙って月と太陽以外何もないじゃないですか」
「…そうだね 何もない」
「だからお月様が寂しそうなので…友達です!」
《第5話【No.005 あなたはどっち?】より》
※以下、漫画『アンデッドアンラック』のネタバレも含みます。コミック2巻以降未読の方は閲覧注意。
概要 / 表社会
(物語序盤は)2020年代を舞台とする、現実世界とほぼ同一の地球であるアンデッドアンラックの世界。
技術水準•教育機関
食文化•各国の言語文化
といった世界観の共通点がみられるが…。
裏社会
しかしその一方でUMAと呼ばれる怪物や否定者という能力者、古代遺物(アーティファクト)という超技術物体が潜んでおり、それらの異常な存在を調査•捕獲•処分する組織(ユニオン)が隠密で活動している。
例えば―
こうした任務は未確認現象と対峙するため大変危険であり、大規模災害へ発展する場合もある。
しかし目撃者・周辺住民の当現象に関する記憶や情報は組織(ユニオン)に抹消されるため、人知れず活動する組織(ユニオン)やそれに関わる事柄が「表の世界」に出ることはなく、万が一何かの情報を一般人が得ても都市伝説の類に捉えられる。
マフィアなど「裏の世界」では、否定者・UMA・古代遺物の存在が認知されており、これらを利用して勢力拡大する動きもみられる。また収集(コレクション)の目的として、決して「表の世界」に出てはいけない商品(という名の一般人だった者たちを含めた事柄)を扱う闇競売(ブラックオークション)も開催される。闇競売では組織(ユニオン)が把握していない否定者•UMA•古代遺物も集められ、高額で取引される(また否定者やUMAとは、実は元々一般人だった人達であるため、いわば「人身売買」の意味合いも帯びる不健全な世界が平然と繰り返されており、これに不快感を催す者も少なくない)。
だが一部の更に組織(ユニオン)とは関係を持たず、独自の道を進む不道徳による謎の集団も存在する。
〝98回〟
" この地球が「理(ルール)」を足された回数 "
これらはほんの一部 3ヶ月に一度、挑まずとも罰は増える。
《第9話【No.009 我々は否定する】より》
理(ルール)
作中で度々出てくる「理(ルール)」とは、第9話にて「概念そのものの存在」である事が明かされた。
アンデッドアンラックの世界において―
- 触れる•食べるといった動作
- 燃焼や腐敗といった現象
果ては言語に至るまで、これら世界(万物)の一端を司るUMAを通じて確たる存在を持っているらしい。故に、UMAが消滅する事態が発生すると、それが司っていた理(ルール)も消失する現象へつながり、大規模な世界改変が発生する事もある(詳細は後述を参照)。しかし、なぜかUMAが死んでも司っていった理(ルール)が消えないこともある。実際にUMAランゲージが討伐されても言語は消えていなかった。
この原理(ルール)により、私たちの世界に存在する「常識(ルール)」が、アンデラの世界にも同じ「理(ルール)」が存在するという認識は否定される。
そう、
風子(ヒロイン)や彼女が通っていた学校や組織の少女・ジーナの誰もが「星」を知らなかったように…。
このため「星」や「銀河」といった用語も、この世界(アンデラ)の住人には不可解・不知な言葉として認識される場合がある。
どのような理(ルール)があるかはUMA(アンデラ)も参照。
課題(クエスト)
アンデラの世界には、言葉通り世界の命運を左右する「円卓」と「黙示録(アポカリプス)」が存在する。これらを用いて「課題(クエスト)」という世界情勢が天秤に掛けられる無理難題へ挑む事で、ある程度の世界平和を保つことができる。更に、それが出来るのは否定者(ひていしゃ:世界の理(ルール)から否定された超能力者)のみという理不尽な事情も上乗せされている。
物語序盤では、組織(ユニオン)本部にあった円卓の全10席へ否定者たちが着席すると、その中央にある本の姿をした古代遺物「黙示録」が喋り始め、今回の「課題(クエスト)」が開示されるという描写があった。
課題(クエスト)は3ヶ月に一度発生する。その際に定められている参加条件を守りながら課題を達成すると、提示されていた「報酬」を得る事が出来る。
一方期限内に1つでも達成出来なかった課題があると「罰(ペナルティ)」が与えられる。
この罰(ペナルティ)は、円卓に否定者を集め課題を全てこなすことでしか回避出来ない。
その為、今の世界にある在り方を否定し対抗することが出来るのは、組織(ユニオン)といった実力のある否定者たちのみであり、いわば否定者が世界をまわしているという見方は否定できない。
世界改変
課題(クエスト)などで世界に新たな理(ルール)が追加された時、または既存の理(ルール)を削除した時、世界改変が発生する。
第19話【No.019 Result】にて、後者はUMAランゲージ討伐が成功(サクセス)した報酬として、前者は全課題が未達成だった罰(ペナルティ)として、どちらも尋常ではない影響を世界に与えている。
また改変の際、否定者以外に大規模な記憶改竄が起こる。普通の人間は世界が書き換わったことに気付くことも出来ず、逆に否定者は書き換わった「普通」に取り残されるのである。
また否定者とは、元々一般人だった人間に否定の能力が移行した人物(作中では「器」などとも言われる)であるため、殊更に「世界改変している現実」が一般社会へ知られる可能性は低い。
つまり世界改変を受けていた人間がある日突然否定者へ変わり―
- ある時から不可思議な能力が発現し、今までのような日常生活が出来ず、誰かへ相談できるような普通の事でもないので引きこもり生活を余儀なくされた少女
- 当人は年月が経つごとに変わる世界へ対応するため、人付き合いを避ける不良生活(アウトロー)しか選択肢がなかった男性
- 不条理な能力が最悪な瞬間(タイミング)に発現して、大切な人たちを殺してしまった事を否めず失踪して、やがて闇競売の商品として拉致された幼女
といった理不尽な現実に変わりやすい、かつ絶えず内容が更新されていくため、この「世界改変している現実」が一般社会に知られる可能性が更に低くなる循環(ループ)のような事態が発生している。
また違う見方をすれば「否定者という存在(被害者)がいて成り立っている世界」「否定者が裏でこそこそ生きるのは不可解(可笑しい)」といった主張は完全否定できない世界観となっている。
報酬
課題結果(クエストリザルト)の時に、課題を成功した対価で得られる(各課題毎に設定されていた)報酬には、前述にあったUMAや否定者、古代遺物(アーティファクト)の所在が開示され、新たな戦力や超技術の入手・UMA対策の立案をする機会(チャンス)が得られる。
この他の報酬が掲示される事もあり、第19話の課題結果(クエストリザルト)では
- 組織内の否定者が集う円卓に11番目の席が追加。次回の課題(クエスト)へ参加する戦力を増強することが出来た。
- 全世界言語統一。この世界にもともとは無かった「理(ルール)・言語(ランゲージ)」が廃止され、否定者以外の記憶と文明が改変され「英語」へ統一された。その際の描写では、日本の都会にある看板や服にプリントされた日本語が一瞬で英語へ改変される現象が起きた。その不可思議現象に人々は微塵も違和感を感じずに…。
罰(ペナルティ)
課題(クエスト)を全て達成出来なかった際に起こる理不尽な現象(イベント)。
その内容は、確認できる限りだと『理(ルール)=UMAの追加』であり、かつ必ず人類滅亡の危機を引き起こす世界改変が発生する。
第20話【No.020 この地球(ほし)に手を出すな】では、UMA「銀河(ギャラクシー)」の追加によって「星」や「地球・月・太陽以外の惑星」が生まれ、当時の否定者にとって初めて観る「星空」が誕生した。更に、誕生したのは数分前だが設定として何年もかかって現れた「地球外生命体(宇宙人)」と「空を埋め尽くす程の宇宙戦艦の群体」が、地球侵略してくる瞬間に遭遇という危機が発生した。
このような世界危機がある度に、人知れず組織が立ち向かい回避しているのである。
また罰は全部で101回とされており、全ての罰を受けた場合、最後に『ラグナロク』という名の罰(ペナルティ)が待っていることが判明している。
はたしてアンデラ世界の行く末は……。
〝ならば挑む〟
報酬を手に入れ力を上げる いつかこの地球に理(ルール)を強いる
本の向こうにいる創造主(神)を殺す為に
関連項目
否定者 UMA(アンデラ) 古代遺物(アンデラ) 組織(ユニオン)
チェンソーマン…同時期に週刊少年ジャンプで連載していた作品。この世界も現実世界と似て非なるルールを持ち、さらにそのルールはある存在によって度々変化する。登場人物達は一部を除いて世界が変化している事を認識していない。
第35話~第36話にて、本作の世界は創造主(神)の手によって物理的な「再生と破壊」が何度も繰り返している不条理な真実(ループもの)が判明した。
「再生と破壊(ループ)」は宇宙規模で行われ、普通に生きる生命は不可避の原理(ルール)であり、言葉通り「死」が必ず来る終着点(リセット)であり始発点(リスタート)の終末(ラグナロク)が訪れる。
因みに、前の世界に関連する「情報」は幾つか残っており、主には古代遺物(アーティファクト)へ稀に宿る「世界の記憶」で知ることができる。だが殆どは不特定で断片的な映像であるため、もし一般人が認知しても絵空事の何かと捉えられるため、その意味を知る者は組織など少数に限られている。また、前の世界で破壊された地球の欠片が宇宙空間に漂ってる場合があり、現行の世界では「月と地球が分かれた時にできた物体」として認知されている(これを分析すれば、ループしている痕跡が分かるらしい)。
この様に創造主(神)が世界を「再生・破壊」している真実(ループ)を知る方法は幾つかあるが、これを回避する方法は確認できる限りだと3つ。
- 世界の「再生・破壊」を乗り越えられる古代遺物(アーティファクト)を利用して、輪環(ループ)の原理から外れ、次の世界へ到達する。作中では「方舟(アーク)」と呼ばれる古代遺物が、これを可能にするらしいが…。
- 輪環(ループ)によって訪れる「死」を回避できる否定者は、物理的に乗り越えて次の世界へ到達する。だが、それは当人にとって無限に続く地獄のような事でしかなく、かつ独力では状況打破できない原理(ルール)であり、そのため不健全(退廃的)な人格成形になる事は否めない…。
- 世界の「再生・破壊(ループ)」を発生させる創造主(神)の凶行を阻止すること(つまり『神殺し』に挑むこと)。
しかし、3つ目の方法は無理難題であるが、実現不可能なんて運命は否定できる欠片(ピース)が存在する。
まず1.の方法で何度も世界のループを経験した副産物で、(特に課題の報酬で得られる)古代遺物(アーティファクト)が創造主(神)へ致命傷を与えられる道具(アイテム)である事実が判明した事。そして、世界のループを乗り越えている否定者が存在している事で、世界の理を否定できる希望(ホープ)はある証明がされている事。
【アンデッドアンラック PV】UNDEAD/UNLUCK篇 Episode Movie - YouTube
【アンデッドアンラック PV】UNMOVE篇 Episode Movie - YouTube
【アンデッドアンラック PV】UNTOUCHABLE篇 Episode Movie - YouTube
【アンデッドアンラック PV】UNJUSTICE/UNDEAD篇 Episode Movie - YouTube
(そうだ…)
(否定者は、苦しんでる)
(他の皆も、そうだった)
(理不尽に襲いかかる否定の力に悩みもがきながらも…)
(神を殺す為に闘った!!)
(皆、色んな想いの中、命を懸け、学び、成長している)
(取捨選択しろ…!!)
(最善に向けて…、未来を変える為に!!)
(その為に必要なものを集めるんだ!)
(皆も頑張ってる…!!)
だからこそ! だからこそ集めた!
数多の死を経て出会えた… より強い武器と…戦士を…!!
神を殺せる… 否定者達を!!
結局はすべて理(ルール)の捉え方次第なんだ
心からそう信じてさえすれば… 能力はいくらでも発展する