概要
戸塚慶文の漫画『アンデッドアンラック』に登場する男主人公・アンディと女主人公・出雲風子を表す凸凹バディ兼男女カップリング名。作者公認の公式カップリングである。
二人の出会い
触れた相手を死なせてしまう不運の否定能力者、風子。人生に絶望し、自殺を決行しようとした日、不死の否定者・アンディと出会う。死ぬ方法を探し求めるアンディは、風子の不運能力に興味を持ち、自身を死なせる可能性のある風子を追い回ことになる。
当初はアンディの強引な言動に振り回される風子だったが、自分を敵の攻撃から守ってくれる頼もしさ、気持ちを尊重してくれる紳士的な口ぶりなどから、ただの無頼漢ではなく思いやりのある男であることを悟っていく。能力によって相手を死なせてしまう恐怖から誰とも触れあえなかった風子は、何の気兼ねもなく自分に接してくるアンディに好感を持つようになる。
風子の能力である不運は「相手との接触時間の長さ」や「好感度」によって強力さが変動し、特にキスをした場合は隕石が振ってくるほどの不運を呼び寄せられる。
アンディは「風子に自分を惚れさせた上で抱くことができれば、かつてないほどの不運を呼び寄せられる」と考え、「最高の死」を手に入れるために彼女と行動を共にすることになる。
少女漫画で見た憧れのシチュエーション(顎クイやお姫様抱っこ、口説き文句など)を恥ずかしげもなく自然体でしてくるアンディ。「私はチョロくない」と主張するものの、その結果引き起こされる不運の能力の強力さを見れば、好感度の上昇は明らかだったりする。
共闘する中で
風子による不運の付与は、戦闘において有効な打撃を与える鍵となる。アンディと接触し、不死である彼をめがけて隕石などの不運を呼び寄せることで、敵に決定打を与えることができる。
そのため二人は戦闘中に密着していることが多く、不運の付与を目的として戦闘中にキスをすることもある。
なお不運の強大さは彼女の「好感度」に比例するため、物語が進むごとにアンディに付与される不運の強度が増している。アンディがヴィクトルに人格を乗っ取られた際は、彼を目覚めさせるため戦いの場に飛び込み、キスをすることで隕石群を振らせて勝利。なおこのキスはユニオンの面前で行われたため、後にトップからバカップルと茶化された。
その後も二人は戦いや日常生活を通して、信頼関係を築いていく。風子がアンディを好いていく一方で、アンディもまた風子の心の強さに惹かれ、頼もしい相棒として認めていくことになる。
風子の呼び寄せた隕石群を見たジュイスから、不運は「神をも殺す力」であり、能力を強化するために「彼のことをもっともっと好きになってくれないか」と持ちかけられるのだった。
恋の自覚
UMAオータム戦では、安野雲の導きにより古代遺物『魂の口径』を使って過去のアンディと邂逅。かつてのアンディは無口で無愛想であり、暗い雰囲気を纏っていた。アンディが不死の力故に多くの仲間と死に別れ孤独に苦しんできたことを知った風子は、彼に付き添い長い旅路を共にすることになる。
「死とは脳が思考を止めること」と考えていたアンディは、風子の「誰にも覚えてもらえなくなった時が本当の死」「生きてればいつか素敵なことが起こる」という言葉を聞き、「人は魂で生きている」という認識を持つようになる。長い間無愛想だったアンディは、ここで初めて笑顔を見せるようになる。
風子の唇に口を近づけるアンディを、風子は真っ赤になって止める。
「私が好きなのは…アナタだけどアナタじゃなくて…」
アンディに対して「好き」という言葉を初めて口にした風子。
ここで初めて、アンディへの恋心に気付くのだった。
もし「過去に風子と出会っていたら」というifの経験が記憶に刻まれたことで、アンディの否定能力は大きく向上する。そして風子との長い旅路の記憶も、アンディの心の中に刻まれることになる。
告白
UMAサマーを討伐したことでUMAウィンターの勢力が増し、人類滅亡の危機が訪れる。ウィンターはUNDERが所有していたが、ウィンター討伐の取引として、風子は自らUNDER側の人質になることを願い出る。人類を救うための強い意志を見せる風子を、アンディは歯痒い思いで見送る。しかし口約束を守るつもりなどさらさらなく、風子救出のための作戦をユニオンと共に探ることになる。
UNDERに潜入した風子からの通信を三日眠らずに待ち続け、スプリング戦の突入日を把握。同時に、不運能力を持つ風子を道具として使おうとするビリーに激しい怒りを見せる。
スプリング戦ではユニオンとUNDERの全面対決が行われ、囚われた風子を救い出すためにスカイツリーの最上階へと向かう。リップの猛攻に体を損壊させながら、それでも風子の元へ辿り着こうとするアンディは、彼女との出会いを思い出していた。
初めは好奇心で風子に絡んだこと。
風子が呼び寄せた隕石を見て本当に死ねるかもと感じ、口説いて守ってきたこと。
風子でも自分を殺せないと、気づいてしまった事。
それなのに、風子に会いたいこと。
「ったく 惚れさせりゃ」
「それでよかったんだがな」
タチアナの補助によりスカイツリーの最上階まで跳ね上がったアンディは、風子の姿を視界に収めた瞬間、秘めていた言葉を紡ぎ出した。
「好きだぜ 風子」