『地獄のヒーロー チェンソーマン』
概要
『チェンソーマン』の主人公・デンジと一体化した悪魔を指している。
Pixivに投稿されたイラストは基本、変身後のチェーンソーが生えたデンジの姿を描いたものが多く、ポチタのイラストにこのタグは使われない傾向がある。
外見
頭部がチェンソーを模した仮面状になり、両腕や両足からチェンソーの刃を生やすことができるようになる。
顔は文字通りの悪魔、もしくはトカゲや子どものイメージする怪獣のような面構えをしている。
排気口のようなスリットの向こうに光る目が見える。
歯は剣山のようで、噛み合うような形をしておらず、開けっ放しのことも多い。舌は細長いが、噛んでしまいそう。
両耳をつなぐようにチェンソーの持ち手、後頭部はゴチャゴチャした機械になっており、頭と肩を繋ぐような形で無数のチューブが筋繊維のようについている。
腕のチェンソーは肘のあたりから腕を真っ二つに割るように出る……というか実際に身体を切って生えており、生やすだけで出血する。
ネタバレ
※物語の根幹に関わるネタバレにつき、未読の方はブラウザバックを推奨します。
そして彼女の復活を阻止するため、公安の襲撃者達は5人の命と引き換えに強大な悪魔を呼び出した。
「地獄の悪魔よ」
「マキマを殺して地獄に落とせ」
燃え盛る体躯を持つ半人半馬のような異形の悪魔。
かつてサンタクロースとの契約によりデンジらを地獄へと落とした悪魔の手で今度はマキマを滅ぼそうという岸辺の作戦は十全であるかに思われたが…
「助けてチェンソーマン」
マキマの助けを求める声に、デンジは虚な眼のまま立ち上がった。そして腹部を裂いて飛び出した腸がデンジの首にマフラーのように巻きつく。
地獄の悪魔を一瞥し、スターターを引いた次の瞬間、地獄の悪魔はバラバラに切り裂かれていた。
これまでのチェンソーの悪魔の面影を残しながらもより異形へと変貌した姿。
体躯は一回り大きく、そして黒くなり、下腕は二つに割れてそれぞれにチェンソーが生え、そして頭部にはハンドルの代わりに数本のツノ。その異形にはもはやデンジの意識も、面影も残っていなかった。
地獄のヒーロー
以下はマキマが語った「チェンソーマン」の正体や能力である。
- 地獄で誰かが助けを叫ぶとやってくる。そして叫ばれた悪魔はチェンソーで殺され、助けを求めた悪魔もバラバラに殺される
- その行動のせいで他の多くの悪魔に目をつけられて殺されるが、そのたびに何度でもエンジンをふかして復活する
- そしてそんなチェンソーマンをある悪魔は怒り、ある悪魔は恐れ、ある悪魔は崇拝した
そしてそんなチェンソーマンの行動の何よりも恐ろしいのがその能力であった。
「チェンソーマンが食べた悪魔は」
「その名前の存在がこの世から消えてしまうのです」
チェンソーマンに殺され、食われた悪魔はその名前の概念ごと存在も、記録も、記憶も全て消滅してしまう。一度消えてしまえば誰も存在した事すら認識できなくなる恐ろしい能力。
ナチスによるユダヤ人の大量虐殺。我々の世界ならば誰もが知る陰惨な歴史は、岸辺は何一つ知らなかった。
「ナチス」
「アーノロン症候群」
「第二次世界大戦」
「エイズ」
「租唖」
「比尾山大噴火」
「核兵器」
「かつては存在しその名を持つ悪魔と同様に恐れられました」
「しかしそれらの名前を思い出せるのはもう私しかいません」
「全てチェンソーマンが食べてしまいましたから」
マキマが述べた、恐怖の対象と同列に語られる「アーノロン症候群」「租唖」「比尾山大噴火」といった我々が知らない言葉。
他にも「人なら誰もが持っていた第六感」「子供の精神を壊すとある星の光」「生命が寿命を迎えると死の他にあった4つの結末」などがチェンソーマンによって消滅しているが、それらがどんな名前を持つどんな存在だったのかは、もはやマキマにも思い出せないらしい。
また肉体の部位の名を冠する悪魔を食べれば、全ての生物からその部位が消失してしまう(例:耳の悪魔を食べれば、耳が消え去る。しかし聴力自体は残る)。
ただし食べた悪魔を吐き出した場合、即座に元に戻る。この場合、消失していた間の混乱していた記憶は曖昧なものになる。
これらの特性から作中でのチェンソーは木を切る以外にも使い道が存在したが、チェンソーマンがそれらの概念を司る悪魔を喰ったことで木を切る道具としての使い道のみにしかチェンソーを用いられなくなったという仮説がある。
地獄の悪魔に地獄に送られても、襲い掛かる地獄に潜む悪魔達を逆に返り討ちにして虐殺し現世に帰還する無茶苦茶な強さは健在の他、不死の肉体の扱いはデンジが変身した時を上回っており、宇宙空間に飛ばされても心臓を自ら抉って地球目掛けて投擲し、心臓を基点に肉体を再生することで地球に帰還し強襲を仕掛けるという常軌を逸した復活方法を披露した。
そしてこの復活方法が支配の悪魔を倒す手段となった。
そして現在、暴走したチェンソーマンにより、耳、蛸、口、雪、苦味の悪魔が喰われた。
眷属
チェンソーマンに登場する、ある8人の悪魔や魔人の眷属には、それぞれ天使の階級に因んだ名がつけられている。マキマ曰く、彼女と彼らではチェンソーマンに対する「信仰の違い」があるらしいが詳細は不明。また眷属の内の幾名かは作中で既出の公安所属の悪魔である。
- セラフィム
虫のような頭部と翅を持つ悪魔。何の悪魔かは不明。名前の元ネタは熾天使・セラフィムと思われる。
- ドミニオン
4つの眼と4つの耳、獣の蹄のような手足を持つ悪魔。何の悪魔かは不明。名前の元ネタは主天使・ドミニオンと思われる。
- ヴァーチェ
2本指の手足を持つ悪魔。首から上が無いが、ビームらのように戦闘によって無くしたのか元々無いタイプの悪魔なのか不明。何の悪魔かは不明。名前の元ネタは力天使・ヴァーチェと思われる。
蜘蛛の悪魔。名前の元ネタは権天使・プリンシパリティと思われる。
- エンジェル
なお、上記のメンバーには大天使・アークエンジェルに相当する悪魔がおらず、ファンの考察ではある魔人がそのポジションではとも予想されているが現時点では不明。
余談
- 作者の藤本タツキと担当編集の林士平氏が2021年開催のジャンプフェスタのインタビューで語ったところによると、作者の前作『ファイアパンチ』の連載中には既に「頭からチェンソーが飛び出すヒーロー」という構想があったらしく、『ファイアパンチ』の次の連載を考えるにあたり、林氏に「チェンソーの悪魔」のキャラクターデザインを見せたところ「このデザインは悪役っぽくないか?」と反対されたが藤本が押し切り、「チェンソーマン」の連載にこぎつけた。
- 「チェンソーマンが悪魔を食べるとその名の存在が消える」という設定は、物語中盤頃に第2部の設定として思いついたものであり、第1部では軽く触れるに留まったが第2部ではストーリーに深く関わるらしい(ジャンプフェスタ2022のインタビューより)。
- 余談だがジャンプ巻末のコメント欄でガウナが元ネタである事を明かそうとした際に誤ってそのコメントを1週間早く掲載してしまい、作者(の妹)自らTwitterでネタバレに注意する警告をツイートする事になった(外部リンク)。
関連タグ
チェンソーマン デンジ(チェンソーマン) ポチタ チェーンソー
シャークネード…元ネタ候補1。作中でもオマージュされた。
テキサス・チェーンソー…元ネタ候補2。アニメでオマージュされた。
ヘルボーイ…元ネタ候補3。サムライソードはクロエネンとデザインが類似している。
ドロヘドロ…作者が影響を公言。
黒奇居子…チェンソーマンのデザインの元ネタ。
※本誌を未読の方は閲覧する際、ご注意ください。重大なネタバレを含んだ記事となっています。
もう一人のチェンソーマン
第二部にてデンジとは違うチェンソーマンが正義の悪魔と契約したユウコの首を切断した状態で登場する。
それから音沙汰なかったが、
「落下の悪魔に殺されたくないお客は死に物狂いで三鷹アサを食べようとするはずです」
「朝日が昇るまで逃げてください」
「チェンソーマン」
128話で落下の悪魔の猛攻を受けながらアサを連れて逃げるデンジの前に現れ、目の前で落下の悪魔の下腹部をチェンソーで突き刺し彼女の肉体を覆いながら、デンジとアサに逃げるように促す。