正義の悪魔
せいぎのあくま
第2部において登場した悪魔。『正義』というものが、必ずしも善なるものではないという事を体現した、色々と含蓄のある存在。契約者に「怪物へ変貌する」「思考を読み取る」能力を与える。
現段階では契約した人間のみが登場しており、本体は未だ姿を見せていない。ただ、契約者の話によれば学校のどこかに潜んでいるという。
人間の恐れが生み出したという『チェンソーマン』作中の悪魔の背景を鑑みるに、この世界も我々の世界同様、碌でもない”正義”を振りかざして暴走する輩が横行していた事は想像に難くない。手前勝手な正義感に酔った者ほど残酷なことをしでかすという事例は枚挙に暇が無く、正義の悪魔とは人間誰しもが陥りかねない危険な存在と言える。
怪物のパワーに加えて、思考を読み取ることにより相手の動きを見切れる強力な能力だが、攻撃の威力までは読めない模様。更に戦うときに特に何も考えてない強い相手だと相性が滅茶苦茶に悪くなる。
- クラスの委員長
クラスメイトの三鷹アサを殺害したが、彼女が契約した戦争の悪魔とその能力で生み出された田中脊髄剣・手榴弾によって倒される。
スカルクローラーのように肥大化した腕が脚を兼ねる構造で、肉や腸が絡み合ったようなグロテスクな質感をしている。
見た目の特徴として
- 地に足がついていない
- 中身がほぼ空洞
- 顔が複数
などがある。解釈は色々出来るが、総じて「正義を振りかざして他人を攻撃する人間」のメタファーのように思われる姿をしている。
正義の悪魔と契約したアサの関係者。アサのいじめを止めさせるために学校内で暴れ回っていじめっ子たちを殺害しデビルハンター部も撃退するも、暴走を止めに来たアサの制服強強剣で一度は倒されるも、謎の少女の介入で巨大化して復活。学校を破壊するべく暴走するが突如現れたデンジに切り刻まれて倒された。
見た目の特徴としては
- 細身の身体、触手の足が複数
- 頭部に剥き出しの四角い脳みそ
などがあり、敢えて解釈するならば四角い脳みそ=考えが凝り固まっている、目に当たる器官が見られない=盲目的な正義を表していると言えるかもしれない。
また本人は契約の対価は無いと言っているが代わりに「光り輝く正義の心」を貰ったと語っており、ある種の洗脳を行われたのではないかと疑う声もある。
- チェンソーマン教会の中年男性
協会幹部「ウェポンズ」3名が公安のクァンシに瞬殺されたことを受け、公安の突入に備え学生たちと共に銃を用意した中年男性だったが、公安特異7課から投入された一人の悪魔によって学生たちは拘束される。そこで自身の体を変化させ、自らを「正義ノ化身」と名乗ってその悪魔を攻撃しようとするが、突如現れたサムライソードに切り刻まれた。
見た目の特徴としては
- ハイヒールのような形の足
- 四本腕
- 目の辺りからさらに顔が生えている
- 長い尻尾が生え、先端が人間の足になっている
などがある。
上述の正義の悪魔と契約してしまった被害者の証言を信じるならば、正義の悪魔は何の対価もなしに、契約者に自分の力を無償で貸し与えてくれるという。
しかし『他人の思考が読める』という能力の副作用として、ドス黒い欲望も含めた周囲の人間の感情が際限なく自分の頭の中に流れ込んでくるため、普通の人間が契約してしまえばまず間違いなく精神が耐えられずに狂気に落ちてしまうので、正義の悪魔自身がわざわざ代価を要求する必要さえないとも言える。
と、上述のような特徴を持つのが『正義の悪魔』とされていた。
第145話では公安所属の解析班によって、芋虫のような姿をした悪魔(落下の悪魔が料理を饗していた巨体の悪魔)こそが正義の悪魔であると特定。
悪魔の本体の死亡後も『正義の悪魔』由来の能力を行使する契約者がいたことから、『正義の悪魔』を名乗る別の者の存在が浮かび上がる事となった。
そして正義の悪魔という名称でないことが判明した。