根源的恐怖の悪魔
こんげんてききょうふのあくま
『チェンソーマン』に登場する最上位の悪魔達の総称。
本作において「悪魔」とは「この世に存在する物や存在、概念などの名を持って誕生する怪物」の事を指し、その名前に対する恐怖の度合いが大きければ大きい程に強力な存在になる。
逆説的に大したことないモノの悪魔は大したことない悪魔である(作中「コーヒーの悪魔とか居たとしても大して強くないだろう」と言われている)。
そして悪魔達は、地獄と呼ばれる人間世界と並行して存在する異世界で生を受け、死ぬ事で人間世界へと転生し、そして人間世界で死んだ悪魔は今度は地獄へと転生するという輪廻転生を繰り返している。
つまり、強大な悪魔は「人間が強い恐怖を抱くもの」の名を冠しているのだが、その中でも無知な赤ん坊や知性の無い動物ですら本能的に恐怖を抱く事象、即ち「あらゆる生物が本能として恐怖を抱くもの(根源的恐怖)」の名前を司る悪魔は、他の悪魔達とは一線を画する規格外の力を持った存在である(死、飢餓、苦痛等は生き物が生き物である限り決して逃れ得ない恐怖の最たる例である)。
彼等は、数多の悪魔が犇めく地獄で誕生からまだ一度も死を経験しておらず一度たりとも(転生では)人間界に来たことがない、かつて人間界で5分で120万人を殺害して全世界から最悪の悪魔と恐れられる銃の悪魔ですら、比較にならない程の絶大な力を有している。
それ故に彼等は“超越者”と呼ばれており、全ての悪魔達のヒエラルキーの頂点に立ち、従来の悪魔や人間では「敵意を向けられた瞬間に死ぬ」とまで言われている程に絶対の存在である。
実際に、彼等に見られている事を察しただけで悪魔や魔人達は錯乱状態になったり、自害をしようとする程にその力は絶対視されて恐れられ、仮にその掌から抜け出る事ができても長期に渡ってトラウマを背負う等の後遺症を負っている(パワーは闇の悪魔に対する恐怖で一時的に暗所恐怖症(ニクトフォビア)を発症し、ありとあらゆる影や暗がりを「闇の悪魔」と呼び、赤子の様に怯え続けたりといつもの傲岸不遜な態度がカケラも無くなってしまっていた)。
詳細は個別項目にて
闇の悪魔
闇を司る悪魔、闇の恐怖(ニクトフォビア)。
痩せ細った人間達を組み合わせたような身体と、山羊のような動物の頭蓋骨を乗せた姿に、闇そのもののような黒いマントを翼のように羽織った、サタンを想起させるビジュアルの悪魔。
地獄の言語なのか人間には理解できない言語を発し、黒い液状の姿になって移動、上半身と下半身が真っ二つになった祈りを捧げる宇宙飛行士達が並ぶ空間を展開できる。
能力は、カエルの鳴き声と共に対象の手足を分離させたり、指を指した相手を出血させたり合掌して相手の身体を変形させたり、鈴の付いた黒い大剣を出現させて相手に突き刺して鈴の音と共に破裂させたりと、最早人間の理解すら超えた能力の数々を使う。
さらに常に身に纏っている闇の中にいる限りは、どんなダメージを受けても瞬時に回復する。
落下の悪魔
落下を司る悪魔、落ちる恐怖(アクロフォビア)。
複数の腕で構成された料理人の女性の姿をしている。四肢は全て腕になっており、首はなく無数の腕で覆われているなど、その姿はヘカトンケイルを思わせる。自分が殺害した女性の首を掲げてそれで会話する。
見た目の通りの料理人であり、地獄からのオーダーで人間界に現れて人間を食材として回収する。
なお、料理人としての誇りも持っている様でおのこしをした悪魔は殺すし、食材が逃げる事は許さない。また、「意味のない殺生はしたくない」と発言するなど、これまで登場した悪魔とは一線を画す態度も覗かせている。
落下という概念そのものを操作できるらしく、物理的な落下のみならず心理的な落下(トラウマの想起や気分の落ち込み)なども操れ、気分が下がった相手の身体を上空に落とすという物理法則を無視した能力を持っている。そして、彼女がその能力で暴れるだけで地球の重力が歪んだりと、その影響は地球規模に及んでしまう。
さらに本人が「今の人類の力では自分を殺す事は不可能」と言い切る程の凄まじい再生能力を有しており、バラバラにされてチェンソーマン(デンジ)に捕食されても瞬時に腹から再生する。おまけに純粋なフィジカルも規格外で、デコピン一発でチェンソーマンを戦闘不能にする程である。