シャア「フフフ……ガルマ、聞こえていたら君の生まれの不幸を呪うがいい」
ガルマ「何、不幸だと!?」
シャア「そう、不幸だ」
ガルマ「シ、シャア……お前は……」
シャア「君はいい友人であったが、君の父上がいけないのだよ……フフフ、ハッハッハッハ!」
ガルマ「シャア、謀ったなシャア!」
概要
『機動戦士ガンダム』第10話「ガルマ散る」にて、シャア・アズナブルの裏切りに驚愕したガルマ・ザビの台詞。彼を代表する台詞の一つでもある。
相次ぐホワイトベースへの連敗に後がなくなったガルマは、シャアの口車に乗りガウ攻撃空母でガンダムを追跡。
一方ホワイトベースはニューヤークの半壊したドームの中に隠れ、後ろからガルマのガウ隊に集中砲火を浴びせるチャンスを伺っていた。
実はこの作戦はシャアには見抜かれていたがあえて見て見ぬふりをし、「木馬(ホワイトベース)はこの先にいる」とガルマに真逆の嘘をついた事で、後方から待ち構えていたガンキャノン、ガンタンクの総攻撃にあい孤立無援の状態になってしまう。
その時、シャアからの通信が入り彼の本性をあらわにした嘲笑を前に、驚愕と絶望の表情を浮かべながらガルマはこの台詞を叫んだのだった。
しかしそれでもガルマはザビ家の男としての矜持を守るべく、ホワイトベースへ舵を切りホワイトベースへの特攻を図るが、間一髪のところで躱され、ジオン公国の栄光を叫びながら爆炎の中へ消えたのだった…。
余談
- シャアの搭乗機体を長年代表してきたシャア専用ザクの出番は実はこのエピソードが最後である。本編におけるガンダムVSシャアザクの構図は決闘というよりかはホワイトベースの作戦を成功させる上でお互いを足止めさせるための揺動的な意味合いが強く、シャアもそれを自虐するようなセリフを言っている。
- 上述通りシャアはホワイトベースの作戦の全貌を把握していながら、連合の討伐より自らの復讐を優先し、そのためだけに作戦の揺動に協力するという何とも皮肉な行動を取っている。シャアにとって真の敵はガンダムよりもザビ家である事が分かるシーンでもあり、勧善懲悪からかけ離れたファーストガンダムの世界観を象徴しているとも取れるだろう。
- 尚、この時ガルマはシャアの正体に気づいていたのかは不明だが、初代を実写化したゲーム『GUNDAM0079TheWarForEARTH』ではシャアはホワイトベースの攻撃を受けたガルマに対して自身の正体を明かしている。そしてガルマはこのセリフを叫んだ後、撃破された。
- 一方で小説版ではシャアは謀っておらず純粋に戦友として支援しており、ガルマは功を焦り無謀気味にガウ(こちらは宇宙空母)をペガサスに突撃させて「よせ、ガルマ!」と無謀をいさめるシャアの目の前で戦死。
- 「あいつだってザビ家の一員だ……むしろ木馬が仇討ちをしてくれるのを、目撃できるだけでも僥倖だ……!」という想いこそ一瞬よぎってはいたが、それをもってシャアがガルマに悪意を持っていたとは言い難い。