概要
プラントで開発された特殊な電磁波照射システム。開発者は不明。
自由中性子の運動を暴走させ、強制的に核分裂反応を起こすための電磁波を前面広範囲に照射することで、有効半径内に存在する核兵器をその場で自爆させる。
核分裂反応を用いた物であれば、ZGMF-Xシリーズをはじめとする機動兵器に搭載された核エンジンや復旧した原子力発電所の原子炉を暴走させることも可能である。C.E.最強と名高いストライクフリーダムであっても有効半径内に入ってしまえば一方的に破壊できる。
システムを構成する6対、計12枚のブレード状の電磁波放射装置「量子フレネル」は1度の使用で焼き切れてしまい、搭載したナスカ級高速戦闘艦も反動で機能停止に陥るため、連続使用は不可能の実質使い捨て前提のシステムとなる。
このシステムには、ニュートロンジャマーキャンセラー(NJC)に連なる技術が用いられているため、NJCと同じくコア部分には特殊なレアメタルであるベースマテリアルが必須であり、NJCと比較しても投入されるベースマテリアルの数は遥かに膨大である。大西洋連邦と違い、ベースマテリアルの新規供給源を持たないプラントは、隠匿していた核エンジン搭載MS・ザク量産試作型計47機のNJCを解体してコア部からベースマテリアルを抽出し、ニュートロンスタンピーダーの使用に充てている。それでも1発分しか用意することができなかった。
巨大電子レンジこと「サイクロプス」やガンマレーザー砲こと「ジェネシス」と演出が似ているため勘違いされるが、放出された電磁波そのものには直接的な殺傷力は無く、電磁波そのもので死ぬ描写は一切無い。あくまでも照射された核弾頭を強制的に反応させて起爆することで被害を及ぼす。そのため、理論通りなら核ミサイルを発射し尽くした相手には効果が無い。
『SEED DESTINY』作中では
C.E.73年11月に地球連合軍が展開した「フォックストロット・ノベンバー」にて核攻撃部隊「クルセイダーズ」によるプラント攻撃の際に、ザフトが迎撃用として使用した。ウィンダムから発射されたMk5核弾頭ミサイルを全て誘爆させた上、クルセイダーズのウィンダムやその母艦なども搭載していた核ミサイルを軒並み誘爆させることで全滅させるという大戦果を挙げた。先述した経緯の通り、資源的にも状況的にも外すことが許されない状況下であったが無事最大効率で運用された。
ただし、ザフト側は1発分しか用意できていなかったため、仮にクルセイダーズが2波以上に分けて核攻撃を行った場合は失敗していたというギリギリの状況であった。もっとも、この迎撃成功の効果は非常に大きく、以後連合は迂闊に核使用に踏み切ることができなくなったため、抑止力として十分に機能することとなった。
「核兵器の使用によって失われた抑止力が復活した」と言う点もこのシステムの効果の強さを物語っている。逆に言えば、このシステムがもう作れないと発覚してしまえば元通りになると言うことも意味している。
余談
- メタ的には、核兵器が使えない世界を描くために造った設定であるニュートロンジャマー(Nジャマー)が、NJCによって無効になってしまったため、新たな核封印の手段としてニュートロンスタンピーダーが設定された背景がある。なお、これらの装置は揃いも揃ってプラントで開発されている。