コーカサス3国の一角。現地語表記はՀայաստան(Hayastan)
首都はエレバン。
旧ソ連時代はアゼルバイジャンの所属地域だったが、アルメニア系住民が多かったため、ソ連崩壊に前後して、その帰属をめぐって両国は激しく対立し続けることになる。当初は国力に勝ったアルメニアが実効支配していたが、2023年にアゼルバイジャンから反撃を受けアルメニア軍は撤退を余儀なくされ、多くの地域を手放すことになってしまった。
また、第一次大戦に前後してトルコ国内のアルメニア系住民を「親ロシアの反体制派の温床」とみなして大量に追放したトルコとも険悪な関係。そのため、前述のナゴルノ・カラバフ紛争においてトルコはアゼルバイジャンの反撃を軍事支援した。
301年に古代アルメニア王国がキリスト教を国教とした事からアルメニアは「世界最古のキリスト教国」と呼ばれており、現在でもキリスト教(アルメニア使徒教会)が多数派である。アルメニア使徒教会は東方正教会やカトリックではなく、非カルケドン派正教会の立場を取っている。山がちな国土から多くの居住地域を持てなかったため、国外への出稼ぎや移住者が古来から多かった地域である(特にかつては国外で傭兵業に就く者が多かったようである。この点でかつてのスイスや近代のネパールなどの山国とも通じる点がある)。そのため各国でアルメニア系はかなり大きく強固な移民集団があり、又、古来からの宗派をアイデンティティーとする点でもユダヤ人とも比較される。