周期1~2秒の揺れ(地震動)のことを指す。建物、特に1〜2階建の家屋への共振反応を起こしやすいため、建物へのダメージが大きく、倒壊(崩壊)しやすくさせる。
直下型地震であった兵庫県南部地震(1995年・阪神淡路大震災)や熊本地震(2016年)、能登半島地震(2024年)などは、このキラーパルスが卓越していたため、建物被害(住家被害)が甚大であった。
一方、海溝型地震であった東北地方太平洋沖地震(2011年・東日本大震災)の場合、加速度は兵庫県南部地震や熊本地震よりも大きかったが、地震動の周期は最大でも0.5秒くらいで、キラーパルスではなく短周期の揺れが主体であったため、巨大地震であった割には(揺れそのものによる)建物被害は小さかった。
阪神・熊本・能登・東日本の各地震はいずれも最大震度7であったが、地震動の周期が異なっていたため建物被害の程度に差が生じた。つまり、地震による建物被害は震度や加速度だけでなく、地震動の周期によっても大きく異なってくるということである。
近年では、こうしたキラーパルス対策をした建物も建てられている(日本制震システム株式会社の作ったMER SYSTEMというものなど)。