開発
第二次世界大戦中、イギリス軍機甲部隊は来る大陸反攻作戦に備え、ドイツ軍が独仏国境に敷いたという強固な要塞線「ジークフリート線」の突破を可能とする強力な兵器を求めていた。
そこで、1943年から開発されることとなったのが「Heavy Assault Tank」、すなわち「重突撃戦車」。
無砲塔かつ機動力は切り捨て、可能な限り厚い装甲と強力な火砲によって敵要塞線に文字通り「突撃」する、というこの計画が生みだしたのが、当時の英軍最強の戦車「トータス」だった。
結果
230 mm(9 in) に達する正面装甲、砲口初速 1,540 m/s で装甲貫徹力 310 mm に達する「QF 32」62.6口径94mm砲を搭載、かのティーガーIIすら圧倒しうる脅威の高性能重戦車は...
しかし、大戦に間に合わなかった。
実用化に至った1945年9月には、ドイツどころか日本すら降伏していたのだ。
...ちなみに、トータス開発の経緯の一つでもあるジークフリート線は、実際には連合軍の想定をはるかに下回る規模の防御陣地だった。
戦後、イギリスのセンチュリオンに代表される火力・機動力・防御力を兼ね備えた主力戦車の時代の本格化によって過去の遺物となったトータスは、1947年にひっそりとその開発計画を終えた...
関連タグ
T28重戦車:アメリカ版トータス。