概要
2013年に発売された、ガンダムのプラモデル通称ガンプラを題材としたアクションゲーム『ガンダムブレイカー』の第4弾。
何故、「ガンダムブレイカー4」にしなかったかというと遊び方が従来の作品からかなり変わったからとのこと。
今作では「リアルカスタマイズバトル」という新システムを導入、これは戦闘で手に入れたパーツをその場でカスタマイズができる。また、パーツの1つ1つにはEXスキルが設定。ステージ上にあるコンテナを破壊すると出るレベルアップアイテムでレベルが上がりEXスキルが解放され様々な技が使える。
ストーリーモードでは「ガンブレ学園」を舞台に主人公とヒロインたちが活躍する。
実際の評価
…が、全体的な評価はこれまでの作品に比べかなり低い。
一言で言えば、どうしてこうなった!!
キモとなるアクションはごちゃごちゃして爽快感がなく、本作の肝となるリアルタイムでパーツの付け替えもせっかく整合性や見栄えを考えて着けたパーツが敵の攻撃でポロポロ取れて破壊されて台無しになるのでカッコ悪くなっていく。
例を挙げるとジムで出撃したら帰投時にザクになっている……なんてのはザラ。素組と呼ばれる一式全て同じ機体のパーツで揃えてプレイしたくとも、「ゴッドガンダム再現盾無し射撃武器無し」で出撃したのに近くにいたジムのビームスプレーガンとガンダムハンマーを勝手に拾われ、GP-02のシールドを待たされ、弾が掠めるだけで頭が捥げ近くにあったザクになり、広範囲攻撃でバックパックが外れ、近くにいたウィングガンダムゼロEWの羽根が生える、不意打ちをくらって足が捥げ、近くにいたガンタンクの足になる、脚がないうちに受けた近接攻撃で腕も胴体も捥げ、近くにいたジュアッグの腕、ノーベルの胴になる、とどんどんと自作ガンプラのコンセプトが否定されていくのを眺めるしか無くなってしまう。
最終的にステージをクリアする頃には自機は「やたらゴツい盾を持ち」「腕自体が銃なのにビームスプレーガンとガンダムハンマーをもった」「デカい羽根の生えたセーラー服のザクタンクもどき」と化している。
これをカッコいいと思うか否かは個々人のセンスにお任せするが、少なくとも「ゴッドガンダムでプレイしたかったプレイヤー」はこの有様に納得はしないだろう。
大真面目に「自爆スイッチを押せ!」と推奨される程(自爆すると元のパーツが復活するので)
さらに、グラフィックを改善するためにモデリングを一から作り直した為に、パーツ数が減少していることも批判される的になっている。
また、前作までと違いパーツの強さが固定されレベルアップ要素がなくなってしまい、弱いパーツはどこまで行っても弱いため、例えば「ガンダムより強いザクやジム」を作ることができない。ようするに「ぼくのかんがえたさいきょうにかっこいいがんぷら」など夢のまた夢でシナリオをクリアするためには見栄えや好み無視で強いパーツ、更にいうなら強い機体でガンプラを組んでいくしかないということから、3で時折使用されていた「EX-Sガンダムの頭(インコム)、クシャトリヤの腕(ファンネル24機)、ケルディムGNHW脚(ライフルビット及びシールドビット総計11機)、キュベレイバックパック(元祖ファンネル10機)、追加パーツのファンネル3機×7つ」を搭載したバケモノ機体の作成というロマンなど本作にはなく、実用性度外視でそう言った機体を作れて、ちゃんと強化すればそんなヘンテコ機体でも強くできるというシリーズ最大の魅力が無くなってしまっている。
一応初代ガンダムブレイカーもそうで、HGよりMGの方が一回り強い為HGの使用価値がなく、あちらは更にパーツによって武器の適性(高いと威力に補正が入る)が存在する為に、十分な火力を出すために誰がどう見てもダサいとしか言えない組み合わせにする必要があった(シナンジュのバックパックに∀の胴体、ノーベルの脚で格闘特化し、素格闘だと隙が大きく弱いので拳法にするために特定の腕パーツを付ける、そうなると顔以外差別点がなくなる等)が、あちらは初代、つまりジャンル開拓者故の粗であり、2→3と自由度を上げ進歩してきたため、論われる事は殆どない。
また、自分の作品のお披露目たるネット対戦もレスポンスが悪いのでほとんど苦行と評する人も多い。
また、原作の未履修を疑わせるモデリングが存在し、際たる例が「フィン・ファンネルの逆パカ」。
フィン・ファンネルが展開すると、膨らんだ方が外になるレール状になるはずなのだが、この作品では膨らんだ方が内側になっており、バーニアが内側に来てしまっている(恐らくバーニアと銃口を勘違いしたのだろう)。
「ガンダムかそうで無いか」で喧嘩するほど設定にこだわるガノタにこんなあからさまな粗を見せたらどうなるかは言うまでも無い
なお、使えたところでろくすっぽ役に立たないという問題点も併発しているので始末に負えない
シナリオについて
シナリオはまあ「よくある学園舞台の玩具系作品」のような雰囲気(要はデュエルアカデミアとかそういうノリのガンプラバトルを学ぶ学校)であり、そういうシナリオは人それぞれの好みによるため特筆点はない。
しかしながら「前情報と合致しているか?」と言われると疑問符が浮かぶ。
所謂恋愛要素が盛り込まれているのは確かなのだが、各ヒロイン一枚絵が文字通り一枚、ルートはヒロイン(及び台詞)が違うだけで何も目新しさがない。
挙げ句の果てにはこのゲームはハクスラ系のゲームなのに「他者からパーツを強奪する事を咎めるヒロイン」、TPOをわきまえない上に誤用する「ガンダム作品の名セリフbot化するヒロイン」などとにかく引っかかる描写が多い。
これでは「もっと他に力を入れるべきところがあっただろう」「1の頃の無味乾燥なシチュエーションだけなんか書いてあるだけのミッションのがマシ、というかそうしてでも他をどうにかしろ」と言われても仕方がない。
ゲーム性について
皆無、これに尽きる
Eスポーツ化を目指して戦略的な内容にしたかったと語っており、その意気込み「は」見えるのだが、
このゲームをやるプレイヤーがやりたいのは「ガンプラ作り」とか「ブンドド」であって「ガンダムのガワを被ったEスポーツ」ではない。
やる事は指定物資を自陣に持ち帰る事なのだが、プレイヤーが完全放置でも三コンテニュー以内に全クリ可能というお粗末さであり、これをPvPでやったらどうなるかも容易に想像が付く。
と言うかそもそも毎シリーズのPVにおいて「前作プレイヤーからの要望」という形でいくつかを取り上げ紹介する場面があり、「ショップ店員がキモい」などのどうでも良いものから「ジャマーやバグ(機体名)が邪魔すぎる」などの切実なモノまで多種多様に取り上げているのだが毎回「PvP要素を入れるな」という文言が確認でき、つまりは開発スタッフもそれを認知していたはずなのである。
…何故PvPを前提に置いたルールを作ってしまったのだろうか…
作り込みが甘くガンプラゲーとして失格
底と魅力が浅すぎてギャルゲーとして失格
最早シンプルシリーズか何かだと思ってでもせめて…とゲーム性にだけ救いを求めた者が見たモノも、また地獄だった
とにかく本作を構成するありとあらゆる要素が中途半端なうえ全部落第点なのでどの層にも刺さらないのである
…とこのような事態の為、公式ツイッターはアップデートの情報に対し失望しているコメントが多数見られる。
せめて、システムの変更がなく粗がシナリオのみならば「ブンドド出来ればいい」という層があるためまだ何とかなっていただろうが……。
この反省を生かしてか、後に配信されたガンダムブレイカーモバイルではパーツのレベルアップ制の復活、不評だったリアルカスタマイズバトルの廃止など、以前のシリーズに近いシステムとなっている。
公式Twitterに対して
上記にも述べてるように公式Twitterのアップデート情報に対し失望しているコメントが多数あるがそれと同時に公式Twitterに対して中傷や侮辱に近いリプライなどが見られる。中には購入すらしていないにもかかわらず、中傷などをしている者もいる。くれぐれもそのようなリプライを送るのはやめましょう。
クソゲーを非難していいものは一度買ってプレイしたもののみであり、誹謗中傷はいかなる理由があっても厳禁である
新作リリース
2024年2月21日、ニンテンドーダイレクトにてガンダムブレイカー4が発表された。
……それに伴い、公式ホームページがガンダムブレイカー4にリダイレクトするよう変化した為、検索に引っかからなくなってしまった。
一応、得点の過去作パッケージにNewガンダムブレイカーも含まれており、ガンダムブレイカー4のホームページにNewのサイトへのリンクも貼られている為、公式から完全に黒歴史化されたわけではない。
まあユーザー側としては記憶のマウンテンサイクルに埋めてしまいたい人も多いかもしれないが……。
余談
本作は2018年度クソゲーオブザイヤー次点である、もう一つの有力候補作がRPGツクールMVであったため、「自信作のガンプラのコンセプトが滅茶苦茶に破壊されるガンダムブレイカー」「内容の不備により、まともなゲームを創造できないRPGツクール」という創造と破壊をタイトルに冠し、その上で「壊れてはならないものを壊しにかかるブレイカー」「作れなければならないものが作れないツクール」二作品が鎬を削る妙にエモい事態となっていた。
PVではこうなったのは全てシャアのせいにされている。もちろんただの濡れ衣であるためシャアは何一つ関係ない。
関連サイト
関連タグ
小川正和,薄井宏太郎:ガンダムとガンプラをeスポーツになどと対談していたプロデューサー。手軽に作れる俺ガンダムでブンドドしたかった(そしてこれまで出来ていた)ユーザーの需要に対して、内容がご覧の有り様であったことからその内容が顰蹙を買った。*