概要
パソコン版ツクールシリーズの一つ。
価格は12800円と、『RPGツクールVXAce』同様に1万円台を超えている(※PC版)。なお、不定期に系列会社のデジカストア、steamでセールをやっている事がある。要公式Twitterのお知らせを確認するべし。価格改定した廉価版の発売は今のところは未定。
本作以前からの変更点
本作はこれまでのツクール作品とは異なる点が多々あるが、特に大きいのは
Mac版も同時に発売される事と、ゲームに使用されるプログラム言語がRGSS(Ruby)からJavaScriptに変更されている事である。
このプログラミング言語の変更に伴って、スマートフォンアプリとしてゲームを作成する事も可能になった他、HTML5の形式に対応しているブラウザからプレイする事が可能になった。JavaScriptの基本知識が必要になっている。スクリプト素材に関するライセンスはJavaScriptの記事を参照。
ただし、ニンテンドー3DSやPlayStation 3など、コンシューマーのゲーム機に搭載されているブラウザからのプレイはほぼ不可能。
また、InternetExplorerもブラウザプレイには不向きと発表されている(Web Audio APIが対応していないため)が、ブラウザ側である方法を利用する事によってサウンド再生なしでプレイできる。
公式サポートによると、Apple端末の場合はSafari、Windows、AndroidではFirefoxをそれぞれ推奨している。また、ブラウザ設定でJavaScriptを有効にする必要がある。無効だとプレイできない。
作品の出力形式はWebサイト公開用のHTML5がベースとなっており、それ以外の選択肢としてWindows・Mac・Android・iOS用の実行ファイルを作成する事ができる。
また、Mac版ではパッケージ版は用意されておらずダウンロード販売専用になる。(App Storeからsteamをダウンロードしてそこから経由してダウンロードする必要がある)
画像系の素材規格はVXAceの1.5倍(2000、2003から考えると3倍)となっており、以前までの画像素材はそのままでは利用できない(戦闘アニメ素材のみRPGツクールXPからずっとサイズが変わっていない)。
「素材管理」のボタンが廃止されているため、すべての素材はゲームフォルダに直接入れる必要がある。(Ver1.1.0のアップデートで復活したが、画像素材のプレビューおよび透過設定機能はついていない)
更に、画像素材はPNG以外のファイルが、音楽素材はOggとm4a以外のファイルは軒並みエディターの標準システムでは利用する事ができなくなった。有志らが開発する拡張に用いるプラグインによって何とかなる。
本作はRTPが廃止され、新規プロジェクト作成時に全てのファイルをプロジェクトにコピーしてから開始となるため、初期段階で物凄く容量がかさむ(300MB以上)。
Ver1.1.0のアップデートにより不要ファイルの削除ツールが追加された他、製品に同梱されている素材も軽量版が用意された(楽曲ファイルのビットレートが64kbsにまで削減)。
ただし公式の削除ツールでは、プラグインの動作に必要となる追加のファイルまでは正しく判別されず消されてしまう可能性をはらんでいる。
その上、削除ツールを使ってもまだ容量が大きいことに変わりはないため、使用しているファイルの更なる軽量化も検討してみる事を推奨する。
なお、RPGツクール95以来久々にマウスでのゲーム操作が復活、タッチ操作にも対応している。
日本国外では『RPGMakerMV』として2015年10月23日(実際に起動可能なのは日本時間で24日)から先行発売されているが、収録されている素材数は日本版に劣る。
海外版およびMac版はSteamからの購入・起動となるため、Steamアカウントの取得が必須である。
なお2016年8月22日から29日までオンラインDL販売限定で価格が2960円になるキャンペーンが実施された、その後も不定期に大幅な値下げが行われている。
2016年11月末日をもってスパイク・チュンソフトからの販売・サポートが終了。以後はサポート先がKADOKAWAに移行。
2017年1月19日からは本体価格が7980円に引き下げられ、今までの価格は追加素材をセットにした「バンドル版」の価格に変更された(通常版は、発売当初に同梱されていたSF素材やパッケージキャラの素材を含めない形となる。後にバンドル版の同梱素材も単品販売が開始された)。
『RPGツクールMV』では『RPGツクールMZ』にあるJavaScriptとは下位互換を持っていないので不具合が起こる可能性がある。
しかし、逆にMVのスクリプトとプラグインについてはツクールMZとの上位互換は持っている。
JSフォルダにはコアスクリプトが実装されているが、ツクールの公式講座には登場しない上級者向けとなっている。
関連ラジオ
佳奈と英美里のツクラー‘sスタジオ
2018年10月から放送開始のRPGツクールMV Trinityに関するラジオ番組。
MCはタイトル通り植田佳奈&加藤英美里。放送局は超!A&G(動画付き)。
関連製品
※PC版のみ
- SAKAN-タイルセットビルダー-
- MADO-WINDOW BUILDER-
- GENE-SCENE BUILDER-
本製品と連携してゲーム製作の補助を行えるツール。製作した素材やイベントはすぐにプロジェクトに組み込める。
コンシューマー向けTrinity版
据置用向けとして、(当初予定では)PlayStation 4、Nintendo Switch、XBoxOne版の3機種に展開されるRPGツクール…だった。
しかし、
- こちらを見ればわかるが大量のバグや不具合を抱えており、しかもそのバグがデータ破損やフリーズなど致命的なものばかり
- それを差し引いても、マウスやキーボード操作前提で操作するUIをそのままコントローラーの十字キーで移動し、ABXY+-ボタンで項目の切り替え等を操作する据置用として持ってきたためUI自体が最悪で案外ボタンを間違えやすかったり、素材管理やイベントページの切り替えがしづらいのが目立つ。
- 素材がログインボーナス方式
…と、惨憺たる出来栄えから2018年クソゲーオブザイヤー据置部門大賞、当初展開予定だったXBoxOne版も展開中止の運びとなってしまった。こちらはUSBマウス非対応ソフト。
ただ、素材についてはPC版MVに輪をかけて豊富であり、特にアラビア、中華、和風といったデフォルト素材では不足しがちなテイストの画像、BGM素材が入っているのはとても嬉しいところ(一部VXAceや和素材の焼き直しもあるが)。
新規BGMの中にはボーカル入りというかなり思い切った物も。歌は海外ボーカリストのエリアンナが担当している。
これらの素材は、後にPC用素材として販売されている。(ツクールの公式ストア)
Trinity版では追加コンテンツ(無料・有料)及びログインボーナス素材で追加できるが、パソコン版と同じくキャラクターエディターがあるのでキャラクターの容姿の生成は可能。特に画像に関してはmicroSD内(Switch)の外部素材の画像として使えない他、素材を自作する為の絵画ツール(機能)が無いため創作にはやや苦労する。
ちなみに、ログインボーナスなどで入手可能なキャラクター、オブジェクトなどの素材をツクール広場で配布する有志は一応いる。(改造許可設定をした作品セットとなるが)
といった拡張機能があるが、パソコン版から基本的な機能の一部はTrinity版では廃止されている。(主に、外部からの配布素材の導入、JavaScript導入するシステムとかがある)
これらを始めとするほとんどのシステム構成は今までのコンシューマー版と同じことであるのは変わらないようだ。
一部のユーザーからの評価が良かった点を挙げられるものとすればRPGツクール2003のサイドビューが共演できるように復活してくれたくらいに留まっている。
関連タグ
RPGツクールVXAce←前作
RPGツクールMZ←次作でツクールシリーズとしては最後となる、新たに標準搭載機能が拡張された後継ツール…ちなみにこちらはコンシューマー向けはない。一応スクリプト、プラグインの互換性はある。
RPGアツマール(ドワンゴが運営するニコニコ動画のブラウザゲーム共有サービス)
RPG Maker Unite←新シリーズ。
サイドビュー:デフォルトで復活。ただし、飽くまでコンシューマー版の方の話である。
外部リンク
- 『RPGツクールMV』公式サイト
- 『RPGツクールMV Trinity』公式サイト (2018年11月15日発売予定の最新バージョン)
- 『佳奈と英美里のツクラー‘sスタジオ』特設サイト