概要
PC版RPGツクールの第7作目。2011年12月15日発売。
RPGツクールVX(以下VX)をベースとしながらも様々な機能拡張などがなされており、またWindows10にも正式対応している。一応、Windows11でも動作する。
PC版ツクールは今まで税別9,800円であったのだが今作では遂に税別価格が10,000円の大台を突破し12,800円(税率5%時13,440円、8%時13,824円)となった。2016年3月現在、廉価版の発表はまだないが、後述の「RPGMakerVXAce」(以下steam版)が2016年2月5日のアップデートからは日本語にも対応しているため、実質こちらを廉価版として使用することができる。
全体的なインターフェースはVXの後継と謳っているだけあってVXのものと似ているがVXの時以上にスクリプトを使わずとも出来る機能が増えている。一方でスクリプトのRGSSもVXの2から3にバージョンが変わっているため、データの互換性はなく、RPGツクール2000⇒2003の時のようなデータの移行は出来ないし、スクリプトも基本的にVXのものは利用出来ない。もちろん、RPGツクールXPのスクリプトも互換性なしなので同じく。
ちなみに、有志によるコンバーターツールはあるが、こちらは飽くまでVX規格のグラフィック素材の移行くらいしか行えないので注意。
VXと比べると細かい部分での違いは多く、痒いところに手が届く仕様であると思われる。……のだがVXと今作、どっちが使いやすいか、というのは人によって差が出るところでは無いかと思われる。公式でも「上級者向け」と書かれており更にパッケージにもやさしさから、頼もしさへ。と書かれていることから初心者には少し難しいかも知れない。
事実、データベースのスキルの計算式ではスクリプトのような記述を求められる(従来通り威力、依存度を入力することで自動的に作る事も出来る)。他にもVXの時よりもデータの一つ一つが断片的に見える部分もある為、全体の流れを把握して設定しないと分かりづらくなる懸念もあり、スクリプトを理解しているユーザであれば非常に分かりやすいかもしれないが、そうでないユーザには若干難しく感じるかもしれない。
2011年12月1日より体験版が配信されている。従来の体験版同様、データの保存、スクリプトの編集等はできないが新機能などは試せる。また2011年12月15日よりRTPも配信された。また、2013年にはニコニコ動画とタイアップした体験版「RPGツクールVXAceLiteニコニコエディション」が公開された(現在は公開終了)。
ちなみに余談だが、プロダクトキー求められるメッセージが出てきて「体験版だから、ネットワーク認証は不要のはずでは…?」と思った人もいるだろう。これは体験版の起動時に尋ねられるプロダクトキーについては専用ページに行きそこで登録したメールアドレスに受信されたものを入力してやはりネットに接続して「ネットワーク認証」をする必要があった。
こちらは「ニコニコ」関連素材が充実していたりと、通常の体験版とは違い特別なものだったと言える。
(海外の方では「Lite」と表記して展開された)
2021年1月4日をもって技術的なサポートを終了。(詳細)
VXからの主な変更点
尚、VXでもスクリプトを使うことで以下の変更点のほとんどは再現可能である。
マップ
- エリアの廃止(代替としてリージョンが追加された)
- 船に乗っている時もエンカウントするようになった
データベース
- 魔法防御と運が追加された
- 属性、特性などの設定のインターフェースが大きく変わった
- 強力防御等、属性有効度などの設定を数値単位で細かく設定可能になった
- 前衛、中衛、後衛は廃止された(代替として狙われ率が追加された)
- 属性有効度で負の数(吸収)が設定出来なくなった
- MPダメージ、MP吸収などが設定可能になった
- スキルで複数属性を設定できなくなった
その他
- 隊列、5人以上のパーティが可能になった
- 戦闘背景が設定出来るようになった
- イベントコマンドが追加された
- RGSSがバージョン3になった
- RGSSのバージョンアップに伴いゲームの起動速度などが向上した
- RGSSのコンソールを表示可能となりデバッグがやりやすくなった
- キャラクター生成ツールが本体機能として追加。フォルダ内にパーツを自力追加もできる
Steam配信
海外向けに「RPGMakerVXAce」として配信されていたが(2012年11月から)、2016年2月5日からは日本語にも対応、Workshop機能により世界中の素材を利用することが可能。
この機能はsteam版限定である。
ピクシブに於けるRPGツクールVXAce
ピクシブでは従来まで同様RPGツクールVXAceの素材につけられる他、パッケージに描かれていた獣耳の女の子のイラストが描かれる事が多い。
素材としてはRTPの一部がVXと同一なので、Aceで新規追加されたRTPデータを元にした画像か
Aceの機能の一部として用意されている「キャラクター生成ツール」を元にした画像以外はVXのタグのみで済んでいる事が多い。