概要
主に生命にかかわる危険な事案を扱う作業員であり、施設の掃除やSCPオブジェクトへの接触などの単純作業を担当する。
死刑囚などから採用されており、脱走防止や状態確認のためGPS機能付きの識別タグとオレンジ色のジャンプスーツが支給され、業務終了後は宿舎で管理される。
ストーリー
財団は昨日も今日も明日も明後日も、新しいアノマリーを確保・収容・保護してきては、その特性を調査することを試みる。
だがアノマリーというものは、度々想定外が発生する危険物であり、そういったものを調べる際に、博士たちが自ら調べていたら命が幾つあっても足りないし、かといって善良な市民をモルモットにするなんて財団の倫理委員会が首を縦に振るはずもない。
そこで、財団は世界各国の死刑囚や終身刑囚、無期懲役囚などに対して、「一ヶ月後に釈放する」ことを条件に、協力を取り付ける。
また、死刑囚や終身刑囚以外にも、
- 凶悪犯罪を犯すも、精神鑑定の結果責任能力無しと判定された者(Tale-JP『やさしい人々』)
- SCPオブジェクト由来の人間(SCP-217-JPなど)
- SCPオブジェクトを盗んだ人間(SCP-662など)
- 財団に対する重大な背信行為を働いた元職員(Tale-JP『サイト管理者のための面接試験――エージェント・カナヘビによる面接』など)
- 超常的な、一般社会の警察等では立証できない犯罪を犯した者
- 財団により確保された要注意団体構成員
などもDクラスとなる場合がある。
なお実際に一ヶ月後に釈放されるかはヘッドカノンにもより、正直な話、釈放するヘッドカノンの採用率は低い。
かつては一ヶ月後にガス室送りで“この世から”解放する、のが主流だった時期もあるが、「幾ら何でも世界中の死刑囚かき集めても全く足りなくなる」というツッコミが多くなったことから、現在主流のヘッドカノンは「一ヶ月後に記憶処理」が殆どとなっている。
とはいえ、Dクラスというどう扱っても便利な題材である以上、新たなヘッドカノンは無数に生まれており、ひとりの著者が複数のヘッドカノンを著作ごとに使い分けることも珍しい話ではない。
それこそ、マイナーなTaleでは「Dクラスとして雇用して運動能力などを見定め、偽の記憶を植えて財団エージェントにする」というのもある(『月例解雇 D-3382』)。
とは言え、流石に世界中に死刑囚、それも収監中の死刑囚なんてそんなに多くはないし、よりどりみどりの特性を持つ殺人鬼などそうそう世の中に居るはずがない。居ても逆に困るが。
その答えとなるオブジェクトがSCP-5865となっている。
職員によるDクラスの扱いも、ヘッドカノンは勿論、職員の性格にもより、Dクラスであれば人でないかのように扱う職員もいれば、人としてちゃんと扱う職員もいる。
記憶処理という設定が主流になってからは、Dクラスであっても治療を受けさせるようになったことも多くなっている(下手にDクラスを媒介に病気が撒き散らされたりしても厄介な事になるといった事情もあるのかもしれない)。
SCP-409の実験の際には(特性上そのまま放置するとインタビューすらできないためとはいえ)なんとSCP-500を投与されたDクラスまでいる。
Dクラスを使っての実験では「結果が99%予測できる」としても、それを100%にするために実験する。
それこそ「こういう使い方したら死ぬよな」って思っても、それを確定させるために死なせる。
必要のない浪費はされないが、99%を100%にするのは「必要だから」やるまで。
そして死んでも、特に誰かの記憶に残ることはない。記録に多少残るだけ。「財団は冷酷だが残酷ではない」のがモットーである通り。
Dクラス職員も、大半はあまり褒められた言動をしない(元々構成されているのは死刑囚が殆どなのでまともな人間がDクラス職員になるはずがないが)。
ただ、時々SCP-544-JPやSCP-1983などのような例もある。
他にも、生贄が必要なオブジェクトなんかでは使われ(SCP-1428、SCP-3000、SCP-115-JP、SCP-790-JPなどが該当)、場合によってはDクラスそのものがアノマリーとして指定される場合も有る(SCP-181、SCP-2963が該当)。