概要
SCP-662とは、シェアード・ワールド「SCP_Foundation」に登場するオブジェクトの一つ。項目名は「執事のハンドベル」。オブジェクトクラスはSafeとなっている。
SCP-662はその名の通り非常に純度の高い銀製のハンドベルであるが、振鈴装置(おそらく振るとチリンチリンと鳴るアレ)が失われている。ベルの内側には"永久に私のもの(Forever Mine) – S.J.W."とエッジングされた銘が刻まれている。
このオブジェクトの異常性は振ると発生し、どこからかチャイムが鳴り「デーズ」と名乗る白人男性が出現する。デーズ氏は拵えの良い服を着て、SCP-662を使用した人物を敬称をつけて呼ぶ典型的なイメージ通りの執事であり、呼び出した人が要求したことを叶えてくれる。サンドイッチなどの料理や飲み物の用意はもちろん、洗濯や洗車、更には暗殺までも受け付けてくれる。
ただし無理なことも当然あり、純度99.98%の金塊を頼んだときは99.14% の金塊が提供され(このときデーズ氏は要求に十分に応えられなかったことを謝罪した)、またサイズが大きすぎるものは駄目なのか車や豪邸、プライーベートジェットを頼んだところ断られた。
そしてあのSCP-682の破壊の要求もできないものの一つであるようだ。知ってたけど。
また、個人的な事にデーズ氏を使役しすぎたためにO5評議会に警告され、O5の承認無しには勝手に使用する事は禁止されている。
デーズ氏について
デーズ氏に関する情報は、インタビューによると以下の通り。
- 「デーズ」という名前は生まれ持ったものではない。
- 自身のフルネームは記憶になく、誕生地も把握していないが、それでも英国の生まれである事は信じている。
- それを思い出そうとする、あるいはなぜそれを思い出せないのかと言う質問には答える事が出来ず、苦痛を伴うような表情をする。
- 提供する物品はどこから持ち出しているのかはデーズ氏自身にも分からず、呼び出した者が先程までに要求した事に関する記憶も、要求の遂行後は直ぐに消えてしまう。
- これまで会った人、或いは仕えた人の中で、正確な範囲内で思い出せる一番古い呼び出しは、「馬車が走っていた時代、自転車を富裕な者が使い始めた頃(19世紀後半辺り?)」。
- 名字や肩書き、あるいは特定の作業が可能かどうかを、デーズ氏自身がどうやって知り得たのかも分からない。
- 死亡後に再び呼び出された場合も、自分がどうして生きているのかは記憶に無いと語る。
来歴
元々米国のとある墓泥棒によって掘り起こされた時に発見され、墓泥棒が盗品を質屋に入れた際、主人が偶然ベルを鳴らし、デーズ氏が出現。位置が悪い事に、カウンター後ろの保管庫から出てきてしまったので、質屋の主人は2人の男に襲われたと早とちりしてショットガンで銃撃し、デーズ氏は死亡した。
この時は特に注目されず、普通に死体保管庫に保管されたが、その後、デーズ氏の遺体は消滅する(墓泥棒はこの事件から1週間後に財団のエージェントに拘束され、尋問でSCP-662を盗んだ墓の場所と盗んだ経緯を供述した後にDクラスに割り当てられ、その後あるSCPオブジェクトの試験中に非業の死を遂げた)。
この時ちょうど、巡査部長によってベルが鳴らされ、今度は地方警察隊のケースファイル保管庫に出現し、デーズ氏は速やかに逮捕され、FBI捜査官を装った財団のエージェントが身柄を確保するまで拘留された。
しかしながら、手錠をかけられたデーズ氏が再度消失した事で、エージェントは異常存在がベル本体にあると考え、それが証明された事から"称賛の"銘板を授与された。