概要
時計やブランドバッグなどの物品を顧客から預かり、それを担保に金銭を融通する金融業者のこと。
融資額
基本的には売るより少額の金銭しか得られない代わり、約束の期限までに返済すれば、預けた物は返ってくるという特徴がある。
融資を受ける際は、質屋は一般の古物商同様に物品の時価額を査定し、融資額、利率、返済期限などを顧客と相談して決める。
流れ品
万が一、期限までに返済できなかった場合、預けた物品の所有権は質屋にうつる。このため、持ち逃げした者に対する取り立ては、質屋ではありえない。
こうして、質屋に所有権がうつった物品を流れ品といい、質屋は返済されなかった金銭を回収するため、こうした物品を古物商に転売し、または自ら流れ品目当ての来店客に販売することとなる。
質屋自ら販売する流れ品は、前述のとおり融資額はリサイクルショップでの査定額に比較して安価であるために、リサイクルショップでの時価額より安いことが多く、「お目当て品」「お宝品」に巡り会いやすい。
経済的に豊かでなかった戦前までは、金目のものに限らず、鍋釜などあらゆる生活雑貨を担保に少額を貸し付ける質屋も多く、生活に馴染んでいた身近な金融機関であったが、戦後は宝石やブランドバッグなど、高級品を持っていないと貸付をしてもらえない質屋が増えた。また銀行でローンを組むことが一般化したため、浪費癖のない人間には無縁の代物とのイメージが出来上がって、生活上馴染みの薄いものになってしまった。
しかし最近の質屋はタブレットPCやスマホ、美少女フィギュアなども取り扱っている場合もあり、犯罪被害や交通事故などで急な出費が必要になった場合にも万が一返せなかった時に金融機関のブラックリストに名前が載る心配なくお金が借りられるため、利用を検討してみてはいかが?
海外では
英語での名称はpawn shopであり、世界各地に古くから存在する金融機関の形態である。利子をとることを法令で禁止しているイスラム教文化圏では、物品担保の貸付ではなく、顧客から物品を一度買い取り、それに利鞘をつけて転売する古物商の形態しか認められない。そのため、イスラム文化圏での「質屋」は、買い取った物品を、事前に約束した一定期間は元の所有者以外の人物には販売しないとの条件付きで物品を買い取る古物商として営業することとなる。
余談
中京・関西圏では「ひちや」と発音され、「ひち(や)」と表記された看板もたびたび見かける。