「世界から悪疫を無くす事こそが私の生涯の義務だ。
私の治療はこの上なく効果的なのだよ。」
概要
海外のシェアワールド「SCP_Foundation」に登場するSCPオブジェクト。
通称「ペスト医師」。
身長1.9m、体重95.3kg。人型実体で、15~6世紀のヨーロッパに伝わる『ペスト医師』の格好をしている。
実際には衣装ではなく、皮膚や骨から発生する体組織で、鳥のようなマスクの目の穴からは、人間の目に非常によく似た眼球を露出している。
会話能力を持ち、英語や中世フランス語を好んで使用。知性はかなり高い。
通常は穏やかで財団職員にも協力的なのだが、彼が「悪疫(Pestilence)」と呼ぶナニカを感じ、それを有していると判断した対象に遭遇すると、途端に攻撃的になる。ただし、ラベンダーの精油をかがせることで鎮静化する事が可能。
ちなみに「悪疫」については現状不明。SCP-049は「神の罰」「大絶滅」と語っているが、彼にしか分からない基準があるらしい。
財団では、サイト-19内の標準安全人型収容セルに収容されている。
移動を試みる際にはいかなる場合でも事前に鎮静状態にする事が求められ、移動中は拘束具に固定されて監視される。
2週間に1度、「研究用」として最近死んだ動物の死体1体が提供される。これはウシまたはその他の大型哺乳類であり、人間の死体を提供する事は許可されていない。
さてこのSCP-049だが、ある特殊能力を持っている。
それは、
物理的に直接接触した生命体を「即死」させる。
医師なのに!
どういう理屈で生物学的機能を停止させるのかは不明。検死解剖でも結論が出されていない。
ただしSCP-049は殺害後に落胆や悔恨を表明しており、「悪疫」を殺す事が出来なかった事に対する念らしい。
そして「医師」として即死した対象を「患者」として手術する。メス・縫合針・縫合糸・数種類の薬(未知の薬も含む)の入ったバッグを取り出し、てきぱきと「患者」に施術。
荒削りな扱いの末に手術を終えると、なんと「患者」は蘇生するのである。
医師すげえ!
が、「患者」の蘇生は必ずしも発生する訳ではない。
加えて蘇生した「患者」からは知性が消失。ほとんど動かず動きも緩慢だが、生きている人間を見つけた時や、SCP-049が命じた場合は即座に襲いかかる。
もしかしなくても:ゾンビ
これらに対し、SCP-049は「治療された」と表現しており、おおむね満足な様子。
医療とは一体……
来歴
SCP-049は、フランス南部・モントーバンで発生していた連続失踪事件の調査中に発見された。
踏み込んだ先で複数の「治療された患者」と遭遇した法執行機関がドンパチやっている最中、SCP-049は交戦を眺めながら自身の所有する日誌に記録をつけていたという。その後患者が全滅すると、自ら進んで財団に確保・収容・保護されたのである。
あくまで善意として、そして医師の使命として「悪疫」に当たり、人々を救済していると主張するSCP-049。
しかしその崇高な理念は、インタビューと実験を通じて存在を見極めようとした一人の財団職員に、取り返しのつかない悲劇をもたらしてしまう……
他SCPとの関連
SCP-049は一回脱走をしたことがあり、5分間逃走をした後、他のSCPと接触した。
検閲されているが"くそったれの仮面"と書かれていることからSCP-035と予想される。
捕獲した際、SCP-049は非常に穏やかで愛想の良い状態になり、手術中におしゃべりになった。接触したSCP-035と「会話」した影響と見られる。
しかしその後記事が改定され、上述の記述は削除されている。
詳しい解説は「SCP財団日本支部の該当記事」へ。
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