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SCP-1983

えすしーぴーいちきゅうはちさん

SCP-1983とは、怪奇創作サイト「SCP Foundation」に登場するオブジェクト(怪異)の一つ。
目次 [非表示]

彼こそが真の”銀の弾丸(シルバーバレット)”だった。






概要編集


アイテム番号:SCP-1983

オブジェクトクラス:Keter


SCP財団が管理するSCPオブジェクトの一つ。

通称「先の無い扉(Doorway to Nowhere)」。


アメリカのワイオミング州に存在する、現在は廃屋と化している平屋の農家(SCP-1983-1)と、その廃屋の中から出現する人型の影のような怪物(SCP-1983-2)の総称。


SCP-1983-1は1968年には廃屋と化していたが、それ以前はカルト教団による「儀式」と称された連続殺人が行われていた曰く付きの物件。

「儀式」の影響なのかどうかはわからないが、正面玄関を開いたその先は異空間と化しており、謎の熱源はあるものの光や物質が出てくる事は無い。

ただ一つの例外が、SCP-1983-2である。


また、図面上は存在するはずの「居間」が存在せず、居間に繋がる扉は全て異空間を通じて別の場所に繋がっている。居間に通じるように壁に穴を空けても、その穴から先が異空間化してしまう。

また、侵入した人間が玄関などから外に出ると、そのまま溶けて消えてしまう。そして異空間内にはSCP-1983-2が徘徊しており、襲われればまず助からない。

つまり、この廃屋に入れば二度と生きて外に出る事はできない。


SCP-1983-2はSCP-1983-1内部に「」を作っている異常実体。

1.8mほどの背丈で二足歩行。全身が黒く、全体的に人間に似ている。非常に敵対的で、人間を発見するとすぐさま襲い掛かる。

何らかの手段で外傷を与えずに人間の体内に手を突っ込み、そのまま心臓を抜き取って殺害。抜き取った心臓は「巣」に持ち帰り、自らの同胞を増やすための材料として利用している。


恐ろしい事に、場合によってはSCP-1983-1の異空間から外部(こちら側)へ侵攻してくる。しかも厄介な事に物理的な攻撃はほとんど通用しない

だが「祈りを込めたの弾丸」のみ効果があり、これが現状SCP-1983-2に対しての唯一の対処法となる。

この「祈り」については宗教的・形式的なものではなく、あくまで「心を込めた祈り」である事が重要。撃破に成功した場合、小さな硫黄の塊をその場に残して蒸発する。


SCP-1983-1の異常性やSCP-1983-2の危険性から、調査は難航を極めた。

財団は内部を調査するために2度機動部隊を突入させたが、どちらの部隊も誰一人として帰ってこなかった。

そこで作戦を変更。有線カメラを持たせたDクラス職員(D-14134)を突入させるが、彼が突入すると同時にカメラのケーブルは切断され、そのまま彼も異空間に消えてしまった。もはや財団にも手の施しようが無く、一から作戦の練り直しになると思われたのだが……




D-14134が異空間に消えて数時間後、突然SCP-1983-1の異常性が消失した。




普通の廃屋に戻ったSCP-1983-1の内部を調査した財団は、変わり果てた姿となった数名のエージェントの遺体と、後に「文書1983-15」と呼ばれる非公式のレポートを発見する。


文書1983-15は、先の調査でSCP-1983-1に侵入したエージェント・バークレーが書き残したもの。

そこには彼が自分の目で確認したSCP-1983-1の内部構造の秘密と、SCP-1983-2の大まかな生態、その上で考察したSCP-1983に対しての対処法、そして書いた時点での自分の状況などが克明に記されていた。

財団はこれを入手したD-14134がその書面のアドバイスに従って行動し、遂にはSCP-1983の「心臓」を破壊、SCP-1983そのものの無力化に成功したと推測している。


残念ながらD-14134は帰ってこなかったが、Keter級の脅威の無力化という功績は大きく評価され、彼の死には勲章が授けられた。

基本的に使い捨て同然の扱いであるDクラス職員に勲章が授与されるのは異例中の異例であり、財団史上たったの2人しかいない。


なお、文書1983-15の内容からすると、SCP-1983と同様の現象がまだ残存している可能性も考えられる。そして財団は、類似する事案の調査に新たな人員を充てる事とした。


余談編集

文書1983-15を締めくくる一文「Good luck. Morituri te salutant.」はSCP財団屈指の名言としてファンの間では有名。


この「Morituri te salutant.」とは、古代ローマの剣闘試合で、殺すか殺されるか、死の運命にある剣闘士達から、闘技会を主催する皇帝へ向けた挨拶である。

日本版では当初「幸運を。死にゆく貴方に敬礼を。」と訳されていたが、現在は「幸運を。死にゆく者より敬礼を。」と訳されている。

(原典である剣闘士の挨拶は「死にゆく者より、あなたに敬意を表します」という意)



関連タグ編集

SCP_Foundation

SCP-213-JP - Dクラスが大活躍した一件の一つ。正確には現在も活躍中と思われる。

SCP-544-JP - 同じくDクラスの武勇伝の一つ。ある意味で彼の「償い」の物語。

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