おいでよ_魔法少女村(不法占拠)
おいでよまほうしょうじょむら
概要
元は2023年の1月に作者であるギンガム氏がTwitterで投稿した「魔法少女」「魔法少女村」がシリーズ化したもの。
ひょんなことから魔法少女になった会社員の苫小牧とその他魔法少女たちとの新生活が始まる。
登場人物
魔法少女一覧
個体名はなぜか北海道の地名で統一されている。例外である晴耕は、北海道札幌市に本社を置くコンビニエンスストアチェーン「セイコーマート」から来ているのではないかと思われる(ただし「晴耕」という言葉自体は単語として存在し、セイコーマートの名前の由来は異なる)。
ギンガム氏の作風として、低頭身モードではふくらみもくびれもほとんど省略されているが、作中に登場する魔法少女はどの個体も大柄かつ長身、スタイル抜群という強烈な体つきをしており、衣装デザインもかなり際どいものになっている。
苫小牧(とまこまい)
ピンク色のツインテールにノースリーブセーラー襟の、まどマギなどの魔法少女系アニメを彷彿とさせる衣装。作中で最初に登場した個体。変身当初の年齢は43歳。
変身解除が出来ない魔法少女達の中で、唯一変身前の姿が確認できる。
元は43歳の若干頭が禿げた肥満気味の中年男性だが、社長に脅される形で変身させられた。
社内で苛烈なパワハラを受けている描写が回想で描かれており、変身した直後に社長および職場にいた人間を多数殺害(後に105人と判明)。その後、行き場を失っていたところ根室に出逢い酒を呑み交わした末に魔法少女村に連れられ、住むことになる。
変身して間もないこともあり他の魔法少女と比べるまでもなく人間としての良心が残っているが、人助けしても罵られるなどそれ故に苦しむ事も。存命の母を一人にしてしまうことが心残りになっている。カップ焼きそばに温玉とマヨネーズを混ぜるなど、ジャンクな食事シーンがチラホラ見られるが、咀嚼音が明らかにおかしな音になる上に、異常にうるさい。
元が現代の人間だったことからパソコン関係の知識を持っており、白老への対処の際には村に配信環境を準備し、食事の様子を配信した。
暴れ出した魔法少女と「戦闘」(ただし内容は話し合いやババ抜きなど穏便)する機会が多く、戦闘後は戦闘相手にジャンク飯のドカ食いを披露するのが通例になっている。圧倒的経験不足もあり戦闘には慣れておらず、小樽戦ではアッサリと敗北した(しかも、明確な戦闘シーンも無し)。
魔法は主に蝶を扱ったものを使う。それにより落下中の物体の落下速度を弱めたり、傷の治癒や他の魔法少女の再生の補助などを行うことができる。
根室(ねむろ)
黒髪+後ろ頭にリボンとカジュアルな格好でプリキュアに出てきそうな衣装をした魔法少女。陽気でほぼ常に笑顔を浮かべており、魔法少女になったばかりの苫小牧を「魔法少女村(不法占拠)」に誘ったり、おでん屋台をおごったりと面倒見が良い。
年齢は途中から覚えていないそう。劇中では「120?」と言っている。80くらいまでめそめそしていたらしい。
人類には友好的に見えるが、ギンガム氏が公開した表においてはちょうど中央(=友好、敵対、安全、危険のいずれでもない)に位置付けられている。街から人が消えるぐらい殺戮したらしい。
対魔庁への反魔法少女デモに混じって対魔庁をからかいにやってくることがある。
晴耕(せいこう)
「魔法少女村(不法占拠)」を作ったリーダー(村長)的な存在でアル中。
格好は『ストリートファイターII』に登場するキャミィに似ている。現在では常時酩酊しており、魔法少女の不老不死に諦念して飲んだくれるだけの陽気な酔っ払いにしか見えないが、誰かを殺したことはなく(傷つけた人間はたくさんいるらしい)、神奈川からは人類に対し友好的かつ安全な数少ない魔法少女として頼りにされている。(本人も「俺は裏切らねえよ、小僧」と一緒に酒を飲んで酩酊状態の神奈川に語っている。)
後述する釧路曰く、かつては希望を見出さんと恥辱に耐え百数十年尽力し、さらに「元凶の人間共」と手を組んで魔法少女を永劫の檻から解き放たんと七十年も日夜奔走していたとのこと(結局ダメだったが)。その経歴のためか釧路を始めとした魔法少女らから敬意を払われている。
あまり外へ出ていないが、これは本人曰く「酒が「飲んで」と言ってくる為に腰を据えて酒と付き合っている」からだそう。(釧路が甲斐甲斐しく世話を焼いているせいでもあるが)無理矢理外に出そうとした際にはかなり嫌がっていた。
年齢は270まで数えていたが、以降は数えていない模様。
釧路(くしろ)
黒髪ロングにバニースーツ、猫耳型のカチューシャが特徴の魔法少女。
古めかしい言い回しを多用し、甲斐甲斐しく晴耕の世話を焼いている。元ラーメン屋であり、用意した替え玉を頼まれなかったりラーメンを残されたことから「自分にはラーメン作りの才能はなかったようだ」とこぼしていた。しかし釧路のラーメンはいわゆる二郎系、それも量がマシマシ超えの域の圧倒的な量だったことが原因と思われ、味は晴耕から絶賛されている。
目上の魔法少女には「殿」付けで敬語を使って接する礼儀正しい性格で、特に長年側近兼世話係として長年仕えている晴耕に忠実であり、村内で起きた魔法少女同士の諍いを諫めるなど常識人だが、意外と短気で気難しい一面も併せ持っており、冗談も余り好まない。おイタを働いた同期以下の魔法少女は容赦なく制裁するが、目上には基本的に逆らわない。
また、晴耕への敬愛振りが常軌を逸しており、とにかく彼の世話を甲斐甲斐しく焼いては、引き篭もりの件も含めて晴耕に対する批判から徹底的に庇い立て甘やかしているため、彼の引き篭もりを助長している。「自分こそが晴耕の『一番』」という謎の自負があり、晴耕が他の魔法少女を褒めると嫉妬して自棄酒に走ることもある。晴耕絡みで暴走したりポンコツに成り下がると、助言や諫めをよく行う函館が「釧路は…まあいい」と諦め、凶暴になり話も通じないので他の魔法少女たちも匙を投げるが、旭川には容赦なく殴り飛ばされ制裁された。
反面、晴耕とは対照的な、“人類に敵対的かつ危険な魔法少女”の筆頭であり、人類が魔法少女により滅亡しかけた2回のうち、2回目の元凶。その原因は上述のように晴耕の苦労の甲斐無く魔法少女が救われなかったことへの怒りからであり、現在も人間虐殺の記憶がトラウマとして忘れられない模様。魔法少女だと知らずに釧路の容姿をからかったDQNが殺されかけており、人類に敵対的な魔法少女を刺激することが些細でも如何に危険かを物語る。
年齢は本人曰く「晴耕殿よりは下」。家族に妻と二人の娘がいたと言う。
網走(あばしり)
白髪ロングに白の長ランと緋袴?の上下を身に着けた魔法少女。喫煙者。晴耕を「晴ちゃん」、釧路を「くっしー」と呼んでいる。
長ランの下はマイクロビキニ&ふんどしとかなりの薄着で、袴は股の部分に大きなスリットが入っている。また、左目が前髪で隠れていて下向きのランドルト環がついている。
激高することの多い魔法少女の中では珍しくダウナーな言動。激高した釧路を「晴ちゃんが悲しむ」と止めるストッパーではあるが、飛び降り自殺を図る人間を突き落としたり、釧路を嘲笑した男たちに淡々と苛烈な制裁内容を告げるなど、殺傷行為に否定的というわけではない。むしろ表の位置的には釧路に次ぐ人類に敵対的かつ危険な魔法少女のようである。
年齢は忘れてしまったらしいが少なくとも晴耕よりは年下とのこと。
旭川(あさひかわ)
ツートンカラーのロングヘアが特徴の、村外で活動している魔法少女。
「鮪で野球チームを作る」と言う意味不明な目的のために半年近く人間の子供である三重とともに放浪していたが、予算も計画性も無く行き詰まっていた。空腹を訴えた三重とともに弟子屈が居座るファミレスを訪れた。広島弁。
常に不機嫌そうに怒鳴り散らしており、脈絡なく魔法で岩を破壊したり、進路上にいる人間を障害物扱いして殴り倒したり、知り合いの魔法少女には「金貸せ」と凄みながら迫る危険人物(手加減しているのかその際に死者は出ていない)だが、意外にも人間には友好的な方。晴耕とは協力して宗谷と戦うなどかなり長い付き合いのようで、釧路が晴耕に対するのと同様に「殿」をつけて敬語で接していたことから、魔法少女としても相応の古株である様子がうかがえる。
また、一瞬のみ垣間見えた過去の記憶と思しきシーンでは、着物を着た何者かから「アニキ」と呼ばれていたようで、意識しているか定かではないが、つきまとってくる三重を追い払わずになんだかんだ世話を焼いているのも、その人物に重ね合わせている模様。
弟子屈からは「旭川(おやぶん)さん」と呼ばれている。
名前以外のプロフィールは全て「黙れっ!!!」で埋められている為全く不明。
43話にて好物はイカ天であることが判明した。
また、同話で我流喧嘩魔法「次元ずらし」を使用し、八雲の攻撃を無効化した。後述の宗谷の魔法を36回無効化し、人類を最も救った魔法少女とされている。
弟子屈(てしかが)
ボンデージメイド服風の衣装の魔法少女。
「パトロール」と称して24時間体制でファミレスに居座っている(旭川と違って他の魔法少女とも交流があることが確認されている)。店長曰く、居座るようになってから1年が経過しているらしい。
笑みを絶やさず性格も穏やかだが、台詞の終わりには笑顔のまま「なんか言ったか?」「身の丈にあった振る舞いをしろや」「遺言にしちゃぁおもしれぇ冗談だ」など、荒っぽい口調での一言が急に飛び出す。
大好物はフライドポテト(ポテトちゃん)なのだが、あまりにも好きすぎてファミレスにポテトちゃんのお墓を作ろうとしたり、ポテトちゃん畑を作ったりとやりたい放題。笑顔が怖い。
怖がられているものの、ファミレスに来た迷惑客への制裁をクレカ限度額まで奢らせようとするだけに留める、上記のファミレス改造に対して店長が理詰めで拒否すれば納得してくれるなど、ポテトちゃんをゴリ押しする言動に反して理性的(?)で、人類に対しては友好的かつ安全な方。
その台詞のインパクトもあって読者から人気が高いのか、度々一枚絵が描かれている。苫小牧との顔合わせの際、ポテトちゃんをピザに挟んで食した彼の事を一目置く描写が見られた。
白老(しらおい)
横縞のボディスーツ?包帯?で、常に右目を閉じている魔法少女。
人類に対しては敵対的だが、他の魔法少女に対しては仲間意識や一定の道義も持ち合わせている。
インターネット上に潜み、画面から画面に移動するようなサイバーなことができるようで、本人も趣味・特技として「ネットサーフィン」「パソコン」を挙げている。劇中では動画撮影のために魔法少女村を訪問した『正論ボーイズ』に手を下している。
静かに過ごすことを望んでいたが、魔法少女村に突撃する動画を受け、人間を雑音と見なして滅ぼそうとする。が、苫小牧たちの働き(苫小牧の食事の生配信)で、怒りの矛先が人類から苫小牧の異常にうるさい咀嚼音へ変わったことで人類殲滅の気力が失せ、沈静化する。
基本的には天然っぽい性格らしい。食べることが好きだが、流石に苫小牧のジャンク飯と咀嚼音には苛立ちをむき出しにしており、その度に根室たちから制止されている。また、発明好きなのか様々なものを工作するが、全て例外なく使用すると爆発する。
沈静化後も人間嫌いは変わっておらず、機会さえあればすぐに人類を滅ぼそうとする。が、苫小牧から友達として説得されればすんなりと殲滅を取りやめるためか、「人類には敵対的だが、どちらかといえば安全」という稀有な立場にある。
名寄(なよろ)
マリオが着そうなオーバーオールを身に着けた魔法少女でギザ歯・・・というより鮫歯が特徴。カニバリスト。他の魔法少女以上に大柄で屈強な体格の持ち主で、胸の大きさも超ド級。人里離れた山に住んでいたが、もちろん不法滞在。
人間好き。好き過ぎて食べたいほど大好き。「人間の食料問題を解決してやりたい。自分が罪人を食えば食い扶持が減り、自分も満足で一石二鳥」という理屈で、不法投棄や死体遺棄や密猟に来た人間を食しているらしい。
自身の食人趣味と「罪人が全ていなくなろうと人間は己を律する事が出来ない生き物だから」とそれを正当化する理屈については自分本位だと理解はしているものの、それを指摘されると「なにを当たり前のことをっ!!」と激怒。決闘と称して料理対決を申し込む。山暮らしが長かった為か出されたパック寿司の味に感動し、勝負にもならずそのまま敗北。
普段の能天気でフレンドリーな振る舞いとは裏腹に短気かつ好戦的な一面もあるようで、小樽との対決では一撃食らっただけでブチ切れ、魔法少女の中では初めて魔乗体を晒した(ただし、本気まで出すには至らなかったようで、元々の実力差も祟って直ぐに撃破された)。
苫小牧との料理対決に敗れたことで、彼を気に入り今度は屋台のちくわドッグに舌鼓。食人は止めると約束したものの、己を律せず彼が見ていないところでたびたび約束の抜け穴をついて人肉を食べようとしている。また、村に移住してからは白老とよく行動を共にしており、ほとんどノリと勢いだけでトンチキな遊びや意地の張り合いをやったり、他の魔法少女にちょっかいをかけては(主な被害者は小樽)痛い目に遭わされたりしている。
魔法少女に変身する前から殺人を犯していることや、カニバリズムの一環として家族をも食べたことが示唆されている。
宗谷(そうや)
現時点で名前のみしか語られていない魔法少女。晴耕によると「今まで戦って一番強かった」と言われるほどの相手で、旭川と二人がかりでやっとらしく、「国がいくつかと大陸の何割かが海に沈んじゃった」とのことで決着は裸相撲でつけた。
絶滅魔法「廻天」を使用するが、名前からして人類の脅威であることは間違いない。
その他、魔法少女らの言及からも人類に対して恐ろしく敵対的であることがうかがえる。
桜子(と呼ばれている個体、正式名称不明)
黒髪ロングに白い着物と赤い袴の巫女服のような衣装の魔法少女?で髪には複数のお札が張られている。常に口を大きく開いた笑顔を浮かべている。台詞が一切なく、プロフィールも名前を含めて全て空白。
「飯処 春子」という小さな食堂でおばあちゃんと共に料理を作っているようで、彼女からは「桜子」と呼ばれている。「桜子」はおばあちゃんの息子の嫁の名前だが、この個体の名前ではない。
基本的に厨房に籠っているが、迷惑行為をする客には容赦がない。同席していても、問題を起こさなかった客には、記憶(認知?)の改ざんを行い、その日のおすすめを注文させている描写がある。
酒を飲むと踊る。
特売の日にはスーパーにも現れるらしく、地の文では「存在に「気付く」とマズい事になる」とされる。現状、唯一他の魔法少女との接点が存在していない個体。
…なお、その正体や他の魔法少女たちとの関くぁwせdrftgyふじこlp
知らなくていい。
何 も す る な 。 何 も 望 む な 。
函館(はこだて)
やや暗いピンク色の髪に魔法少女風の襟と手袋・スカートのみを身に着けているが目の中に多数の瞳が入っている恐ろしげな見た目の魔法少女。常に宙に浮いている。デカ女揃いの魔法少女の中では珍しく、小柄でプロポーションも慎ましやか。
突如海中から出現し、咆哮を発し「惑星断ち断ち祭り」を敢行しようとした。
網走曰く「50年程前にも出現し、この星を割ろうとした。」「放っておくとニ~三分で真っ二つ」とのこと。白老も「えらいこっちゃやで!」と叫んでいた(その割に二人とも止めようとせず呑気におにぎりを食べ始めるなどしていたので脅威のほどは不明であるが、祭りを止めた苫小牧が晴耕に褒められているところ見ると、ある程度は本当に驚異的なのだと思われる)。
恐ろし気な見た目だが実際は理性的で、苫小牧に「星を割るのをやめてほしい」といわれて「いいぞ」と二つ返事でやめてしまうなど、きちんと話せば分かってくれる。ただし、「惑星断ち断ち祭り」が凄まじい寝起きの悪さによって引き起こされるものだったり、「放浪上戸」故に酒に酔うと行方不明になる(早い話が「酒に酔う→どこかに放浪して行方不明になる→酔い潰れて寝る→検討もつかない場所やタイミングで惑星断ち断ち」という、単純に酔うだけでも恐ろしい事態になる)など、魔法少女らしい危険性やアレさ加減もきちんと備えている。先述のことは本人も自覚があるようで、酒を勧められても断っている。
魔法少女としては最年長・最古の存在であり、晴耕ら数百歳の古株からも「さん」付けで呼ばれり、魔法少女の歴史についても熟知した生き字引にしてご意見番。
また、魔法少女たちの未来を案じており、本人のプロフィール欄の望みの部分には「これ以上我らが増えないこと」と書いている他、苫小牧のジャンク飯と咀嚼音に対して不快に感じるどころか「子孫たちは飢えていないのだな」と安心する姿を見せている。
最古というだけあって現代人とのジェネレーションギャップが大きいようで、カップ焼きそばの手軽さに驚いていたり、バイキング(食べ放題のこと)を海賊と勘違いして「略奪にでも行ったのか?」と質問したりしている。
千歳(ちとせ)
金髪ロングで頭の上に割れた天使の輪を浮かべ星の入った瞳を持ち、胸までは修道女風の服装になっているが胸より下が非常に網目の粗いタイツを着用している魔法少女。股間には前張りを×印の形にしてつけている。
様々な発明を得意とするが、大部分の発明でその製造の過程に人間の生命力を利用しているため非常に危険な存在。おまけに燃費も悪く、下記の枕は寿命1年につき1秒しか眠れない代物であった。
潰れてしまった寝具店を拠点とし、『人間から吸い取った寿命で魔法少女に眠りをもたらす枕』を錬成し一般家庭にばら撒き、多数を殺害した。
最終的に人間を栽培する工場を建設し、そこで産まれた新生児からガンガン寿命を吸い取り全ての魔法少女に眠りという疑似的な死を与えると画策するが、止めに来た苫小牧に自らババ抜き勝負を挑みあっさり敗北。
それ以降も発明品は色々出しているものの、その制作に人間の命をどれだけ使ったかに関しては苫小牧には内緒にしている。
なお頭上の割れた天使の輪にはいろいろなものを収容できるらしく、後述の小樽の件が解決したどさくさに紛れて一万人ほど拉致してその中に収納していた。なお、その際には収容した人数が多すぎたために天使の輪が肥大化しており、所業がばれた際に仕方なく収容した人間を戻した際には元の大きさに戻っている。
プロフィールでは嘘をついている。
由仁(ゆに)
黒目と白目が反転した目と両肩に縫い付けられた巨大な異形の両腕を持ち、黒髪ロングで、胸にサラシを巻いたバンカラ風のいでたちをした魔法少女。
両腕を媒体として空間を操作する魔法を使う。触れた対象を海外など遠く離れた場所に飛ばすと言う応用も出来るが、座標の調節などがほぼ感覚任せなので下手をすると建物や物質の中に転移させられる場合も(事前に嫌がっていた千歳は地中深くに飛ばされ「お土産買ってあげない!」と怒り心頭で脱出)。
美術館に展示されていた由仁にとって大切な絵である『見上げる永遠』を反魔法少女団体「星を守る会」のメンバーによって汚されたため、報復として「星を守る会」のメンバー全員を殺害した。
事態の収拾に晴耕が苫小牧・根室・白老を向かわせたが、閉鎖空間に閉じ込められ分断された苫小牧があっさり無力化。その後残った白老たちにおとなしく引き下がるよう通告するが、これに対し白老が交換条件として人間を皆殺しにすると宣言。この交渉に応じて苫小牧の封印された絵を返却するも苫小牧の説得により白老が人間皆殺しを撤回。
これに激怒した由仁は根室を難なく無力化したうえ、白老に対して「心変わりが早すぎる」と言った。これがきっかけで白老の怒りを買うハメになり争いになるものの、お互いに争うことが虚しくなり和解した。
荒々しい外見に反して人類に対しては比較的友好的な魔法少女である。
猿払(さるふつ)
厚めの唇と黒い長髪に黒いグローブと丈の長いセーラー服を着込んだ長身の魔法少女。
一切の言葉を発さず、常に目を大きく見開いて微笑を浮かべているため、不気味な雰囲気を醸し出している。顔面凶器。
武器として匕首(タントウ)を携帯している。これは魔法少女の頑強な肉体にも効く代物で、傷つけられた相手は嫌な気分を味わうという効果がある(現に匕首で刺された苫小牧は、焼きそばの湯切りに失敗して中身をぶち撒けると言うイメージを想像して、「凄く嫌な気分」と溢している)また、素手でも千歳を一方的に叩きのめせる戦闘能力の持ち主。
不気味な印象に反し、実際は晴耕に次ぐレベルの穏健派。名寄が人間のミンチ肉を欲しがった際には叩いて窘め、ある一国の危機では人間を避難させている。ただし苫小牧が適当な英語で話しかけた時は挑発と受け取ったのか即座に攻撃を仕掛けた。その事でたまたま目撃してしまった千歳と戦闘となっている。
魔法少女の絶望や諦めじみた在り方を否定して立ち向かう信念を持つなど総じて見た目に反して真っ当な人物。言葉を一切発しないのは実は喋れないから。
ちなみに好物はいくら丼。但しストップが言えないのでエンドレスに盛られる。苫小牧の暴食に対しては驚愕して落涙する意外なリアクションを見せた。
小樽(おたる)
頭部に鬼の様な2本の角がある和服の魔法少女。
名寄のミンチ肉計画に同意して2千万人分を作ろうとして魔法でとある国の空気濃度を5%以下に変え虐殺しようとした(それに対し、名寄と猿払はその国の人間達と動物を避難させており、それが一国の人間が消失した事件の発端であった)。
『遊ぶ』事が何よりも大好きであり、初登場時には猿払と無限かくれんぼなる遊びで遊んでいた模様。
人類に対してのスタンスは中立だが、前述の通り『遊ぶ』ことが何よりも大好きであり最優先のため、そこに介在する人類等の被害については一顧だにしない非常に危険な存在。
戦闘力もかなりのもので『魔乗体』へと変身した名寄を(手加減していたとは言え)通常の状態で片腕と顔の半分を欠損しながらも撃破し、猿仏とも互角に渡り合う。
とはいえさすがに多人数の魔法少女の相手は困難らしく、苫小牧ら4人で押さえつけた際には普通に鎮圧された。
帯広(おびひろ)
描き直し版で登場した左目の下に泣きぼくろがあり女神のような格好をした魔法少女。自称「おそらく愛の放浪者」。常に涙を流している。
リュートを持ち歩いており、歌を披露することもあるが、初登場時のタイトル「村の吟遊詩人(笑)」が示すように、楽器を弾けば明らかにおかしな音が鳴り、歌詞の意味も全くの意味不明。普通に喋っても独特の詩的な言い回しのせいでいまいち話が通じ辛い。
「性愛を失ったがケツ好きではありたい」と、釧路のケツに関する歌を送ったが、彼の怒りを買ってボコボコにされる。一緒にリュートも壊され、以後はマラカスを手にしている。
酒に酔うと泣き止み口調も普通になるため、酔っている時の方が話が通じるレベル(「結局のところよぉ…愛とか分かんねぇよ!!」と叫んでいる)。ただし、酒癖がかなり悪く、素面の時とは別ベクトルの厄介者となるため、苫小牧からは苦手意識を持たれている。
八雲(やくも)
トランプのジョーカーめいた格好の魔法少女で、鎌を持ち歩いている。
人助けと称して、不幸な境遇の人が幸せになった瞬間に絶望に突き落とすような目に遭わせるなど非常に悪辣な性格。
その為善良な魔法少女とは敵対関係にあり、戦闘においても周りの人間を巻き込むかのような行為が目立つ。
その他
「対魔庁魔法少女対策室」に所属するオールバックのやつれた顔が特徴の男性。晴耕達との渉外を取り持っている。
連続連勤480日目になったこともあり、その原因が魔法少女関連。激辛好きでカツカレー20辛には物足りなさを感じている。
対策室と言っても「魔法少女村」にて酒浸りの生活を送らせたり、魔法少女行きつけの店に(店主から抗議を受けたりしつつ)魔法少女の飲食の代金を払ったりして、「穏便に過ごさせる」ことを狙った活動くらいしかできていないのが現状。
晴耕から「俺は裏切らねぇよ」と声をかけてもらえるなど、少なくとも神奈川本人は一定以上の信頼関係を築けている模様。どことなく『ポケモンSV』のアオキさんに似ている。
余談ではあるが、本作において初のR-18のファンアートがpixivに投稿された人物である。
「対魔庁魔法少女対策室」の室長を務める初老の男性。室長というほど長く務めたせいかひどく無感動的かつ無関心で、魔法少女たちのもう一つの姿「魔乗」についても宴会芸で見せられている。
旭川が放浪の旅の途中で出会った同行者の子供。
他の人間達とは異なり魔法少女や魔法を恐れている様子がなく、旭川を「アサやん」、弟子屈を「てっしー」と呼ぶ。弟子屈によると「中身が違う」らしい。
ファミレスの店長
弟子屈が居座っているファミレスの店長。作中一の苦労人。
神奈川に弟子屈を立ち退かせるよう頼んだのだが未だに実行されず、寧ろ仲間が何人も来店するようになってきていることにビビっている。店を勝手に改造する弟子屈をどうにか説得している。
辞めたがっているが、弟子屈によって本社社内の9割がジャガイモの海に沈められた事件への恐怖から認められずにいる。三重を従業員としてスカウトしたが全く相手にされなかった。
おでん屋台の親父
根室が通っているおでん屋台の男性。魔法少女を恐れておらず、悪態をつきながらではあるが、おでんとは関係ないものも出してくれる。反魔の抗議デモを受けたが「ちょうど今から魔法少女が来るから追い払ってくれ」と言って追い払い、蜘蛛の子を散らすように逃げたデモ隊を「くだらねぇ」と切り捨てた。
正論ボーイズ
ネットに動画を上げる、いわゆる炎上系YouTuber。
4人で活動していたが、魔法少女村に撮影しに来た際現地で誰かの怒りを買ったのか、はじめに一人居なくなり、さらに配信内容に苛々した白老の手によってボロボロにされまた一人消え、その後引退動画を配信。結局残った二人のうち一人は後に自殺、もう一人(通称「恋マッチョ君」)は精神崩壊して幼児退行を起こし、白老の登場に喜ぶ以外のことは出来なくなってしまった。
晴耕ですらも呆れさせ、動画の事を知らせてきた神奈川に対して「何で、コイツらは怒りを買うような真似を?」「死にたいヤツまで助けられんぞ?」と苦言を溢すほど。それに対し神奈川は「時代と言いますか」と言葉を濁した。
魔法少女教
魔法少女を新たな支配者とあがめ、魔法少女を信仰する宗教団体。普段は反魔法少女団体のデモに対するカウンターデモを行っている。
現在の会員数は数十万人ともいわれているが、その実態は...
魔法少女教の教祖で、自称17歳の美少女。チャイナドレスのような脚に大きなスリットが入った衣装を着ている。眼がピンク色に光り、函館によれば魔法少女でも人間でもないらしい。
魔法少女教の解散に快く応じようとするが…
五六助(ころすけ)
魔法少女教の大神官で、犬吠埼の叔父。魔法少女教を立ち上げた人物。
信者たちを「カス共」と呼んで見下しつつ彼らから金を巻き上げている。一見守銭奴のようであるが、その実は犬吠埼の幸せを第一に考え、彼女の幸せのために自ら下種と自覚しながらも大神官として務め続けるなど深い情愛を持つ男でもある。
神に選ばれし最強の聖騎士団
上記の正論ボーイズ同様の二人組迷惑系YouTuber。若くして成功したのか自称タワマン暮らし。
正論ボーイズ唯一の生き残りである恋マッチョ君を無理矢理連れ出し動画内にて独善的な正義感で彼を侮辱したり煽ったりしたが、彼らもまた白老に雑音と見做され、制裁を受けた。片方は即死だがもう片方は画面外で痛い痛いと繰り返すだけの肉塊と化しているようであった。
自殺未遂者
自宅のマンションから飛び降りようとして騒ぎを引き起こした男性。網走に突き落とされたが、苫小牧の魔法で救われた。本気で自殺しようとしていたわけではなかったようで、落下中は泣き叫びながら助けを求めていた。その後、救われたことに恩義を感じてわざわざ魔法少女村まで苫小牧に感謝を述べに訪れたが、握手を交わした際に力の加減を誤った苫小牧に手を握り潰され、恐怖でその場から逃げ出す。その後、網走に魔法で殺害された。
苫小牧に家族を殺された学生
学ランを来た名もなき男子学生。両親が苫小牧がいた会社で働いていたために103名の犠牲者共々ミンチにされ、その憎しみと絶望から自暴自棄的に苫小牧を襲撃。持参したバットで殴りかかる。が、当然通用せず、介抱に駆け寄った苫小牧を拒絶し家族を理不尽に奪われた遺族として正当な怒りをぶちまけ苫小牧を人殺しと罵り絶望させる。しかし悲しみを癒す、という名目で居合わせた根室に殺されそうになった所を、仇のはずの苫小牧に助けられる。
「赦されることも殺されることもできない、だから貴方は生きることで私を苦しめて欲しい。私は君と君の未来を護るから」
苫小牧もまた苦しんでいる事を知り、自身のと併せて更なる絶望に叩きつけられた彼は、避難させられた交差点で震えながら地に伏せ「殺してくれ」と誰に向けられるでもない想いを絞り出した。
星を守る会
数ある反魔法少女団体の一つ。
かつては数百人も在籍していたが、過激な活動を繰り返しておりそのひとつが由仁の怒りを買う事となり、団員は次々と殺されてついには会長一人だけに。神奈川に助けを求めるが時既に遅し、彼の目の前で無数の手に捻り殺された。
保知大首領(ぽち)
この世界の日本における行政のトップと目される人物。
魔法少女対策税の税率をさらに上げ、その上十公零民を目指して様々な増税を行っており、ほぼすべての国民から憎悪の感情を向けられている。
しかしその実態は何者かに操られてこの決定を下しており、内心では何とか自身が操られていることを気付いてほしいと思うもかなわず、街頭演説中に魔法少女教会員の子供に背後から刺されて重体となる。
後日、その事を新聞に取り上げられるも、SPからは「助ける気がしなかった」、国民全員からは「死ねば良かった」と言われると言う死体蹴りを受けている。
???
正体不明。網走曰く、変身の瞬間に見た「小汚い黒いチビ」。
魔法少女への変身に干渉している存在なのか、あるいは単なる幻覚で実在しないのか。そもそも生物なのか何もかもが不明。
「魔法少女にしてやろう」
用語
- 魔法少女
人間の男性が後述の「魔法少女捨っ木」と呼ばれるアイテムで変身した存在。
現段階では女性が変身した魔法少女の存在は確認されていない。
変身後の体格は変身前の体格にある程度依存しているらしく、元々の体格が食料が少なく十分な体格ではなかった函館が小柄なのに対して元々小太りの体格だった苫小牧はかなり大柄な体格となっている。
また、体重は例外なく300kg程度に達し、筋力も大幅に強化される。
普通の人間とは一線を画したデタラメな力を持つのが特徴。
耐久性は通常の兵器はおろか核弾頭を撃ち込んだとしても無傷(くすぐったい程度らしい)、事実上不老不死になるため自殺もできなくなる。
それに付随して、「疲労しない(疲れた気分になるだけ)」「食事による栄養・カロリー摂取も不要」という性質を持つ。
強い怒りや悲しみなどで感情が昂ると肌の表面にひび割れが生じて恐ろしい形相になる。そしてひび割れた化けの皮が完全に剥れた場合、「魔乗体」と呼ばれるさらに凶悪な怪物と化す。
何故か酒で酩酊して陽気になる。
また、魔法少女の名の通り魔法を使える。その力はとんでもなく、魔法少女同士が魔法で戦うことになれば巻き添えで人類が滅びる可能性があるほど。そのため、対魔法少女戦は武力ではなく「如何に人類殲滅の気力を無くさせるか」が重要になるらしい。
とはいえ取れる手段もあまり多くなく、晴耕のような人類に友好的な個体による説得、怒りの矛先を変える等によって沈静化を図る、酒や嗜好品(フライドポテト等)を提供して気分良くなってもらう事でそもそも人類殲滅を考えさせない、といった消極的な方法しかない。現状、数に物を言わせた制圧・無力化戦術が一番効果的と言わざるを得ない。
変身に至った境遇によるものなのか人類に敵対的な個体が存在し、そうでなかったとしても既に人間を殺めてしまっている個体が多い(実際、魔法少女になった直後の苫小牧は半ば錯乱状態で社長は勿論その他会社内に居合わせた人間を無差別殺害している)。
そして最も救いがたいことが、一度魔法少女に変身すると二度と元の姿に戻れないことである。釧路いわく、「匙一杯のクリームを珈琲に入れて攪拌し、また匙でクリームだけを取り出してみろ」というぐらい不可能なのだという。
また、服装についてもほかの衣装を受け付けなくなるため固定となる。魔法で一時的に他の衣装に変化させることは一応は可能だが長くはもたない。
唯一の救いは個体が少ないことで、なりたての苫小牧と根室の年齢差を考えると50年~100年単位で一人生まれるといった具合と思われる(一部の若者が魔法少女に対しての恐怖が薄いところからもそれが裏付ける)。作中で、対魔庁魔法少女対策室による確認が明言されているのは24人。魔法少女村の外で活動していることを、対策室が把握していない個体もいる。
世間では魔法少女はかなりの危険分子として恐れられており、魔法少女の排斥を目指す反魔法少女団体(通称「反魔」)による抗議デモも行われている(だが魔法少女本人ではなく対魔庁や関わっている者に対してであり、魔法少女本人がやってくると一目散に逃げだす始末で、彼らから呆れられている)。
更には魔法少女を信仰する「魔法少女教」なるカウンターデモ団体まで現れてカオス状態になっている。
- 魔法捨っ木(すてっき)
魔法少女を生み出した元凶のアイテム。見た目は棒の先端に調味料の空容器を刺した、子供が作ったような見た目だが、製造元や供給元は国家機関の対魔庁ですら把握できていない。使ったら誰でも魔法少女になれるわけではなく、成功率は0.0001%より下、失敗すればフッ化水素酸風呂に入ったように苦しみぬきながら死ぬという恐ろしい代物である。
押収先の民間人によれば「いつの間にか手元にあった」と証言し、しかも危険性は分かっていたはずなのに通報するという考えには至らなかったとのこと。更には、この民間人は製紙会社の社長で虫も殺せないような性格だったのだが、社員を恫喝して無理やり使わせ、苦しむ姿を見るのが気持ちよかったと証言していることから、手にした人間の性格を豹変してしまう効果があると考えられる。(このことから苫小牧に無理やり捨っ木を使わせた社長も、普段からパワハラはすれどここまで凶暴な性格ではなかった可能性も考えられる。)
なお特に捨っ木が無ければ魔法が使えないというわけではなく、あくまで変身アイテムとして活用される。
- 魔法少女村(不法占拠)
文字通り不法占拠で作られたテント村で魔法少女の多くがここを根城にしている(例外の個体もいる)。劇中に登場している村は晴耕が村長を務めている村で全室喫煙可、直焚き火可とのこと。また必要も無いのだが風呂場とトイレが暇潰しで作られた。
一般人でも出入り自体は自由のようだが生きて帰れる保証はない。しかも大半が村にはいないとの供述。
- 魔法人間
人間の身体に魔法を練り込まれたことでその人間が一つの魔法になったとされ、呪われ人・使い魔とも呼ばれている。
ある人物は自らには絶対の幸福、不幸は周りに転嫁させる魔法を掛けられており擬似的な不死と化していた。
元の人間に戻すのは難しく、唯一の方法はその魔法をかけた魔法少女本人に頼むしかない。