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一年の詩〜吹奏楽のためのの編集履歴

2024-08-16 21:04:16 バージョン

一年の詩〜吹奏楽のための

ひととせのうたすいそうがくのための

戸川ヒデアキ(松田彬人)作曲の吹奏楽オリジナル曲。

概要

一年の詩 ~吹奏楽のための(Song of One Year)とは、松田彬人(作曲者名義は戸川ヒデアキ)の作曲による吹奏楽曲。

2024年4月から同年6月にかけて放送されたTVアニメ『響け!ユーフォニアム3』のために特別に書き下ろされた曲であり、作中では物語の舞台である北宇治高校吹奏楽部のコンクール自由曲として登場している。

曲の設定として、作曲者(戸川ヒデアキ)が父親とともに過ごした一年間の思い出から着想を得て書かれているいうものがあり、春夏秋冬にまつわる題名を冠した4つの楽章(主題)で構成されているのが特徴となっている。演奏時間については約6分。

フルスコア(総譜)は、2024年7月31日に発売された『響け!ユーフォニアム3』のオリジナルサウンドトラックの初回限定特典として同梱されている。


曲のコンセプト(主軸)である「作曲者とその父親との一年間の思い出」とは、作曲者である戸川ヒデアキの父親が亡くなった際に、作曲者がその直前の一年を振り返って描いたというものである。また、曲を構成する各章についても、春夏秋冬のそれぞれの季節になぞらえた主題が物語性のある展開のもとに描かれており、曲全体を通した壮大さのなかに身近な悲しさや儚(はかな)げな美しさなどを見て取ることができる。

春夏秋冬のそれぞれの季節ごとに抱く想い、そしてその先にある未来をしたためたこの曲は、北宇治高校吹奏楽部の部員たちの意気込みを乗せて、吹奏楽コンクールの晴れ舞台で奏でられることになる。


曲の構成

第一楽章『春、新たなる息吹』

うちの近くのきれいな景色2話


♩=60 4分の3拍子

クラリネットの独奏による澄んだ旋律が静寂のなかに満ち、その背後からフルートオーボエといった木管楽器群がゆったりと寄り添う。冒頭から紡(つむ)がれる木管楽器のアンサンブルが余韻たっぷりに結ばれると、フォルテで奏されるトランペットのファンファーレとチューブラーベルの打ち鳴らしが一年の始まりを温かに祝福する。

音楽はそののち、コントラバスの爪弾きに彩られたオーボエとフルートのゆったりとしたかけ合いや、ウッドブロックとホルンらによるおどけたやり取りなど、華々しさと緩やかを交互に見せながら進展していく。そして、トランペットの号音と鮮やかなサックスアンサンブルを端緒(たんちょ)として静まり返った曲は、クラリネットの緩やかな盛り上がりを起点として次第に加速(accelerando)していき、次の楽章へと突入する。


第二楽章『夏、栄光の謳歌』

宇治川沿いの通学路響け!


♩=152 4分の2拍子

シンコペーションと3連符を活かした鮮烈なファンファーレで幕を開けたセクションは、下降とともにテンションを落としたのち、クラリネットによる流麗な主題を迎え入れる。小気味いい刻みを伴ったそのテーマは、トランペットや木管高音群など次々と主役を移し替えていき、華やかな展開の随所にトロンボーンチューバなどによるエネルギッシュな合いの手を挟んでいく。

力強さと奔放(ほんぽう)さを感じさせるアップテンポの音楽は、その盛り上がりの末に調性を変ホ長調(B♭ major)へとまとめ、ハープの柔らかな爪弾きとともに終息を見せる。そのmeno mossoの雰囲気のなかで、コントラバスの低いうなりが顔をのぞかせ、次章の寂しげな予感を匂わせていく。


第三楽章『秋、宿命の時』

私の好きな道高坂 麗奈


♩=66 4分の4拍子

しっとりとした静けさのなか、トランペットただ一本による独奏が鳴り渡り、そこにユーフォニアムの独奏が寄り添うように重なる。二本の金管楽器による、しびれるような高音と穏やかな中低音の絡み合いは儚げな寂しさをまといながら進展していき、密やかに加わるグロッケンシュピールやクラリネットたちがその悲哀に彩りを添えていく。

トランペットとユーフォニアムによる対話のようなかけ合いが閉じられると、それを受け継いだ木管群のメロディはフォルティシモの昂(たかぶ)りを聴かせていき、そこからの減衰の果てにイ長調(A major)の穏やかな幕引きへと至る。


第四楽章『冬、終焉……そして再び始まる』

宇治の風景と一年の詩


♩=60 4分の3拍子

第三楽章の余韻を受け継いだクラリネットやフルート、ファゴットといった木管楽器群が深々(しんしん)とフレーズを積み重ねていき、そこにハープとグロッケンシュピールがささやかな彩りを加える。冷たい寂しさをまといながら黙々と進んでいく旋律は、その途上で新たな予感を告げる鐘の音を迎え入れ、テナーサックスの動機とともに暖かな未来へ向けて足を踏み出していく。


やがて、ふたたび第一楽章の主題が現れ、これまでの楽章で登場した寂しさや悲しさを内包したまま、新たな始まりの希望を高らかに歌い上げる。木管高音群のきらびやかな連符と金管低音群の重厚な支えに祝福されながら歩みを進める旋律は、クレッシェンドの膨らみとともに最大限のフォルティシモに達すると、すべての楽器が渾然(こんぜん)一体となった盛大なクライマックスを決める。


そして、すべての響きが終息したのち、ただ一本残ったフルートが第一主題の断片を歌い上げ、新たな一年の始まりを予感させながら幕を閉じる。


主な演奏団体(関連動画)

北宇治高等学校吹奏楽部(Kitauji High School Concert Band)/

プログレッシブ!ウインド・オーケストラ(Progressive! Wind Orchestra)


関連タグ

音楽 吹奏楽

響け!ユーフォニアム 響け!ユーフォニアム3

クラリネット トランペット ユーフォニアム

季節 / 四季 春夏秋冬    


三日月の舞 - 堀川奈美恵(松田彬人)作曲の吹奏楽曲。『響け!ユーフォニアム』1年生編のコンクール自由曲。

リズと青い鳥(吹奏楽曲) - 卯田百合子(作曲:松田彬人、編曲:黒田賢一)作曲の吹奏楽曲。『響け!ユーフォニアム』2年生編のコンクール自由曲。


外部リンク


参考文献

  • 武田綾乃『響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章 前編』 株式会社宝島社 2019年5月1日第1刷発行 ISBN 978-4-8002-9399-2
  • 武田綾乃『響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章 後編』 株式会社宝島社 2019年7月6日第1刷発行 ISBN 978-4-8002-9401-2
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