足利尊氏(逃げ上手の若君)
あしかがたかうじ
「誰だ、我を天下へ推し挙げるのは」
プロフィール
武力 | 93 | 蛮性 | 85 |
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知力 | 92 | 忠義 | ? |
政治 | 71 | 混沌 | 97 |
統率 | 98 | 革新 | 95 |
魅力 | 100 | 逃隠 | 91 |
属性:武家棟梁 | 魅力・募兵50%上昇 |
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技能:異次元の求心力 | 従順・忠義・勇敢・文化・獰猛属性の武将忠誠度50%上昇 |
技能:武芸百般(甲) | 剣術・弓術・馬術の複合技能 |
技能:京文化適正(乙) | 詩歌・絵画・演奏の複合技能 |
固有武器:足利家重代薙刀「骨喰」 | 太刀打40%上昇 |
マーキング・パターン | 目花菱に法輪 |
CV | 野澤英義(ジャンプ公式ボイスコミック)/小西克幸(アニメ) |
概要
鎌倉幕府の若き守護神と誉れ高い武士。武勇・教養・家柄・人望と全てを兼ね備え、主君の北条家からの信頼も篤かった。普段の振る舞いも温厚で物腰柔らかく、後に宿敵となる主人公・北条時行も第一話の時点では彼と親しげな様子を見せている。
しかし、どういう理由によるものか、いつの頃からか北条家及び幕府への叛意を抱いており、後醍醐天皇と内通して京の幕府軍を壊滅させ、わずか24日で鎌倉幕府を滅亡させた。
最初に名乗っていた足利高氏の「高」の字は、北条高時より拝領したものだが、北条家滅亡後、後醍醐天皇の諱「尊治」から偏諱を受け「尊氏」と改名した。
多くの武士を従えるカリスマ性を持ちながら、天下取りの野心を感じ取った護良親王邸に単身乗り込み親王配下の手勢を壊滅させる怪物的な強さを見せるほか、「得体のしれない怪物が御仏をくらおう」とする仏画を弟・直義に与えて「兄上は御仏をも道具にしようとしている」と彼を戦慄、恐怖させている。
この時の尊氏はただ『御仏の絵を描いた』という感覚でしかなく、当たり前のように御仏を喰らう対象としか見ていないことが更に底知れない恐れを抱かせている。
松井作品に独特の人間離れした人間、もしくは人間的な人外に当たる存在であるらしく、時行の保護者となった諏訪頼重が味方側の人外(?)であるとした場合、彼は敵側の人外に当たる存在として作られたようで、頼重が後光を光らせるのとは裏腹に、尊氏は瞳の数が増えているという形で人外への変貌を始めている。
京の都で逃若党に襲われたおり、時行のことを知らないような素振りを見せていたが、直後に「君のことを殺さなければならないか」とも沈痛に語っており、時行を見逃すためあえて知らないふりをしていたとも取れる。
尤も上記のような底知れない恐ろしさを秘めているキャラクターなので、相手が時行であると理解した上で情けをかけようとしたが立ち向かう以上は殺さなければならないと覚悟を決めたのか、本当に時行のことを忘れていて刺客である以上は名も知れぬ稚児を殺めねばならないと涙したのかは今のところ解釈の範疇である。
ただ、その後立て続けに起きた暗殺未遂により京の潮目が変わり、関東に巨大なスキができてしまった時は「誰が仕掛けた?」と自問している他、時行を思い出して「あの子供」とモザイク処理が掛かった状態で表現しているため、かつての主君の子である時行としてどころか、先日刺客として襲ってきた見ず知らずの稚児としてですら本気で顔も忘れていた可能性が高い。と、いうよりも最初から顔まで認識できていたかどうかすら怪しく、ナチュラルに人を人と思っておらず理解する気が全くない、人非人の精神を秘めた尊氏の在り方を強く示すエピソードとなっている。
建武2年(1335年)に鎌倉が叛乱軍に襲われ陥落したおりには後醍醐天皇に征夷大将軍就任を願い出て拒絶されたことにより無断で出陣、尊氏の意図をも超えることが起きると示唆されている。
史実
史実の足利尊氏については当該項目を参照。
彼の行動には理解不能な点が多く、敢えて理解しやすく言うならば裏切りを繰り返して天下人になった男である。
鎌倉幕府から後醍醐天皇に寝返って幕府を滅ぼしたことを皮切りに、後醍醐天皇を裏切り北朝を推し立てると、かつてともに鎌倉幕府と戦った楠木正成・新田義貞の二名とも敵対、滅ぼしている。
更には、後に実弟の足利直義と高師直とが対立した際には、結果的に二人を共倒れさせ、南朝に降参した。
しかし、再び南朝を裏切って北朝を推し立て、最期まで南北朝を統一する事なく死亡する。
ここだけ見ると冷酷非道な変節漢にしか見えないが、彼の最大の特異性は、裏切った相手を心から敬愛していた点にある。
後醍醐天皇に対しては、一貫して敬愛の情を示しており、弟の直義に対しても兄弟として心から信頼し、彼の為に命懸けの戦いを繰り広げた。その事は史実にも残っており、また、事あるごとに自害や出家を望むような肝の小ささが史実に何度も出てくる。
しかし、そんな二人に対して、尊氏は対立や裏切り、あるいは見殺しとも言える状況に追い遣っており、戦場においては死ぬかも知れない状況で笑みを浮かべる豪胆さを見せている。
この他にも、状況的に逆転不可としか言えない状況を何度も覆す謎の挙動が数多く記録されている。
以上のように、「稀代の英雄」と「愛すべきヘタレ」が1人の人物の中に同居してるようなナーロッパにいたら大人気になりそうなキャラクターであったらしい。
少なくとも、作品序盤においては、そういう部分が本作ではガン無視されるのか、はたまた反映されるのかもみどころの一つになっている。
その為、本作においては未だに謎に包まれた存在である後醍醐天皇と尊氏とのやり取りが、どのように描写され、それに対して時行の行動や心境がどのように描写されていくことになるのかが、本作の一つの軸となると思われる。
そして・・・※ネタバレ注意!!
うわあああぁぁ もう駄目だ 敗けるぅぅ 無理だよ 直義師直ぉぉ 自害しかないかなぁ?ねえ自害しかないかなぁ?
相模川の戦いで時行率いる北条軍と交戦した際、足利軍の先鋒を討ち取られ、本陣にまで迫られる苦戦を強いられた尊氏は本気で取り乱し、盛大に顔芸をしながらなんと短刀で喉を突いてしまった。
持ち前の強運からか急所は外れたようで、死には至らなかった。(急所に刺さったためしがないと冷静に包帯を用意する師直の様子から似たような事は何度もやっている模様)
その後あっさりと平静を取り戻し、戦う覚悟を決めたところ、諏訪頼重をも上回る後光を発し、カリスマに充てられた北条軍の軍勢の一万騎近くを一斉に降伏させるというとんでもない怪物性を見せ、戦場から逃若党の一人を操るように離脱させた。
同時に鬼名も公開されたが文字に文字を幾つも重ねたような判読が困難なものとなっており、さらに不気味さを増している。
諏訪頼重が言うには、足利家時という男が五十年前、謎の自害を遂げている。
その男は「我から数えて三代後の子に天下をとらせよ」と神に願って腹を切った。
予言された三代後の子こそ尊氏である。
死に際の念は強力であり、尊氏は強い怨念を宿した状態で生まれてきた。
そのせいか、生命力に変換され人に行き渡る神力が、尊氏一人に集中することとなった。
それによって尊氏は、神のごとき求心力と強運を持つに至ったらしい。
その神力は頼重をも超えようとしている。
解放された足利尊氏
★★★★★UR
ステータス
武力 | 95 | 蛮性 | 88 |
---|---|---|---|
知力 | 91 | 忠義 | 0-100 |
政治 | 69 | 混沌 | 99 |
統率 | 99 | 革新 | 98 |
魅力 | 100 | 逃隠 | 97 |
属性:武家棟梁 | 魅力・募兵50%上昇 |
---|---|
技能:異次元の求心力 | 従順・忠義・勇敢・文化・獰猛属性の武将忠誠度50%上昇 |
技能:武芸百般(甲) | 剣術・弓術・馬術の複合技能 |
技能:京文化適正(乙) | 詩歌・絵画・演奏の複合技能 |
備考:カオスマインド | ランダムに1ターン休み、休むたびに兵力が30%回復し全能力20%上昇(重複可) |
備考:神力 | 魅力と統率40%上昇 |
備考:逃げ上手 | 逃走・回避・潜伏の複合技能 |
固有武器:足利家重代薙刀「骨喰」 | 太刀打40%上昇 |
マーキング・パターン | 目花菱に法輪 |
その後時行の乱の後、鎌倉に居座り好き勝手していた事や護良親王誅殺の罪を咎められ、後醍醐天皇から朝敵認定された際はやはり本気で取り乱し
「大恩ある帝と戦いたくないので死んでお詫びをする」と顔芸をしながら今度は短刀で腹を刺しまくってまたもや自害しようとするも、直義の危機を師直から知らされ出陣を促された事と、師直が忙しいので髷を結わないという事を聞いて関心がそちらに向いたのか、自らも「それいいな!我もそうしよう!」と笑顔になった後髷を短刀で落として出陣。肖像(とされていた)画のようなザンバラ髪となった。それを帝と戦う不退転の覚悟と誤解した軍勢の士気は向上。
討伐軍を一蹴し、京都に押し返す強さを見せたが、楠木正成の軍略と北畠顕家の奮戦の前に撤退を余儀なくされる。
その後九州に行き太平記が「尊氏の前世の行いが良かったからだろう」と考察を放棄するほどの数十倍の戦力差を覆す勝利を納め、九州勢を降した後再び京に迫り、湊川の戦いで楠木正成らと交戦。
直義を狙うかに見せかけて尊氏を狙った正成の策により一騎打ちに持ち込まれ、含み針などを使用した荒々しい戦いに苦戦するも、愛用の薙刀「骨喰」の一刀にて正成を討ち取った。
正成の実力には敬意を持っており、その死には涙を流して本気で悲しんだ。
その様を正成は人の力と人ならざる力を宿せる強大な器を持つ所以に尊氏は最強と評しており、「戦上手」ではなく、耐えて自滅を待つか負けても狙い続ける「逃げ上手」ではないと勝てないと分析している。
その後京都を制圧するも、確保した後醍醐天皇には脱走される。逃げられたことに驚くも、「見張りの手間と費用が省けた」と笑顔を見せた。その後、光明天皇を擁立し北朝を成立させている。
余談
中先代の乱に際して、本格的な活躍が描かれる様になったところ、松井作品に特徴の情緒が支離滅裂でクセの強いキャラクターとして描かれたが、同時に歴史的にはほぼ史実に残された通りのキャラクター像を押し出されて描写された。
その際に、歴史クラスタからは史実通りのキャラクターとして描かれたことに驚かれたが、漫画ファンからはこれが史実のキャラクターであると知られされたことで驚愕する声がTwitterを中心に話題になった。
また、作品内では天下人のキャラクター性について触れたうえで、尊氏のキャラクターについて「史上最も訳の分からない天下人」と評している。
それはそれで史実がおかしい(by作者)
色々と逆説的ではあるが、足利尊氏という天下人は漫画的な脚色など必要ないくらい、素で松井優征作品のキャラクターだったのである。
松井氏曰く「最も実像に近い足利尊氏像を目指している」とのことで、あまりにも支離滅裂すぎて訳が分からないが為に伝記や教科書などでは敢えて省かれている尊氏の言動挙動も余すこと無く拾い上げており、それが却って底知れない格の高さを読者に見せつけることになっている。
なお、松井氏の師匠である澤井啓夫氏の代表作『ボボボーボ・ボーボボ』には「それもそのはず、なぜなら彼は足利尊氏だったからです」というギャグがあるのだが、ファンの間では本作及び史実の尊氏の奇行の理由もこの言葉で流される傾向にある。