概要
2024年8月23日にプレイステーション5とWindows(Steam&Epic Games)向けに発売されたFPSゲーム。
SFの世界観で16人の個性的なフリーガンナーから好きなキャラを選び、5vs5の陣営に分かれて対戦するチーム対戦型ヒーローシューター。
2018年に設立されたアメリカ合衆国ワシントン州のゲームスタジオ「Firewalk Studios」による開発で、8年の開発期間を要したとされている(同スタジオは2023年にSIEに買収された)。
突然のサービス終了
だが、度重なるオープンテストを経てメディア露出を図るも注目が集まることはなく、ローンチ後もピーク時の同時接続数が1000人に満たないほどの低空飛行ぶりで、状況は芳しくなかった。
そんな中、同年9月4日にSIEは本作のサービス提供の中止を発表。この発表に前後してストアページは削除され、9月6日にサービス終了、購入者向けの返金対応を行う旨の告知がなされた。
ここまで発売からまだ2週間。「クソゲー」「爆死」は数多あれど、流石にほとんど例を見ない衝撃的な展開によって、皮肉にも本作はにわかに注目を集めることになってしまった。
問題点とされるもの
「売り逃げ」すらできない顛末に余程の瑕疵があったのかと思われるかもしれないが、数少ない購入者からは「ゲーム部分の骨格は意外としっかりとしており、不満点はあれど思ったほど出来は悪くなかった」とする声が多い。
では、何が問題だったのか。
「キャラクターデザインに魅力が無かったために購買意欲をそそられず、売り上げが頭打ちになったのではないか」というのが有力説とされている。
本作のキャラクターはメイン画像の「バズ」をはじめとして個性的な面々ではあったが、逆に言うとそれしか無かった。それも貫き通せば一つの売りになっていたかもしれないが、「異形」と言うにはいまいちパンチが弱く、結果的にどの層にも刺さらない誰得なものになってしまっていた。
開発陣が、いわゆる「ポリコレ界隈」に出入りしていた形跡も発掘されたことから、「そうした思想的な面が先走って顧客のことは二の次になっていたのではないか」という推察も盛り上がった。
一方で公開されたコンセプトアートの一部はゲームに実装された状態よりもスマートなデザインに見え、少なくとも開発途中までは魅力的に見せようとしていた状況証拠になってもいる。よって一概にデザイナーだけを責めることのできない、複雑な事情が絡んでいたという見方も存在する。
ただ、そうした盛り上がりもサ終告知を受けてという側面が強く、それすらまとめサイト・動画の類を経由して知ったというような人も多く見られた。
(ついでに言うと、この記事の作成もサ終後である)
すなわちデザインを敬遠されるどころか、そもそも見ても貰えていなかったとも考えられ、それ以前のより根本的な所で躓いていたのではないかという説も寄せられている。
また、本作が約4,000円のパッケージ販売であった点に原因を求める向きもある。
同ジャンルには『Overwatch』『Valorant』『ApexLegends』といった基本プレイ料金無料のゲームが既に幅を利かせており、その割高感が消費者を敬遠させたのではないかという分析である。
これに関しては8年という長すぎる開発期間をかけた弊害とも言え、開発当初は注目度がそこまで大きくなかった「ヒーロー型対戦FPS」が、この間に上記のような作品に席巻されてしまい、完成した頃には既にレッドオーシャンと化していたという市場の読み違いも指摘される。
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セミ:開発期間と実動期間の差からこう例える向きがある。