MACは宇宙の監視を広げる為、
エネルギーに強力なMACウランを使用する事になった!
これは宇宙人にとっては恐怖であった
そしてウランをステーションへ運ぶ役におおとりゲンが選ばれた
凶悪な宇宙人の陰謀の手が…果たして作戦は成功するか?
さぁ、みんなで見よう「ウルトラマンレオ」!!
放送日
1974年12月13日
登場怪獣
変身怪人アトランタ星人
STORY
ナレーション「宇宙のエメラルドと呼ばれる美しい星。この地球を狙っている宇宙人は数知れない。その為にMACは、今までに倍して監視の目を広げる事になった。その第一弾として、エネルギーは強力なMACウランを使用する事が決定された」
MAC基地を訪れた高倉長官。
並ぶ隊員達に、MACウラン輸送任務を担当する隊員が発表される。
白土「MACウランを運ぶ役は誰がやるんですか?」
高倉「うん、モロボシ君とも話し合ったんだが…」
ダン「ゲン、お前にその役目をやって貰う」
ゲン「僕が?」
高倉「おおとり君、君の役目は重大だ。慎重の上にも、慎重を期してくれ給え」
ゲン「はい!」
その時、突然鳴り響く警報器。計器を確認した梶田は、未確認飛行物体が地球に接近している事を報告。
ダンの号令で全隊員が出動し、マッキー2号と3号が現場に赴く。すると、その飛行物体の正体は地球の宇宙船だった。
梶田が呼びかけるものの、宇宙船から応答はなし。マッキー2号は分離し、佐藤の命令で全機突撃体制に入る。
宇宙船は煙を立てて山中に落下し、不時着。落下現場にやって来た佐藤と梶田は酷い有様だと辺りを見渡していると、そこには背中に火がついた宇宙飛行士が。なんと乗員の1人が生きていたのだ。
梶田に救急車を呼ばせ、佐藤は乗組員の救助に向かう。ゲンも駆けつけ、砂山を転がって背中の火を鎮火。宇宙服のヘルメットを外すと、その男は息を荒く苦しんでいた。
(場面転換)
乗組員の男が運び込まれた病院の屋上で、ゲン達はその男について話し合っていた。
ゲン「一体、あの宇宙船の正体は何なんでしょう?」
佐藤「あぁ、さっき現場からの報告では3年前にアトランタ星へ探検に向かったまま行方不明になったものだと言ってきた」
ゲン(アトランタ星?あそこには卑劣な凶悪宇宙人が住んでいると言われてるんだ…あの星から生きて帰れるなんて、人間技とは思えない)
松木「佐藤隊員!」
佐藤「おう!」
松木「驚かないで下さいね、あの人擦り傷一つ無いんですってよ」
ゲン「えっ、何だって!?」
松木「間もなく精密検査が全部終わるんですけどね、今の所体のどこにも全く異常がないんですって」
梶田「信じられないな…」
松木「あっ、長官とお嬢さんだわ」
病院へやって来た高倉長官と、その一人娘のあや子。2人が病室の前までやって来ると、中から出て来たのはあの宇宙飛行士と、こんなケースは初めてだと驚くMACの医師だった。長官はその顔を見るなり驚いて駆け寄り、「内田君」と声をかけ、笑顔で手を取る。
あや子は父に縋り付いて泣き出してしまう。内田はあや子の婚約者だったのだ。毎日彼の無事を信じて帰りを待っていたというあや子。長官も彼が生きていた事に喜ぶ。医師によると彼の容体は「奇跡としか言いようがなく全く正常」だという。
内田の生還を祝おうと上機嫌の長官の前に並ぶMACの隊員一同。しかしゲンの顔は暗いままだった。長官の紹介で梶田、松木、佐藤がそれぞれ内田に生還を祝う言葉を述べる。しかしただ1人、ゲンは内田と目があったその時、彼の正体が一目で分かってしまった。両者はテレパシーで会話する。
ゲン(貴様はアトランタ星人…!)
内田(フッフッフ、ようこそレオ)「宜しく、おおとり君」
握手を求める内田に無言のまま応じたゲン。
長官「おお、君達は気が合いそうだな。おおとり君、内田君を頼むよ」
ゲン「はっ」(何という卑怯な…!)
内田(精々ほざくがいい…俺の正体を明かせば、お前の正体を明かす。いや、MACの隊長の正体もな)
帰る長官を送る隊員達。しかしゲンは1人、その場に立ち尽くしていた。
(場面転換)
その後、基地で電話を置くダン。そこへ大急ぎでゲンが帰還した。
ダン「はい、分かりました」
ゲン「隊長!」
ダン「どうしたんだ!少しは落ち着いたらどうだ」
ゲン「それ所じゃないんです!宇宙船で帰ってきた男は…ヤツは、アトランタ星人なんです!」
ダン「何、内田君が!?そんな馬鹿な…!」
ゲン「間違いありません、奴は隊長と俺の正体を知ってます!」
ダン「まずいな…!」
ゲン「どうしたんですか?」
ダン「たった今長官の推薦で、明日からMACへ入隊するのを決めた所だ」
(場面転換)
翌日、MACの飛行訓練が行われた。長官も視察に現れ、数々の隊員が準備に大忙し。ゲンは内田に駆け寄り、詰め寄った。
ゲン「貴様…」
内田「レオか?余り腹を立てない方がいい」
ゲン「貴様何を考えてるんだ」
内田「君と喧嘩をしに来た訳じゃないよ」
ゲン「何を企んでいるんだ…!」
内田「君と同じ様に、宇宙の平和を守りに来たのさ。仲良く頼むよ」
ゲン「貴様…!」
見え透いた嘘に頭に来たゲンは内田に掴みかかるが、ダンに止められる。
ダンは続けて準備の整った隊員達に任務を命じる。内田はマッキーでゲンの護衛、梶田と佐藤はロディーでA地区のパトロール、白土はB地区のパトロール、松木はレーダーによる情報キャッチに充てられ、作戦が開始された。
エンジンの様子は快調。内田の操作でマッキー2号は分離し、このまま何事もなく進むかに思われた。
しかしβ号に乗り込んだ内田の目が光り、α号に光線が放たれた瞬間、異変が起きた。
なんとα号の操縦桿が動かなくなった。ゲンはダンに通信を飛ばすが、地上にいる彼らではどうの仕様もない。長官はあれ程注意したにも関わらずこんな事態が起きてしまった事に怒りを見せる。
すると、内田の乗ったβ号がよろめき落下するα号と空中でドッキングし、窮地を救った。マッキー2号は無事着陸し、事なきを得るのだった。
(場面転換)
本部にてあわや事故を起こしかけたゲンは長官に叱責されてしまう。他の隊員達もゲンの無実を信じてか苦しい表情で顔を背ける。
ゲン「信じて下さい!本当に、本当に操縦桿が動かなくなったんです!本当なんです!!」
高倉「言い訳はやめ給え!機体調査の結果機体には欠陥は無いと出ているんだ、君は1ヶ月謹慎だ!もし町の中にでも墜落していたら、取り返しのつかない事になっていたんだ!」
ダン「…内田君に礼を言い給え、ゲン!」
ゲン「…ありがとう」
内田「当然の事をしたまでですよ」
高倉「しかし、モロボシ君がMAC1番の腕と折り紙をつけた君が事もあろうに操縦ミスとは…一体私は何をしに来たは良いのかね」
内田「長官、僕を信じて下さい」
高倉「君を?」
内田「宇宙の真ん中で、何度も今日の様なピンチに出会いましたが、その度に僕が操縦していた為に助かったんです!宇宙船に比べれば飛行機なんて…」
高倉「そうだ…モロボシ君、明日の作戦には内田君に操縦して貰う」
ダン「長官、明日の作戦とは!?」
高倉「君達には黙っていたが、最高司令部の計画はそうなっていたんだ。これも敵を欺く手だ、宇宙人に勘付かれぬ内に運んでしまうんだ」
ダン「長官…!」
高倉「今日と全く同じ手順で決行する、いいね?」
ダン「はい…!」
敵を欺く所か、こちらが敵に欺かれている事に気付かずに長官は帰っていった。佐藤らも明日の準備をすべくその場を去る。残されたのはゲンとダンだけだった。
ダン「どうやらヤツの目的はMACウランを使ってステーションを爆破する事だ…時間もあまり無い、最後の手段だ…ヤツを殺すんだ」
(Aパート終了)
余談
第33話から3話振りにアストラ再登場。
また、本編最後のウルトラダブルフラッシャー使用となった。
何気にMACそのものがテーマとなった回はレオではかなり珍しい。
高倉長官は第13話以来22話振り。ちなみに高倉は第13話当時の隊員達(平山、青島、赤石、桃井)については一切言及されていない。
本話で百子がゲンに語った言葉は、終盤のテーマにも通じるものがある。
カーチェイスをしたシーンのロケ地はロケ地は平成ウルトラマンシリーズで数多く使われたお台場である。