1985年4月に発行された宗田理の文庫書き下ろし小説。ぼくらシリーズの第1作目。映画化もされ、続編『ぼくらの七日間戦争2』も製作された。
あらすじ
1学期の終業式の日のこと。中学校の1年2組の男子生徒21人が突如行方不明となる。親たちは彼らを探すが全く見つからない。実は男子生徒たちは、荒川べりの廃工場に立てこもって、そこを日本大学全学共闘会議(全共闘)をまねた「解放区」と称し、校則で抑圧する教師や勉強を押し付ける親に対し、反旗を翻していたのである。女子生徒と、FM発信機で外にFM放送を送信する係の男子生徒1人も、外から彼らに協力していた。
だが、実は21人のうち1人だけは、それに参加する前に誘拐されていた。男子生徒たちは彼を救出しに奮闘すると同時に、突入してきた教師を、様々な仕掛けで翻弄する…。
登場人物
ぼくら
菊池 英治(主人公)
相原 徹
安永 宏
柿沼 直樹
立石 剛
天野 司郎
日比野 朗
宇野 秀明
谷本 聡
中尾 和人
小黒 健二
佐竹 哲朗
秋元 直也
中山 ひとみ
堀場 久美子
橋口 純子
朝倉 佐織
原田 千尋
親
菊池 栄介
菊池 詩乃
堀場 千吉
滝川 為朝
教師
北原 整
榎本
樺島
鬼丸
新田
その他
矢場 勇
瀬川 卓蔵
石坂 さよ
南 はる
映画
ぼくらの七日間戦争
角川映画作品。1988年8月13日から東宝系劇場にて公開。菅原比呂志監督作品。
同時上映『花のあすか組!』。
主題歌はTM NETWORKの「SEVEN DAYS WAR」。
管理教育に抑圧された中学生が、学校教師や大人に「戦争」を挑む。原作にはない61式戦車なども登場。宮沢りえ主演第1作としても注目された。
登場した戦車は『戦国自衛隊』のために製作されたもので、数々の作品に出演した経歴を持つレプリカである。
なお、この61式戦車は物語の設定上は実弾は装備されていなかったらしく、しかもかなり放置されていたようで走る事ができなかった。
しかしながらそれを中学生が修理してついには自走可能にまでやってのける。おまえら本当に中学生なのか!?なお、エンジンルームの天蓋を片手で持ち上げているあたり只者ではない。(本物の61式戦車のエンジンルームの天蓋は大人でも片手はおろか手で上げるのは無理がある)
なお、生徒達が立て籠った廃墟の地下に、自衛隊が所有する戦車があった理由は作中でも明確になっていない(関東財務局管理下の国有地であることだけは劇中から読み取れる)。
2011年に角川映画35周年記念としてデジタル・リマスター版が発売され、2012年には「角川ブルーレイ・コレクション」の一作品としてブルーレイディスクが発売された。
設定は概ね原作に沿っているが、尺や役者(と予算)の都合上、人数やテーマをかなり絞って制作されている。
特に原作における全共闘をモチーフとした部分や誘拐事件などは省かれている。また原作では1クラス全員で立て籠り、解放区外にいる(立て籠りに参加していないと親たちから思われていた)メンバーも解放区への協力者だが、映画ではそれらもザックリと省かれ「立て籠ったのはクラスの一部」とスケールダウンされた。
『次は国会議事堂だ!!』
キャスト
青葉中学校生徒
菊地英治:菊池健一郎
相原徹:工藤正貴
安永宏:鍋島利匡
柿沼直樹:田中基
日比野朗:金浜政武
中尾和人:大沢健
天野健二:石川英明
宇野秀明:中野慎
中山ひとみ:宮沢りえ
橋口純子:五十嵐美穂
堀場久美子:安孫子里香
生徒たち:荒井久遠、谷田真吾、太田浩人、和泉匡俊、辺見昌臣、白野貴幸、永田美妙、小島法子、高橋幸香、内田順子
青葉中学校教職員
榎本勝也:金田龍之介
丹羽満:笹野高史
酒井敦:倉田保昭
野沢拓:大地康雄
八代謙一:佐野史郎
小柳:小柳みゆき
西脇由布子:賀来千香子
生徒の親族
菊地英介:出門英
菊地詩乃:浅茅陽子
菊地まりこ:穴原英梨
相原徹の母:恵千比絽
安永宏の母:田岡美也子
柿沼直樹の母:宗田千恵子
日比野朗の母:船場牡丹
中尾和人の母:沢井孝子
宇野秀明の母:西海真理
橋口純子の母:正国秀子
その他
瀬川卓蔵:室田日出男
警察官:武藤章生
英介の同僚:飯島大介
機動隊隊長:漣龍造
アナウンサー:上柳昌彦
リポーター:福永典明
ラジオDJ:三宅裕司
スタッフ
製作者:角川春樹
監督:菅原比呂志(現:菅原浩志)
プロデューサー:青木勝彦
脚本:前田順之介、菅原比呂志
音楽:小室哲哉
撮影:河崎敏
助監督:鹿島勤、大津是、竹本克明
技斗:二家本辰己
製作:角川春樹事務所
配給:東宝
ぼくらの七日間戦争2
1991年7月に松竹系で公開。同時上映は『幕末純情伝』。
舞台は当時の南国・沖縄ブームに乗ったせいか沖縄県となった。主題歌はB.B.クイーンズの「ぼくらの七日間戦争~Seven Days Dream~」。
なお、この2作目の原作に該当する作品は「ぼくら」シリーズの作品の一つである『ぼくらの秘島探検隊』で、これをたたき台にして作られたものである。
『秘島探検隊』は映画公開直前の1991年5月に刊行されており、映画の原作にする……つまりメタな事を言えば「映画の舞台を沖縄にする」「名前だけの原作という批判を避ける」ために、あえて『秘島探検隊』が執筆された、と言うべきか。
キャスト
青葉中学校2年A組
菊地英治:明賀則和
中山ひとみ:渋谷琴乃
堀場久美子:柳志乃
中尾和人:天間信紘
天野健二:武内伸一郎
安永宏:渡辺武徳
日比野朗:大田原清文
青葉中学校教職員
八代謙一:佐野史郎
丹羽満:笹野高史
野沢拓:鶴田忍
その他
具志堅マリコ:具志堅ティナ
高良陽一:高良陽一
高良隆造:石田太郎
高良玲子:池田昌子
伊是名:内藤剛志
佐々木:塩見三省
スタッフ
監督:山崎博子
脚本:山崎博子、稲葉一広
製作者:角川春樹、奥山和由
アニメ映画
「ぼくらの7日間戦争」の記事を参照。
ゲーム
D3パブリッシャーから発売された。
角川つばさ文庫版を原作としたノベルゲームで、キャラクターのグラフィックも角川つばさ文庫版のはしもとしんのものをベースとしている。