東ドイツことドイツ民主共和国は、ヨーロッパに存在した国家。1990年10月3日に西ドイツ(ドイツ連邦共和国)へ吸収合併(手続き上はドイツ民主共和国を構成する各州が独立してドイツ連邦共和国に加盟)されるかたちで消滅した。(ドイツ再統一)
公用語はドイツ語、首都は東ベルリン。
概要
第二次世界大戦後、連合国四カ国に分割占領されたドイツで、ソ連占領地区がドイツ民主共和国として独立した。冷戦の激化とともに、英仏米占領地域に成立した西ドイツと分断された国家となり、同国が1961年に築造したベルリンの壁は冷戦の最前線となった。
ソ連の衛星国である。共産主義を掲げるドイツ社会主義統一党による一党独裁国家。この政党は、ドイツ共産党がドイツ社会民主党を強制的に合併して成立したもの。一応他の野党もあったが、自由な活動はできなかった。ナチス時代同様の秘密警察による管理国家でもあった。
一定期間無職だと、問答無用の強制労働が課せられた。
70年代までは、東欧の中でも経済成長を続ける優等生国家で知られたが、80年代以降に経済が行き詰まり、西ドイツとの格差が広まり民衆の不満が高まり、1989年11月9日にドイツ分断の象徴であるベルリンの壁が崩壊。翌年の統一への動きが急加速した。
日本では東ドイツの国歌「廃墟からの復活」のメロディーの知名度が一部方面で抜群に高い。