石仮面とは、漫画『ジョジョの奇妙な冒険』に登場するアイテム。
概要
かつて、アステカ文明で使用されていたと推測される石製の仮面。
第一部の物語冒頭にて、アステカの「血の儀式」によって使用されていたことが示唆されており、これが長き歳月を経てジョースター夫妻によって骨董屋で掘り出され、旅行の手土産としてイギリスに渡ることとなった。
額部から鼻筋にかけてある縄状の装飾と、犬歯のはみ出した唇、涼しげな目つきが特徴。
また裏面には、8本の肋骨状の針『骨針』がある。
ジョースター夫妻の一人息子・ジョナサン・ジョースターが12歳の頃まではジョースター邸内の壁に飾られ、ジョナサンが19歳のときにはジョナサンが大事に保管していた。
その秘密
その後、何の因果かジョナサンが母の形見としてこの仮面を研究し、その正体を解き明かそうとした。そのきっかけはディオ・ブランドーとのケンカの際、彼を殴った際に飛び散った血が壁に飾っておいた石仮面に付着し、それに反応して石仮面が骨針を動かしたのを見つけたため。
しかし、ディオはジョナサンの研究書を盗み見て石仮面が人を殺し得る力を持つと知るや、これでジョナサンを殺害しようと画策。その実験として、貧民街のゴロツキに石仮面を使用したところ、なんとそのゴロツキが凄まじい腕力と腕から血を吸う力を持つ怪物と化してしまった。だが、怪物化したゴロツキは朝日を浴びると瞬く間に灰と化して消滅したため、ディオは九死に一生を得る。同時にディオは、石仮面の恐るべき秘密に気付くのであった。
この仮面の秘密、それは人間の未知の才能を開花させ吸血鬼にするというもの。
骨針が頭蓋骨ごと脳を貫き、エネルギーを注入することで能の未使用領域を活性化させ、不死身の超生命体にしてしまうのである!!
ジョースター家の乗っ取り計画がばれたディオは、この仮面をつけて吸血鬼となり、悪の権化となる。
その後も、ディオはこの仮面を利用したが、最終的にはジョナサンの手によって粉々に砕かれた。
その起源
ところが、第2部にて砕かれたはずの石仮面がスピードワゴン財団の調査によってメキシコの遺跡から多量に発見される。
これをシュトロハイム率いるナチス・ドイツ軍が柱の男(サンタナ)共々奪取し、それらを研究した結果、石仮面は柱の一族が吸血鬼を生むために作った道具だと結論付け、「柱の一族」はこの石仮面によって生み出された吸血鬼を食料とした。
のち、それは「柱の一族」の天才・カーズが作り出したことが明かされる。
そして本来、石仮面はカーズが完全な究極生命体になるために作った道具の失敗作であったことも判明する。だが、吸血鬼を生み出したことで人間よりも高いエネルギーを得ることができたため、結果的には嬉しい誤算となった。
だが柱の一族はカーズの思想を恐れ、殺そうとするも返り討ちに会い滅びてしまう。
その後、カーズはエシディシと共に当時まだ幼かったワムウとサンタナを連れていずこへと旅立った…。
そう…
ジョースター家とディオの一世紀以上に渡る因縁、そして今なお多くの人々に愛され続ける
人間賛歌の物語はこの石仮面から始まったのである…