不来方ひな太
こずかたひなた
CV:猫絵十兵衛
概要
『バグアカデミア』で展開している漫画シリーズの一つ『奇食・秘境ハンター 鬼頭丈二』にて初登場。
幼い頃は鬼頭宅の近くに住んでおり、夏の時期はよく山や川に一緒に遊びに出かける間柄だったが、いつの頃からか姿を見せなくなり、登場回にてひな太が現在の鬼頭邸を訪問する形で、およそ20数年ぶりの再会を果たす。また当時の癖で、従兄である鬼頭のことは「ジョニー」という独特のあだ名で呼んでいる(「丈二兄ちゃん」を極端に簡略化した結果らしい)。
ひな太が鬼頭を探していたのは、実は彼自身が現在起業家を目指しており、過去「オーガヘッド・フーズ」という自社を立ち上げ成功を収めている鬼頭から指導を受けるためであった。その後、幼馴染のよしみで渋々了承した鬼頭は、現在の趣味である奇食旅を通して起業家としてのマインドを叩き込むレッスンを開始。また行く宛がないというひな太の泣き落としにも結局応えることとなり、現在ひな太は居候として鬼頭やその執事の田中と同居している。
人物
容姿
幼馴染の関係であるが鬼頭とは結構な年齢の開きがあり、接点の多かった20数年前当時は鬼頭が既に中学生であったのに対し、ひな太は小学校入学前ほどの幼児であった。そのため現在は20代中頃かそれ以上とおもわれるが、後述の性格とも合わせ外見は若々しく、少年のようにパッチリ開いた睫毛の長い目元、そこから覗かせる土色のドングリのような瞳が印象的な青年。髪は明るめの茶色で、頭頂部の2本の触覚風のアホ毛をはじめ、全体のシルエットがどことなく鬼頭の髪型に似ている(ただし、ワックスなどで固めているのか、彼より額を広く見せたり毛先を遊ばせたりしている)。
衣装については、上は黄色の生地をベースに襟袖にモノクロのストライプが入ったシャツを、下は黒のスキニーパンツに裸足革靴を着用。そのフォーマルとカジュアルの間を狙ったような衣装構成にはメディア露出の多い「若手実業家」っぽさがあり、起業家を目指す彼なりに形から入ってみた結果なのかもしれない。
性格
基本的には今どきの若者らしく、テンションが高く明るい性格。
口調についてもフランクで、ところどころ珍妙な言い回しや言葉遊びを絡めたりするが、後々交流が生まれる鬼頭の友人知人らには丁寧に敬語で自己紹介したり、別れ際に会釈したりと、起業家を目指す分一定の社交性を身につけていることを伺わせる。また美女に目がないようで、旅で訪れた国々では道行く美女たち(現地人や観光客)に大興奮し、日常の交友でも当時初対面だったアリスにおべっかを使っている(直後、彼が男だと知らされ驚愕していた)。本編とは時間軸が異なる特別回においても、このとき接点を持った飛田新治が趣味とする風俗巡りの旅に興味を示していた。
一方、美女への関心もそうだが、若さ故か物事の好き嫌いが態度や行動でハッキリ現れやすく、鬼頭が旅の中で話す国々の興味深い歴史背景であったり、パンフレットに掲載されるような人気の観光名所や美食(あと先述通り現地人の美女たち)には強い関心を向ける一方、迷信的な伝説や、後述の暴走により自ら起こしたトラブル後のお説教などはしれっと聞き流している。また家で鬼頭が教鞭をとっての授業では居眠りしたり、スコットランドの奇食ハギスを食べた際には「お残し厳禁」とする奇食ハンターの流儀を破り、頬袋に詰めたハギスをトイレで吐き出す作戦に出ようとするなど(気付いた鬼頭に捕まり未遂に終わったが)苦難や無関心な物事を避けたがる傾向がみられた。ただ鬼頭によるスパルタ指導、奇食店への往路復路で現地の闇の部分(現在抱える社会問題や、その要因となった国政の失敗例や負の歴史)を直に見せての解説により徐々に矯正され、ここ最近は己の好き嫌いにこだわらず、また独力で情報集めをして知識を吸収するようにもなり、ときに旅に出かける前の鬼頭に目的地で懸念される近時情勢などを共有する場面があったりと、だいぶ改善されてきている。
多少のオイタはあれ不思議と憎めない愛嬌のある青年だが、高校時代は相当に悪名高い不良でもあったようで、当時は喧嘩に明け暮れる生活を送っていたとのこと。本人は「最近は大人しく良い子にしてるよ」と語ってはいるものの、旅先では相手の安い挑発を買って荒い言葉で返す場面が見られる。そうした側面や経歴に違わず喧嘩は強く、シリーズに先んじて登場している紅林二郎や元雲嵐、赤城永吉ら、鬼頭からよく「護衛役」として召喚される旅仲間たちのようにバトル展開での活躍をみせている。反面、一度でも心のリミッターが外れると、まるで親元のヒューマンバグ大学のバトルものシリーズに登場する武闘派狂人たち、本チャンネルの拷問蛸にも近い狂気を顕にし、まるでオモチャで遊ぶ子供のようにあの手この手で敵を蹂躙し、相手が既に無力化されていても、残虐な追い打ちを嬉々として行なおうとするなど暴走することがある。紅林は本人の正義感から飽く迄無力化に留め、元や永吉は各々「暗殺」に対する覚えがあるため、殺害已む無しとする事態を見定めたり、遂行したとしても最低限死因の隠蔽をおこなうが、ひな太は起業家を目指す身としてコロシなど以ての外であり、毎度毎度、鬼頭が下記の手段で既のところで止めさせ、警察による現場周囲の聞き込みなどが始まる前に足早に退散する羽目になっている。
ただ、鬼頭やその友人らは勿論のこと、海外旅で出会う人々との交流、執事田中に付き合い彼個人の趣味ごとやイベントに参加したりと、居候になってから他者との接触場面が増えた影響か、中期には荒事を避ける処世術をみせたり、騒動時に犯人への報復よりまず被害者の安全確保を優先したりと、こちらも改善の兆しが徐々にだが表れてもいる。
戦闘力
不良として喧嘩で鳴らしていただけあり、基礎の身体能力が優れているのは勿論だが、荒事に対する度胸も相当で、旅先でチェーンソーや銃火器で武装した犯罪者や武装集団などと遭遇しても、初手驚きはするものの、騒然とする鬼頭や他の被害者たちを尻目に平然としている(寧ろ見た目や味、匂いのエグみが強すぎる奇食のほうが戦々恐々としている)。
また戦闘では、チェーンソー男には着ていたシャツと鬼頭の鎖分銅を使って真正面から刃を受け止めてみせたり、レストランを襲撃した武装集団との戦いではテーブルクロスで相手の視界を遮りつつナイフとフォークを投擲したりと、環境を利用した即興的な戦法を得意とし、創造力だけならバグ大の上位クラスの戦闘者たちに匹敵しかねないと言える。
ただし、上述したようにリミッターが一度外れると敵は当然、味方でも制御不能となってしまう欠点があり、今のところ唯一この状態に陥ったひな太を正常に戻す手段は、幼少期に鬼頭が駄々をこねるひな太を大人しくさせる為に行使したという、ひな太の両耳に指を同時に突っ込む…というもののみである。
また、登場を重ねる毎に狂気と集中力を増しており、訓練された本物の戦闘者にも通用するのか気になる所である。
活躍
初登場回。
上述通り、起業家となるべく他の親戚から鬼頭の現住所を尋ね回った末に、彼と20数年ぶりの再会を果たす。早速居間に通され、お互いの昔話もそこそこに、ひな太は本題である起業家になりたい己の目標を打ち明け、鬼頭にその指導を願い出る。はじめはバッサリ却下されてしまいショックを受けるが、食い下がらずひな太は再度土下座で懇願。その姿に鬼頭も、昔馴染みの関係も手伝って「未来ある若者の希望をへし折るのもいかがなものか」と考えを改め、テストという名目でなんやかんやひな太の要望に応え、経営者のマインドとして重要なのは「奇食への探究心」という謎理論を掲げる。ひな太はそのまま彼に引きずられながら今回の目的地であるスペインに飛ぶことになった。
あれよあれよといつの間にかスペインに降り立つ事になったひな太だが、そもそも鬼頭のいう奇食にまだピンときていないせいもあり、観光パンフレットに載るサグラダファミリアや本場のパエリアの香りに吸い寄せられたりと別の物事に気を取られ、早々に鬼頭を振り回す事に。また、この悶着の際にポケットから謎の錠剤を落とし、鬼頭からもそれが何の薬なのか尋ねられるが、ひな太は曖昧な返答で誤魔化しながら、落ちた薬を回収していた。
そうして辿り着いたのは、先程の華やかな街並みとは打って変わる無骨な外観の研究施設。鬼頭の同志だという美女研究員に迎えられる形で、二人は建物内部の研究室に設けられた即席のテーブルに案内される。既に鬼頭と彼女により段取りが進んでいたようで、早速施設で試作した「ソーセージ」の実食準備がはじめられる。ソーセージは好物だと喜んだのも束の間、何も知らないひな太に材料を教えようと研究員が連れてきたのは、なんとまだ産まれて間もない赤ん坊だった。まさか赤ちゃんの肉を使った料理なのかと怯え上がるひな太だか、勿論これは彼の早合点で、実際は赤ちゃんのウンチに含まれる善玉菌を使った、いわば「赤ちゃんのウンチソーセージ」であった。
それなら安心…となるハズがなく、正体を知ったひな太は、そのビジュアルも相まって(実物がそうなのかは不明だが、外観が茶ばんでブツブツしており、ボイルしたてなのかホカホカと湯気が上がっている)益々食べづらくなってしまうが、鬼頭から叱咤され腹を括り、彼に合わせて問題のソーセージに齧り付いた。…途端、そのジャストなタイミングで先程の赤ちゃんが脱糞。立ち込めるウンチ臭に鬼頭は硬直、ひな太も鼻と口を覆って悶絶した。しかし鬼頭はこれまでの激臭料理での経験からして、ここで手を止めれば食べ切れなくなると判断、そのまま二口三口と残りのソーセージを押し込んでいく。その姿をみたひな太は、かつて中学時代の鬼頭が虫を捕まえてはそれらを全部食べていた(!?)事を懐かしんで笑い出し、彼も彼でなんとかソーセージを食べ切って、研究員に感謝と今後のさらなる改良を期待しながら帰路についた。また空港への道中、風の噂でひな太が以前まで札付きのワルだった事を知る鬼頭は、今の彼が当時のように荒れていないかと質問する。これにひな太は「今はいい子にしてるよ」と返すも、冒頭の晴やかかつコミカルな笑顔とは異なる、やや含みのある微笑を浮かべていた。
そうして日本に帰国した2人だったが、実はひな太はこのとき行く宛にも困っており、再度鬼頭に「家に住まわせてほしい」と泣きを入れる。いつの間にか田中も味方に付けていた事で、鬼頭は結局、指導役だけでなく居候の要望まで飲まされる事になった。
- 2024年6月16日の動画(鬼頭丈二)
スコットランドの奇食旅に同行。
今回(および以降のひな太同行)の旅の目的は奇食の吟味もそうだが、ひな太の指導役として実際に赴く国々の文化や社会問題など、より現実的視野で異文化への学びと理解を与えようという鬼頭なりの兄心あってのようで、現地到着時に人や物をよく観察するよう進言する。ひな太は力強く了承するも、次のコマでは現地の美女に鼻を伸ばして「このまま移住もアリアリだぁあ!」と早速脱線、呆れた鬼頭からは「そのまま日本に戻ってくるな!」と置き去りにされかけてしまった。
ネッシー伝説で有名なネス湖での軽い講義を挟んだ後、いつも通りのローカルなレストランを来訪し、今回鬼頭が目当てとするハギスを注文。隣席で聞いていた客の親父たちから「観光客に食えるのか?」とからかわれムッとして言葉を返すが、いざ運ばれたハギスの激臭、そして味と食感に悶絶。あろうことか(どっかの武闘派ヤクザが若手時代にやらかしたのと同じ)トイレでのリバース作戦に出ようとするが、「奇食はお残し厳禁」を謳う鬼頭に直ぐに勘付かれ絞め上げられてしまい、最後は気合で口へかっ込み完食。先程の親父たちからも「恐れ入ったよ」と称賛を向けられるが、それに応える余力もなく青ざめた顔でグッタリしていた。
その後、店を出て間もなく人混みから上がった悲鳴に振り返ると、チェーンソーを縦横無尽に振り回す狂人が直ぐ側で暴れている場面に出くわすことに。この国の警察は銃の携行が許されておらず、専門部隊が到着しなければ対処できないことを鬼頭が説明する中、ひな太は慌てるどころか「平和なんだねー」と笑顔であっけらかんとしていた。そんな最中、逃げ遅れた幼い女の子が男に襲われそうになる。鬼頭は今日も携行していた鎖分銅で少女を助けようとするも、ひな太は不気味な微笑を張り付かせた顔で「チェーンソーでぶった斬られるってどんな気分なんだろう」と静かに呟くと、鬼頭から鎖分銅を奪い、またそれに着ていた上着を絡ませて、少女の前に滑り込んで振り下ろされるチェーンソーを受け止めて見せる。心配する鬼頭を他所に「大丈夫、コイツ弱いから」と返すと、再度襲いかかってきた狂人が唐竹割りのように得物を振りかぶった隙をつき、男の下腹部に正拳突きを叩き込んだ。
その一撃でチェーンソー男は足腰から崩れ落ち、得物も手放し充分に無力化されるも、リミッターが外れたひな太は止まらず、今度は「人を肉片にする感覚も知りたい」とチェーンソーを再度稼働させ、男に襲いかかろうとし始める。鬼頭もその正当防衛の域を超える行為を止めようとするが、ひな太は全く動じず、最後は一か八かで、幼少期に彼の気を静める為に行っていた両耳穴を指で突く制裁を試行。全身にサブイボを浮かべ悲鳴を上げた後、ひな太はようやく平静を取り戻し、そのまま狂人を取り押さえにかかる警察たちを尻目に、そそくさと現場を離れることになる。無事帰りの飛行機に乗った後、鬼頭から先程の暴走についてお説教と詰問を喰らうが、ひな太はどこ吹く風で、呑気にフエラムネを鳴らして遊んでいた。
- 2024年7月7日の動画(特別編)
特別編に初登場。佐竹博文、飛田新治、佐伯・ゼッターランド・博子、アリスと初対面。飛田と意気投合し彼の風俗巡りに同行しようとしたが鬼頭に拒否された。
- 2024年8月22日の動画(鬼頭丈二)
鬼頭の供でナウル共和国に赴く。アホウドリの寄食を味わい、帰りのフライトを待つ中、マーティン・ブライアント(オーストラリアの犯罪者)に憧れた模倣犯による大量虐殺を行おうとした現場に鉢合わせてしまう。
逃げ遅れた女の子にまで銃を向ける様相を見た際にスイッチが入り、驚異的な対応力と戦闘能力を以て犯人を制圧する。犯人をズタズタにした上で脳ミソを取り出そうとする行いを行いかけたが、鬼頭によって大人しくなった。